イタリア料理ほんやく三昧: ひっかくパスタ、パスタ・ストラッシナータ

2011年12月22日木曜日

ひっかくパスタ、パスタ・ストラッシナータ

マッロレッドゥスの話の続きです。

マッロレッドゥスは、通称“ニョッケッティ・サルディgnocchetti sardi”。
サルデーニャの小さなニョッキ、という意味ですね。

ニョッキと言えば、ゆでて潰したじゃがいもと軟質小麦粉をこねた生地の、“ニョッキ・ディ・パターテgnocchi di patate”が一般的。

Gnocchi, una domenica mattina
じゃがいものニョッキ



ニョッキの語源は、くるみや結び目のような小さくてころんとしたものを意味するランゴパルド族の言葉、knohh、という説が有力です。

ニョッキとは、粉をこねて小さな団子状にしてゆでた物のこと。
じゃがいもがヨーロッパに伝わったのは18世紀半ば以降で、それ以前のニョッキは、穀物の粉と水だけをこねた生地でした。
もっとも原始的なパスタの一つです。

じゃがいもが伝わって、粉(主に小麦粉)の生地にじゃがいもが加わるようになると、ニョッキはそれまでよりずっと軽く、食べやすくなり、やがてこちらのほうが主流になりました。

でも、サルデーニャのニョッキことマッロレッドゥスには、じゃがいもは入りません。
硬質小麦粉と水をこねた生地です。

軟質小麦の産地である北イタリアにはじゃがいもと軟質小麦粉のニョッキが広まって、硬質小麦の産地の南イタリアでは硬質小麦粉と水のニョッキが広まったというわけですね。


Malloreddus
マッロレッドゥス


サルデーニャのマッロレッドゥスは乾麺として全国的に流通しているので、ニョッケッティ・サルディという標準語の名前も広まりました。

でも、硬質小麦粉と水をこねた生地を小さな粒状にしてくぼませたパスタは、南イタリア各地にあります。
特にプーリアは、この種のパスタの宝庫。

たとえば、カヴァテッリcavatelli。

cavatelli
カヴァテッリ


マッロレッドゥスもカヴァテッリも、硬質小麦粉と水の生地を棒状に伸ばして短く切るところまではまったく一緒。
違いは、その後カールさせる時に、筋をつけるかつけないかぐらいです。


マッロレッドゥスやカヴァテッリは、“パスタ・ストラッシナータpasta strascinata”と呼ばれるパスタです。
ストラッシナータとは、引きずるというような意味。
つまり、指やナイフでひっかいてくぼませるパスタのことです。
よく知られているのはオレッキエッテ。


↓カヴァテッリ





このタイプのパスタは南イタリア各地にあって、カヴァティェッリcavatielliやカヴァティエッダcavatieddaなど、呼び方も様々です。

↓シチリアやカラブリアでは、ナイフではなく指でひっかくのが一般的だったりもします。





↓そしてマッロレッドゥス。
日曜や祝日はサフラン入りの生地にします。






↓おまけの動画。
マッロレッドゥスメーカー。





サルデーニャのパスタの話、次回に続きます。



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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2009年6月号
“サルデーニャのパスタ”の解説は、「総合解説」'08&'09年6月号に載っています。

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