イタリア料理では、適度に田舎風にする、ことが好まれます。
イタリア料理の場合、田舎風の反対は、都会風というより、洗練されたraffinata。
つまり、極端に洗練されたものは、食べ物の場合、冷たいとか、機械的とか感じられるんですね。
そこで、たとえばパスタだったら、全粒粉をちょっと加えて素朴さを出したり、形を崩して手作り感を出したりします。
作り手のぬくもりが伝わるという意味では、テラコッタで焼いたピアディーナは、アルミのフライパンで焼いたものより一段上。
例えば、こちらのサイトでは、テラコッタで焼いたピアディーナは味やアロマも違うと、絶賛してます。
今月は、たまたま、『ヴィエ・デル・グスト』にもテラコッタの記事がありました。
その記事によると、テラコッタの鍋は古代の最初の鍋。
その後に、青銅や鉄の鍋が登場します。
そんなに原始的な素材でも、いまだに現役なんですね。
テラコッタは像や鉢などが有名ですが、大昔から、調理にも多様されてきまた。
テラコッタの調理器具の特徴は、熱を均一にゆっくり伝えるということ。
テラコッタのガーリックロースター
欠点は、熱伝導率が高いので、強火にはかけることができない。
暖炉で使うのには最適ですが、ガスコンロの場合は急激な温度上昇に注意が必要です。
さらに、平らなものにのせると熱吸収ができない。
使う前に12時間程度水に浸け、網にのせて火にかけます。
水と洗剤では洗わず、汚れたはブラシで落とします。
しまう時は立ててやや傾けて。
割れやすいし重いしで、イタリアから持って帰る人はそういないでしょうが、一応、モンテティッフィのテラコッタでピアディーナを焼いた人がいたので、そのブログをご紹介。
こちらのページです。
この人によると、ピアディーナには、ロマーニャ風とリミニ風の2種類あるんだそうです。
ロマーニャ風のほうがリミニ風よりやや厚くて小型。
こちらのものと同じですね。
直径30センチで30ユーロ(約3000円)。
お掃除用のブラシとふすま付きです。
モンテティッフィのテラコッタは、2種類の粘土と方解石が原料。
これは多分、下の動画の人の作品です。
ろくろは使ってるけど、四角いし~。
成形の方法も素朴。
まず平らな土台を作ってから縁を作ります。
↓
形ができたら、2か月間毎日裏返しながら天日干し。
チーズみたいですねえ。
これを700~800度の薪の窯で8~9時間焼いて、仕上げに2日間休ませます。
テーリアは、料理に使う前に、まずふすまを入れて熱します。
茶色くなったら取り除き、そのまま冷まします。
ふすまかすは水で洗わずに、ブラシで取り除きます。
ふう、大変だあ。
まだピアディーナ作りは全然始まっていないのに、もうかなり疲れた気分です。
次こそはピアディーナを作ります。
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“ピアディーネとクレッショーニ”、“テラコッタ”の記事の解説は、「総合解説」2011年6月号に載っています。
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