漁師料理の話、続けます。
『サーレ・エ・ペペ』の記事の解説です。
ここまで登場した漁師料理は、船の上で作る料理と、売り物にならない魚(小魚)で作る料理でした。
いわば、漁師ならではの作り方をする料理で、使う魚の種類は特に限定されません。
そして、今回の料理は、売れ残った、というか、売れてもあまり儲からないというか、そんな売りにくい魚で作る料理。
つまり、魚の種類が限定される漁師料理です。
売りにくい魚は色々あると思いますが、その代表格の一つが、エイ。
確かに、泳いでいるのを見ている分には面白い魚ですが、食べるとなると、別に無理して食べなくてもいいような・・・。
『Grande enciclopedia illustrata della gastronomia』によると、エイは毒性のある体液で覆われているので、釣ってすぐは食べることができないのだそうです。
12時間は置かないといけないんだとか。
しかも、12時間たったら、今度はすぐに食べないといけないんです。
傷みやすいんだそうですよ。
おまけに、時間がたつとアンモニア臭がするようになる。
さらに、皮が分厚くてぬるぬるしています。
エイヒレには軟骨があるので、フカヒレのように柔らかくない。
踏んだり蹴ったりな魚ですねえ。
素人が扱うには、ちょっと荷が重い。
ちなみに、こちらのイタリアのサイトには、
「日本の侍は、刀のつかをエイのざらざらした皮で覆ってしっかり握れるようにしていた」
とありますよ。
つか作りの動画。
3:25頃エイの皮が出てきます。
刀一本にエイ一匹使うんですね。
フランス料理ではエイはよく使われる食材のようですが、イタリアンではマイナー。
ただ、ラツィオにはエイを使った伝統料理があって、それは比較的知られています。
『サーレ・エ・ペペ』で紹介しているのもそんな一品です。
その話は次回に。
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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年9月号
エイヒレ料理を含む「漁師料理」のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年9月号に載っています。
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2010年12月13日月曜日
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4 件のコメント:
エイの皮を初めて見ました~。
干からびたエイの姿にギョっとしましたが、日本刀には欠かせないものなんですね。それにもビックリでした。
ところで話は変わりますが、とうとうローマに行ってきました。
プレッツェーモロさんからの情報を頼りにカルボナーラの「ロッショーリ」にも辿り着けました。ありがとうございます。
あと、、、ザビエルの右手も拝んできました。
またブログにリンクさせてください~!お願いします。
pepe犬さん
こんにちはです~。
ローマ、行きましたか!
ロッショーリ、行きましたか!
ザビエルの右手、拝みましたか!
ジェズ教会の天井画、目がクラクラするでしょ。
いいなあ。
私も行きたーい!
こんなブログでよろしければ、どうぞリンクしてやってください。
光栄です。
エイ、地元では「カスベ」と言ってネギミソで和えます。正月料理の定番です。
よくよく考えれば世界中の海にいるのだろうけど日本以外でも食べられているんですね。
畠山さん
場所が変わると全然違う名前になるんですねえ。
正月料理ですか。
ちょうど今頃の季節のものなんですね。
にんにく、アンチョビー、唐辛子、トマトで煮るイタリアンなエイには冷えた白ワインが合いそうですが、ねぎみそなら正月の祝い酒ですねえ。
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