2010年1月12日火曜日

ロマネスコのリチェッタ、その1

ブロッコロ・ロマネスコの話、その2です。
今日は料理の話。



アメリカの市場に並んだ(手前から)カリフラワー、ロマネスコ、ブロッコリー
フルサイズ
photo by beautifulcataya



ブロッコロ・ロマネスコはローマの名物野菜。
ロマネスコを使った伝統料理には、どんなものがありましたっけ。

・・・・・。

うーん。
意外と思い浮かばないものですねえ。
形のインパクトが強すぎるのか・・・。

では、ローマ料理の本にはどんなロマネスコ料理が載っているのでしょうか。
リヴィオ・ジャンナットーニの『La cucina romana e del Lazio』から、ブロッコロ・ロマネスコに関する部分をちょっとご紹介。


ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、ブロッコレッティはローマではお馴染みの野菜だが、混同されがちな野菜でもある。
ブロッコリーはミネストラ、キャベツはズッパなどに入れたりもするが、その本領が発揮されるのは、何と言ってもコントルノ(付け合わせ)だ。
キャベツや縮緬キャベツの大きな美しい葉。
カリフラワーやブロッコリーの見事にこんもりとした花序。
花序の先端が一つずつピラミッド型をしたブロッコロ・ロマネスコは、まるで巨大な自然の宝石のように見える。


イタリアのブロッコリーやブロッコレッティについては、前回簡単に紹介した通りです。
ブロッコレッティはこんな野菜

ジャンナットーニは、「あのアルトゥージもブロッコロ・ロマネスコに魅了された」と言って、そのリチェッタを紹介しています。
アルトゥージのリチェッタは・・・

ブロッコリ・ロマーニ Broccoli romani
(ロマネスコの)葉の硬い部分を取り除いてゆで、冷水に取る。
水気をよく切って粗く刻み、ラードを熱したフライパンに入れて塩、こしょうをする。
油がなじんだら甘口白ワインをかけ、水気がなくなるまでしんなり炒めて出来上がり。
これがおいしい


アルトゥージは、さらにこうも書いています。

このブロッコリーは、ゆでない“ア・クルードa crudo”が一番おいしい


普通、“ア・クルード”と言えば「生で」という意味です。
でも、「ロマネスコを生で食べるのか・・・」と早合点してはいけません。
このア・クルードは、「下ゆでしないで調理する」という意味なんですねー。
なんとも紛らわしいことに。

ジャンナットーニは、アーダ・ボーニの“ア・クルード”のリチェッタを紹介しています。

ブロッコリ・ア・クルード Broccoli a crudo
ローマの典型的なブロッコリー料理は、生ハムやソーセージと一緒に炒めたものではない。
“ア・クルード”だ。
とてもおいしい一品だが、誰にでも向くという訳ではない。
作り方は、
ブロッコリーを掃除し、柔らかい葉を数枚取っておく。
ブロッコリーの花序部分を小さめに切る。
茎は縦に十文字に切る。
葉と花序を水にさらしておく。
フライパンにラード少々を入れてにんにく2片のみじん切りを加え、色がつかないようにソッフリットにする。
ここにブロッコリーの葉を入れて塩、こしょうをし、しんなりしたらブロッコリーの残りの部分(水気をしっかり切る)を加える。
さっとなじませ、辛口ワイン1~2カップをかけて蓋をする。
時々崩さないようにかき混ぜながら弱火で煮る。
野菜料理として食べてもよいし、肉のボッリートやローストの付け合わせにしてもよい。


ジャンナットーニは、「この料理、確か昔は“アッフォガート”と呼ばれていたと思う。
赤ワインで煮ることもあった」
と書いています。


イタリアの人はブロッコリーをぐちゅぐちゅにゆでるのが好きですよねぇ。
この2つのロマネスコ料理も、あの特徴的な角がはっきりと残らないので、最終的にはロマネスコなんだかカリフラワーなんだか、よく分からない料理に仕上がるはずです。


下の動画はロマネスコを使ったスパゲッティなのですが、出来上がりだけ見ると、「どこがロマネスコ?」な一品です。
アサリとロマネスコのクリームのスパゲッティをどうぞ。






アサリをオリーブオイル、唐辛子、にんにく、プレッツェーモロの茎で熱し、開いたらすぐに取り出します。
ロマネスコは小さく切ってパスタの湯でゆで、取り出します。
次に湯にアサリの殻を入れてゆで、殻を取り出したらパスタを入れてゆでます。
ロマネスコはオリーブオイル、アンチョビー、にんにくのソッフリットに入れて炒め、オリーブオイルを加えながらハンディーミキサーでクリーム状に撹拌します。
アサリの汁にパスタとアサリを入れてなじませ、プレッツェーモロを散らします。
皿にロマネスコのクリームを敷き、その上にパスタを盛り付けて出来上がり。


ロマネスコの話、次回に続きます。



-------------------------------------------------------

[creapasso.comへ戻る]

=====================================

2 件のコメント:

pepe犬 さんのコメント...

プレッツェーモロさん、お久しぶりでございます。
今年も「イタリア料理、ばんざ~い!」で行きたいと思います!(笑)

ロマネスコ、リヨンに居たときに食べました、食べました!
名前がかわいい~!と思ったら、なるほど~、ローマのブロッコリーという名前でしたか!
普通に塩茹でにして食べましたが、こういうう食べ方もあったんですね。
でも、せっかくのかわいい形が…無くなってチョット悲しいけどね。(笑)

prezzemolo さんのコメント...

pepe犬さん
超お久しぶりです~!
イタリア料理、ばんざ~い!(笑)

フランス語だと、ロマネスクかな。
cuじゃなくてqueの(なんとなくおしゃれ)。
そうなんですよね、小さく切ると、あの形、無くなっちゃうんですよね。
で結局、カリフラワーと同じかい、てことになっちゃう。
切るまでが花、みたいな野菜ですね。

ナスのパルミジャーナはその形状が語源。パルマじゃなくてナポリ生まれ。

今月の(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)の地方料理は、パルミジャーナです。 人気のイタリアの地方料理の1品ですが、パルミジャーナと言う名前でも、パルマとは何の関係もない、というのはよく知られています。 というか、下の動画ではナポリ料理と言ってます。 パルミジャーナ。...