2010年9月27日月曜日

ジェラートとアイスクリーム

今日は、「イタリア人が愛してやまないメイド・イン・イタリー」シリーズ、その3。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事の解説です。


今まで、「イタリア人が愛してやまないメイド・イン・イタリー」として、パスタとコーヒーを取り上げてきました。
そして第3弾は、ジェラートです。


Another gelato
フィレンツェで


The Venetian Dream - il gelato
ヴェネチアで


イタリアの路地にジェラートはよく似合いますねえ。

イタリア人は、1人当たり年間約15㎏のジェラートを食べているのだそうです。
(Coldiretti-Eurisko調べ)

総売り上げは50億ユーロに上り、イタリア人の54%が、1週間に最低1回ジェラートを食べます。

ジェラートのフレーバーは約600種類あって、一番人気があるのは、チョコレート。
そして、ヘーゼルナッツ、レモン、ストロベリー、クレーマ、ストラッチャテッラ、ピスタチオの順で続きます。

最近の傾向として、地元の旬の素材や自家栽培のものだけを使ったジェラートや、野菜、花、薬草、スパイスといった自然の素材のフレーバーが増えているのだそうです。


イタリアのジェラートと、アメリカスタイルのアイスクリームは、材料も製法も、基本となる所はだいたい一緒。
大きな違いは、空気の含有量と脂肪分です。
アイスクリームと比べて、ジェラートの方が、空気含有量も脂肪分も、少なくできています。


大量生産されるアイスクリームは、冷やす時にフリーザーで大量の空気を含ませて急速に冷やします。
出来上がった製品の約50%が空気なのだそうです。
一方、ジェラートの空気含有量は20~35%。
空気含有量が少ないということは、濃厚で、舌触りがなめらかで、味や香りが濃く、溶けにくいということ。

アイスクリームはジェラートより乳脂肪分が多く、冷凍庫で長期間保存することができます。
保存期間が短いジェラートは、ジェラテリーアで買って、その場で食べる、という習慣が広まりました。
濃厚だから、コーンにこんもり盛ることが出来て、溶けにくいので、歩きながら食べる、ということも可能。
イタリアでは、ジェラートの総売り上げのうちの60%を、ジェラテリーアのジェラートが占めているのだそうです。



ローマのジェラテリーア・デッラ・パルマ








サン・ジミニャーノのジェラテリーア・ディ・ピアッツァのメロンのジェラート。







同じ店の、オリジナルジェラートの数々。
サン・ジミニャーノのサフランと松の実、香草の“ドルチェアマーロ”、シャンパンとルビーグレープフルーツの“シャンペルモ”、ヴェルナッチャワインのソルベット、10年以上寝かせたヴィンサントと卵の“ヴィンサント・エッグノック”など。









ジェラテリーアって、楽しい商売ですねえ。


ジェラートの話、次回に続きます。



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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2008年8月号
「ジェラート」の記事の解説は、「総合解説」'07&'08年8月号に載っています。

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6 件のコメント:

くるり さんのコメント...

タルトゥーフォ・ディ・ピッツォ、めちゃ甘で味わいもなにもなかったです。食感もぜんぶぐずぐずな感じで(笑)。これなら他で食べた外はがちがちのチョコで中はヘーゼルナッツのタルトゥーフォの方がよかったなぁと。

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん
お帰りなさい♪
あちゃ~、めちゃ甘で、ぐずぐずでしたか。
なんだか想像できます。
南イタリアのドルチェの残念な味(笑)。
でもそう聞くと、逆に好奇心が刺激されて、どれだけ甘いか食べてみたいなんて思っちゃいますよ~。

くるり さんのコメント...

遅くなりましたが、ただいまです。
ピッツォのタルトゥーフォは甘甘なのに、さらにグラニュー糖?がまぶしてあったんで、生まれて初めてジェラートを残してしまいました。以来今回は一度もジェラートを口にしなかった←これも初体験(笑)
その代わりに今回は辛い物(ロザマリーナ、サルデッラ、サルデピカンテ、ンドゥーヤ)を思いっきり食べました。

prezzemolo さんのコメント...

vittorioさん
ひえ~トラウマになるほど甘かったとは~。
そうか、地元の人は辛い物食べすぎて、甘いものに対する感覚がよその人とは違うのか!

vittorio さんのコメント...

豪快なジェラートの盛り方大好きです。

アイスクリームとジェラートの区別がわからない方もprezzemoloさんの記事を読むとすぐわかりますね。

臨時の手伝いでローマのコロッセオのトラットリーアにいた時、ローマは全然わからないのですが、休むの日にぶらぶらしていたらある広場の隅っこに屋台のジェラート屋がありました。

陽気なシニョーラで私に
『お兄ちゃん、日本人かなぁ~、私はこの仕事になれてなくて、英語ももちろん日本語もわからないんだよ』私『ジェラート売るのに言葉いるんですか?』と20分ぐらいしゃべってましたナッツ入りのショコラジェラートを食べながら(笑)

しばらくしたら向こうから日本人の団体さんが来たので遠慮して近くのベンチに座ってくつろぎました。

一気に注文されたのでシニョーラ、頭の中真っ白で『ねぇ、ねぇ』と私の方向を見て目がアユートと言う感じでしたので手伝い、書いてくれと言うので商品名を日本語ローマ字で書いた記憶があります。

一人のお客様が『ティラミスある?』私『はないです、ティラミスご存知なんですね』

『私はイタリア始めだけど、バームクーフェンて知ってる?て言うのと同じことよ』

と言われてしまいました。

私が日本にいた時はティラミスはなかったので、

私が遅れていたんですねぇ(笑)

休憩時間はコロッセオの猫とたわむれてました、いっぱいいるんですね(笑)

prezzemolo さんのコメント...

vittorioさん
ローマのジェラートに、ほのぼのした思い出があったんですね。
そしてティラミスの広まり方は、「一瞬で隅々まで確実に」(まるで殺虫剤)だったんですねえ。

私はフィレンツェに下宿していた頃(ティラミスが広まる前でした)、近所に評判のジェラテリーアがあってよく行ってました。
☆※年たったいまでも人気店です。
Vivoliという店です。

コロッセオは、猫好きの間では世界的に有名な猫スポットですね~。
ほとんど捨て猫らしいです。
保護活動しているボランティアもいるとか。

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...