2010年7月12日月曜日

イリー

今回からは、イタリアがパスタに負けず劣らずプライドを持っているメイド・イン・イタリー製品、コーヒーの話です。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事の解説です。

前回、パスタメーカー、ラティーニの株を49%取得していた、という話でちらっと登場したイリーグループという名前。
イリーグループは、イタリアのコーヒー関連ブランド、イリーカフェの株を100%所有しています。
他に、チョコレートのドモリ、紅茶のダマンフレール、トスカーナのワイナリーのマストロヤンニなどを所有しています。

コーヒー、チョコレート(カカオ)、紅茶・・・。
これらは、いわゆる植民地製品と呼ばれるもの。
イリーの創業者、フランチェスコ・イリーはハンガリー人で、オーストリア・ハンガリー帝国の軍人でした。
第一次大戦後に、当時オーストリア領だったトリエステにやってきて、トリエステの女性と結婚。
そこでカカオとコーヒー豆の商売を始めます。
そして1933年にイリーカフェを創業。
ちなみに、トリエステは1920年にイタリアに併合されました。


イリーのCM






下の写真は、現在のイリーグループの社長で3代目のリッカルド・イリー氏。



リッカルド・イリー氏, photo by Niccolò Caranti


実はこの人、2008年まではフリウリ・ヴェネチア・ジューリアの州知事でした。
さらにその前は、トリエステの市長を2期務めています。

そんなリッカルド氏、『ヴィエ・デル・グスト』のインタビューで一日に何杯コーヒーを飲むかときかれて、2杯と答えています。
午前中に1回、午後の食後に1回なんだそうです。
意外と少ない?
朝食の後に飲むのは紅茶だそうで。
さすがはイリーグループの社長。
紅茶もグループの大事な商品ですからね。


おまけの動画。
イリーの家庭用エスプレッソマシン、イーペルエスプレッソ。






コーヒーの話、次回に続きます。



-------------------------------------------------------

関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2008年7月号
「コーヒー」の記事の解説は「総合解説」'07&'08年7月号に載っています。

[creapasso.comへ戻る]

=====================================

2 件のコメント:

くるり さんのコメント...

イリーのトリエステ創業を不思議に思っていたからわかってよかったです。

ところで、アサリのパスタ26ユーロってホンマデッカ?無理だすなぁ。
これからチェゼーナが日本でも有名になりそうだから、ロマーニャとかマルケとか狙い目なんだけど(なんのこっちゃ)

ちなみに自分も乾麺ならリングイネが一番好きです。手打ちは今のところタリオリーニとストロッツァプレッティかなぁ(って、よく行く店に影響されてるけど。笑)

prezzemolo さんのコメント...

くるりさん
トリエステは、19世紀から20世紀にかけて、イタリアで一番カフェの数が多い町だったそうですよ。

26ユーロのアサリのパスタ、きっと相当すごい料理ですよ!

あーチェゼーナって、最近聞きますねえ。
でも誰が行くのか思い出せない~。

ほお、リングイーネは通に人気だなあ。
ストロッツァプレーティとは、またひねったパスタ(笑)を選びますねえ。

ジェラートはパンとの相性も良いデセール。シチリアとナポリの人のジェラートの食べ方は、ほんとに自由。

今日は、(CIR)7月号のリチェッタから、ジェラートの話(P.12)。 リチェッタのテーマは、シンプルにコーンやカップに入れるジェラートではなく、クロスタータやボンボローニ、はてはフォカッチャにのせるジェラート。 ジェラートのデセールの最高峰はトルタ・ジェラート。 パン・ジェラー...