2008年10月1日水曜日

アスコリ風オリーブ

今日はアスコリ風オリーブの話。
前回に引き続き、『ガンベロ・ロッソ』の記事、“フリット・ミスト”の解説です。

『ガンベロ・ロッソ』のこの記事は、2005年以来、アスコリ・ピチェーノで開催されている「フリット・ミスト・アッラ・イタリアーナ」というイベントを紹介したものです。
イタリア各地や世界のフリットを味わおう、というこのイベント、そもそもは、アスコリ産オリーブのプロモーションの一つとして考え出されました。

フリット・ミスト・アッラ・イタリアーナのhp
 ↓
www.frittomistoallitaliana.it

イベントの紹介動画





アスコリ・ピチェーノは、マルケ州の南の端にある町。

ここで問題です。
マルケ料理と言えば、何?

・・・・・。

さーてどんな答えが出たでしょうか。

多分、一番多いのが、このアスコリ風オリーブじゃないでしょうか。
次はブロデットあたりかなあ。
で、次は・・・。
・・・・・。

うーん、思いつかない。

美味しいマルケ料理は星の数ほどあるのでしょうが、世界的な知名度となると、やっぱりこのアスコリ風オリーブ、オリーヴェ・アスコラーネ olive ascolane が、マルケで一番の有名料理。


Le olive all'ascolana
アスコリ風オリーブ, photo by Rosanna Galvani


Oliva all'ascolana
中身はグリーンオリーブの挽肉詰め, photo by Marina


アスコリ風オリーブの作り方



この動画によると、アスコリ風オリーブは、一家総出で作る料理だったのだそうです。
具体的なリチェッタは、01:35あたりから始まります。

材料/
 柔らかいグリーンオリーブ(アスコラーナ)の塩水漬け・・120粒
 牛赤身肉・・300g
 豚赤身肉・・300g
 鶏胸肉・・300g
 モルタデッラ・・100g(好みで)
 おろしたパルミジャーノ・・150g
 卵・・詰め物用2個+衣用8個
 ナツメグ
 パン粉・・800g
 小麦粉・・500g
 白ワイン・・1カップ
 玉ねぎ・・1個
 にんじん・・1本
 セロリ・・1本
 オリーブオイル・・150cc
 揚げ油(ピーナッツ油、またはひまわり油、ラード、オリーブオイル)・・2リットル
 レモンの皮

・香味野菜を油でソッフリットにする。
・肉を加えて塩、こしょうをし、30分以上炒める。
・モルタデッラを加え、ワインをかけてさらに炒める。必要なら鶏のブロードをかける。
・約1時間15分炒めたら冷まし、2回挽く。
・卵、パルミジャーノ、ナツメグ、レモンの皮1/3個のすりおろしを加える。塩味を整えて少し休ませる。
・オリーブを約12時間水に漬けておく。実を渦巻き状に切りながら種を取り除く。
・小さく丸めた詰め物を詰め、小麦粉、溶き卵(塩少々を加える)、パン粉をつけて揚げる。



この料理、アスコリのオリーブで作れば完璧ですね。
アスコリのオリーブはDOP製品。
今年、アスコリのデザイン学校の生徒たちによるコンクールが行われて、新しいロゴが決まりました。

優勝者とそのデザインはこちら。
www.provincia.ap.it

一目見ただけで、アスコリのオリーブだ!ということが分かりますねー。
素晴らしい!



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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2007年8月号(クレアパッソで販売中)
“フリット・ミスト”のリチェッタは、「総合解説」'06&'07年8月号、P.11に載っています。


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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

そうだったんだー。また行きたいイベントが増えただけ(^^;
でもこういうスナックって、意外と手間かかっていて自分で作るのは困難なんですよね。しかももっと食べたいけど、いっぱい食べるとお腹ふくれちゃうし。しかしモルタデッラ入りはまだ食べたことないから食べてみたいです。あと、フリット・ミストも名物だからと思って頼んでしまうと、それだけでギブアップ。でもアスコリ風オリーブ、日本ではやらせる人がいないですかね、ホントこれおいしいのに。
あと、近所でも生のムール貝が手に入るようになったので、マルケ風にして作ってみたんですけど、ヴィネガー入れると味が引き締まっておいしいですね、レシピありがとうございました(^^)

prezzemolo さんのコメント...

生のムール貝で作ったんですか。相変わらずレベルの高い食生活してるなあ。
フリット・ミストも、日本人の胃袋の限界を知らされる料理ですよねー。イタリア暮らしが長い知人が、日本のレストランの揚げもの料理は、量が少なくて注文する気にならない、と言ってましたっけ。どうしてあんなに山のように食べることができるのか、不思議です。
フリット・ミストのイベントも、まず揚げものに耐性つけてから行かないと、元取れなさそう~。
アスコリ風オリーブは、一度食べると、みーんな大好きになりますよね。

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...