2012年12月10日月曜日

トラボッコ

今日はプーリアの話。
『クチーナ・エ・ヴィーニ』の記事の解説です。

アブルツォのアドリア海沿いの名物と言えば、ブロデットとトラブッコ。
前にも取り上げたことがありますが、ほんとに個性的ですよね。
アブルッツォの南側の海岸線は、トラボッキ海岸costa dei Trabocchiと呼ばれます。
トラボッキ海岸のトラボッコ。
 ↓
 
 
海に突き出た掘立小屋。
先端に突き出た棒に網をかけて漁をします。
岩の上に立ってます。
石の国のイタリアでは珍しい木造の建築物です。
アレッポマツという松材でできています。
丈夫で軽い木材なんだそうです。
ちょっと高い波が来たら、一瞬で海の藻屑になりそうですよねえ。
きっと、いつも穏やかな海なんだろうなあと思いきや、なんと、この小屋は、海が荒れても漁ができるように作られたそうじゃあないですか。
嵐で揺さぶられても柔軟に耐えられるように、そして壊れても、修理が簡単なように、がっちり固定はされていません。
壊れること前提?

こちらのwebページによると、最初のトラブッコは、漁師ではなく、建築知識のある農民が作ったのだろうとのこと。
そう考えると、奇跡とまで呼ばれるテクニックを駆使した建物の割には、岸の近くに網を張って雑多な魚を獲るという、かなりコストパフォーマンスが悪そうな方法も納得。
陸が不作の時に、海からちょっとした収入やタンパク源が欲しいけど、舟持ってないから漁には行けないし・・・、的な?

トラボッコの漁はこんな感じ。
 ↓


昔はこんなに大がかりでした。

あれ、プーリアの話のはずが、アブルッツォの話になっちゃった?
いえいえ、プーリアにもトラブッコはあるんです。
次こそはプーリアの話。


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関連記事“プーリアの魚料理巡り”の記事は、「総合解説」2011年6月号に載っています。

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2 件のコメント:

kokumiru さんのコメント...

ここ行ったのですが閉まっていました

prezzemolo さんのコメント...

この形態のお店は物理的にも経営的にも浮き沈みが激しそうですね。

ジェラートはパンとの相性も良いデセール。シチリアとナポリの人のジェラートの食べ方は、ほんとに自由。

今日は、(CIR)7月号のリチェッタから、ジェラートの話(P.12)。 リチェッタのテーマは、シンプルにコーンやカップに入れるジェラートではなく、クロスタータやボンボローニ、はてはフォカッチャにのせるジェラート。 ジェラートのデセールの最高峰はトルタ・ジェラート。 パン・ジェラー...