次の配本は、もうすぐの予定です。
今、一所懸命解説書を作っているところです。
もう少々お待ちくださ~い。
さて、今日はワインの話。
『ガンベロ・ロッソ』の記事の解説です。
今回取り上げるのは、ソアーヴェのリーダー的カンティーナ、ピエロパン。
ピエロパンは、1890年に、医者だったレオニルド・ピエロパン氏が創業したヴェローナのカンティーナです。
ピエロパンのソアーヴェには、印象的なラベルがついているのですぐに分かります。
ピエロパンのソアーヴェ・クラッシコ, photo by ulterior epicure
このラベルの絵は、ぶどうの若枝をデザインしたもの。
1920年代からずっとこのデザインなんだそうです。
現在、ピエロパンでは3種類のソアーヴェ・クラッシコを造っていますが、そのどれもにこのラベルが貼られています。
ピエロパンのワイン
pieropan.it
ピエロパンのどこが素晴らしいのかと言うと、『ガンベロ・ロッソ』の記事ではこう説明しています。
現在の経営者のレオニルド(ちなみにこの名前、ピエロパンの創業者であるおじいさんの名前を受け継いだんですねえ)が、コネッリアーノのワイン醸造学校を卒業したのは1967年のこと。 彼は学校で学んだ知識をピエロパンに取り入れた。 設備やぶどうの選別方法を変え、圧搾を軽くして究極の澄んだモストにする方法を追求した。 細心の注意を払って彼が造り出した新しいソアーヴェに、消費者は驚いた。 これほどまでに明確で、澄んだ、花のような香りを持ったソアーヴェは、誰も知らなかった。 中にはこれはソアーヴェではない、という声もあったが、ピエロパンの哲学を理解した人たちはこぞって賞賛した・・・ |
ピエロパンの単一の畑のぶどうだけを使った最初のソアーヴェ、“カルヴァリーノ”が誕生したのは1970年代。
最初のヴィンテージは1971年でした。
この時、新しいソアーヴェ像が誕生したんですねえ。
ピエロパンの単一の畑のぶどうを使ったもう一つのソアーヴェ、“ラ・ロッカ”。
カルヴァリーノはガルガーネガ(ガルガネーガ)70%とトレッビアーノ30%のワインですが、ラ・ロッカはガルガーネガ100%。
記事にもある通り、ピエロパンではガルガーネガの栽培や醸造にとても熱心に取り組んでいて、彼らの情熱が注がれたワインになっています。
最初のヴィンテージは1978年。
このワイン、2001年版のガンベロ・ロッソの『ヴィーニ・ディ・イタリア』で、ベスト白ワインに選ばれています。
その時、『ガンベロ・ロッソ』誌にはこんなコメントが載りました。
ソアーヴェのことを安売り用のワインだと思っている人は、本誌がベスト白ワインにソアーヴェを選んだことを意外に思うだろう。 ところが実は、ソアーヴェ地区はここ数年、イタリアで最高の白ワインと甘口ワインの産地の一つとみなされるようになっている。 レオニルド・ピエロパンは、この地区の高貴な精神を30年来代表してきた人物だ。 ソアーヴェがイタリアの代表的な白ワインの一つとして、味よりも知名度でしか評価されていなかった時代に、すでに彼はもっと先を行っていた。 卸売商だったピエロパンは、70年代に条件に恵まれた土地を購入し(その中にラ・ロッカのぶどう畑も含まれていた)、新しいソアーヴェを造り始める。 彼のワインは他よりやや高価だったが、とてもフレッシュで清らかさがあると同時に、素晴らしい複雑さもあった。 今回選ばれたソアーヴェ・“ラ・ロッカ”は、畑を購入してから20回目に収穫したぶどうから造られた。 収穫を重ねるたびに成熟していった技術と感性によって、このワインは素晴らしい仕上がりになっている。 ラ・ロッカのぶどうは、樹齢40年以上、25年、15年になったばかりの3種類で構成されている。 収穫は遅摘みで、2回に分けて行う。 ガルガーネガ100%で、500リットル入りの樽で収穫の翌年の2月まで寝かせ、これを大型の樽に移してさらに寝かせてからびんに移す。 ワインは黄金色を帯びた麦わら色で、魅力的で複雑な香り、熟した果実や花の香り、デリケートなスパイスの香りがあり、口に含むと豊かなニュアンスと驚くほどのこくがある。 味はよく持続し、エレガントで調和が取れている。 過去も含めて最高のソアーヴェの一つ。 |
クッジョブ、ピエロパン!
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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2007年10月号
“ピエロパン”の記事は「総合解説」'06&'07年10月号、P.31に載っています。
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