今日はイタリア便りです。
Segnalibroさんが、困った時に少しでも役に立てばと、自らの貴重な体験を語ってくれました。
私、なんでも食べれてどこでも寝れる丈夫な体なんですが、思いもよらず2年前、ちょうどこんな花が咲く季節にイタリアで人生初の入院手術を体験いたしました。
命にかかわるようなものではなかったので、手術できるかどうかの検査をした後は、手術日まで自宅待機。
お世話になったのは、隣町にある公立の総合病院。
イタリアでは、国民健康保険に加入していれば公立病院での入院手術は無料です。
日本で同様の手術を受けると1週間から10日ほどの入院になるそうですが、ここでは1泊2日。
当日は早朝病院に行きそのまま手術、翌日退院というスケジュールだと説明を受け、簡単な入院のお知らせをもらいました。
開腹手術だったのですが、前日に家で食べるものが指定されていました。
軽い昼食:パスティーナ、火を通した果物、ヨーグルト
14時:下剤を服用
夕食: ブロード、ヨーグルト、フルーツジュース
パスティーナというのは、小さなパスタのこと。ブロードに小さなパスタが入ったものがイタリアの一般的な病人食で、乳児が初めて食べるパスタもこんなパスティーナです(CoopさんのHPより)。
下剤は、ホームドクターに処方箋をもらって薬局で購入。
手術前に体力をつけなきゃ、と張り切ってブロード用の少々お高い牛肉も買いました。
で、まさにそれを調理しようとしていた手術前日のお昼前、病院から電話があり、手術は数日後に延期だと告げられました。
もう、張りつめていた糸が解けましたよー。
牛肉は出番が来るまで一旦冷凍庫へ入れました。
こんな感じで、手術日決定→延期が何度か繰り返されたある日の午前中、スーパーでお買い物をしていたら、病院から電話がかかってきました。
「あなた、今日の朝は何食べた?え?ビスコッティとカフェラテ?だったら大丈夫よ。
今からすぐ来て。
午後から手術だから」
大丈夫じゃないわよー、と思いつつ、荷物の準備はしていたので慌てて病院へ急ぎます。
病室はトイレとビデ付きの2人部屋。
ロッカーや金庫もあり、想像していたより普通で快適でした。
到着時、真っ先に女性看護師さんにチェックされたのは、ちゃんとブラジリアーナにしてきたかということ。
入院のお知らせには、前夜は陰部を剃ってシャワーを浴びてくることって書いてあったので、万が一に備えて準備していました。
でも、入院時の持ち物が書いてなくて、到着早々問題発生。
普通のパジャマを持って行ったのですが、手術後はズボンだとドレーンやカテーテルが通せないから使えない、ネグリジェは持ってないの?って、看護師さんにダメだしされました。
ネグリジェなんて生まれてこのかた着用したことないし、近くにお店なんてないし、手術はいつ始まるかわからないし、相方は出張中だしどうしよう。パジャマの上着だけでは短すぎるみたい。
私、このままだと手術後は退院まで、Backlessな手術着のまま、管付けて歩く練習もするのよね?
ギャグ漫画おぼっちゃまくんの登場人物、貧ぼっちゃまみたいな状態でセクシーに過ごさなきゃいけないかもー。
半分覚悟を決めていたら、見かねた同室のシニョーラが私のお古だけどよかったら使って、と予備のネグリジェをプレゼントしてくれました(涙涙)。
結局、午前中の手術が長引いたため私の手術は翌日に延期され、その日は病院に宿泊。
急いで来たので、下剤を持ってくるのを忘れました。
せっかく買った下剤は使わず仕舞い。
張り切って購入したブロード用お高めな牛肉も冷凍庫に入れたまま、手術前には食べることができず。
やっぱり、予定通りに物事は進まない国です。
でも、手術は翌日無事終了しました。
よかったー。
手術後24時間は、お水も口にさせてもらえません。
空気が乾燥しているから唇がカサカサになってきた頃、ネグリジェのシニョーラが湿らせた脱脂綿で口を覆ってくれたのがこれまた嬉しかったです。
同室の人に恵まれて、本当に感謝でした。
手術の翌日、待ちに待った朝ごはんは、トルコのチャイなみに甘い紅茶とビスコッティ、市販のすりおろし煮リンゴ。
空腹のあまりむさぼり食ったので写真は撮り忘れましたが、イタリアなのにカフェじゃないのが意外でした。
で、これは昼食。
手術した日の夕方、そう、体は元気なのに喉は渇くしお腹はすくし、ちょっとイライラし始めたころ、栄養士のお姉さんが翌日の食事の注文を取りに来てくれるんです。
同室のシニョーラは、付け合わせのほうれん草のソテーは少し歯応えを残してねって、ゆで加減まで指定。
その反動からか、私には◎※×#でいいわよねって、早口で有無を言わさない口調だったので、ムッとして全メニュー聞いたら、各5種類くらい選択肢があって焦りました。
苦心して選んだメニューがこれです(笑)。
・パスティーナ
・鶏胸肉のソテーとじゃがいものプレ
・すりおろし煮リンゴ
写真には写っていませんが、プラスチックの蓋がしてあり、熱々で運ばれてきます。
さすが、イタリア。病院食にはオリーブ油がついていました。
シニューラのほうれん草?もちろん、彼女の意に反してクタクタになっていました。ざんねーん。
今回お世話になった公立病院の近くには私立病院があるのですが、シニョーラいわく、ここはアラブの富豪が病院ごと借り切って滞在したことがあるのだとか。
また、日本人の友人は以前私立病院へ行った時、生ハムを盛った大きなお皿を病室に運ぶ看護師さんを目撃し、さすがイタリアだと思ったんだそうです。
イタリアの病院食もいろいろだと思いますが、庶民はこんな感じです。
富める者も貧しき者も、当たり前のことですが、おいしく食べるには、まずは健康ですねー。
そうそう、私はあの日以来ネグリジェの快適さを実感し、頂いたネグリジェ以外に数着買い足して、夏はネグリジェ愛用者になりました。
改めて彼女に感謝です。
Grazie Segnalibroさん。
異国で、一人で手術を受けるなんて、とても大変な体験だったと思います。
病気はしないにこしたことはないけど、いつなっても不思議ではないものなので、こういう体験談を知っていると、とても心強いですよね。
入院しながらこれだけ食について語れるのは、それだけ体が頑丈だった証拠かな。
これからもイタリアの地で、お体には気を付けて活躍してください。
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2015年2月19日木曜日
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3 件のコメント:
イタリアに一緒に行った方が盲腸炎で急きょ入院、手術。翌日公立病院へお見舞いに行くと運ばれてきた食事はセモリナ粉のおかゆでした。日本では重湯から始めるのでどの国も同じかと思いました。異国での手術は不安だったでしょうけど貴重な経験ができましたね。
それにしても病院食をメニューから選べるのはうらやましい・・・
italiamama
Italiamamaさま
日本で急きょ入院手術でも大変ですのに、イタリアでだなんて、付き添いもさぞかし大変だったのではないですか。
私もセモリナ粉のおかゆだと言われたのですが、例のシニョーラが、変更した方がいいわよってアドバイスして下さったんです。
人の温かさが見に沁みた、本当に貴重な体験でした。
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