2013年3月4日月曜日

フリウリ=ヴェネチア・ジューリアの料理

今日は、フリウリ=ヴェネチア・ジューリアの話。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事の解説です。

フリウリ=ヴェネチア・ジューリアは、その名前からしても想像がつく通り、多様な州です。
イタリアの北東の端にあって、山もあれば海もある。
隣は、オーストリア、スロヴェニア、ヴェネチア、アドリア海。

州の大部分(96%)を占めるのが、ウーディネを中心とするフリウリ地方で、残りのヴェネチア・ジューリアは、端っこにある山菜のゼンマイみたいな形の部分で、第二次世界大戦後にイタリア領になりました。

ヴェネチア・ジューリアの中心地で東の国境地帯の街トリエステは、東西対立の狭間の微妙な位置で、かなり複雑に属する国が変わっていて、1954年まではイタリアじゃなかった。
スペインやフランスが入り乱れる南イタリアより、かなりグチャグチャの歴史です。

文化的には、スラブやハンガリーなど東ヨーロッパ、オーストリアなど中央ヨーロッパ、そしてヴェネトの影響を多大に受けている地方です。
人によって思い描くイメージもかなり違うと思いますが、あなたにとってはどんな州ですか?

1分で見るフリウリ=ヴェネチア・ジューリア。
 ↓



最初に取り上げるのは、一番北、ウーディネ県の山岳地帯、カルニア地方。
イタリア最後の山奥、カルニア料理のベストシーズンは冬なんだそうです。

紹介しているカルニア名物は、スペック、サウリスの生ハム、カルニア料理の王様フリーコなど。
 ↓


確かに、寒ーい季節だと一段と美味しそう。

この地方には、ケルト人の遺跡があります。
ケルト人は、豚肉を保存するために塩を使うことをヨーロッパ各地に広めた民族で、あまり知られていないけれど、イタリア料理の重要なルーツの1つでもあるんです。

ケルトというとエンヤ、アイルランドというイメージですが、ケルト人はイタリアまで来ていたんですねー。
その一番わかりやすい証拠が、生ハムです。
豚肉を保存のために加工する方法は、サラミ、腸詰め、スパイス漬け、スモークなどいくつかありますが、サン・ダニエーレやパルマの生ハムのように塩漬けにする方法は、ケルト人が伝えた技術です。

個人的にはイタリアのケルト人と言うと、自動的にグラディエーターの森の中戦いが浮かんできちゃう。


 

こちらは、カルニアのケルトの遺跡のある森。
映画の舞台そっくりでしょー。
こんな森でラッセル・クロウと戦うんじゃ、肉食べてないと力出ませんねー。
この次生ハム食べる時は、ケルト人の戦士になった気分でどうぞ。

と言うわけで、カルニア料理を知るには豚肉の加工品から。
次回はカルニアの豚肉の加工品の話。




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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2011年7月号、“フリウリ=ヴェネチア・ジューリアの料理”の解説は、「総合解説」2011年7月号に載っています。

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