今日は昨日の続きで、セナトーレ・カッペッリ小麦の話。
セナトーレ・カッペッリとは、カッペッリ上院議員、という意味です。
この人、ラッファエーレ・カッペッリという侯爵で、第一次世界大戦の頃の人物。
農学改革に取り組み、小麦を硬質と軟質に分類したことで知られています。
イタリア農業協会の会長も務めていました。
彼の名前をもらったセナトーレ・カッペッリ小麦は、硬質小麦です。
穀物栽培の分野では世界的に有名なナザレーノ・ストランペッリという人によって、1915年に作りだされました。
南部を中心にイタリア中に普及し、1960年代までは、イタリアでもっとも多く栽培されていた小麦です。
収穫量の多い品種で、重い小麦がたくさん実るのが特徴ですが、背が高いために風や雨などの影響を受けやすいのが欠点。
世界中の硬質小麦のほとんどは、このセナトーレ・カッペッリ小麦を改良したものなんだそうです。
そして、もっと生産性が高く、背の低い硬質小麦が作りだされるようになると、次第に姿を消していきました。
そんなセナトーレ・カッペッリ小麦に再び日の目を当てたのが、パスタ・メーカーたち。
特にラティーニ社は、1992年に、世界初のセナトーレ・カッペッリ小麦100%の製品を発表しています。
そのパスタは、薪で焼いたパンのような香りと、煮崩れしにくい腰の強さが特徴。
ラティーニのセナトーレ・カッペッリ小麦のパスタ
↓
www.latini.com
アップで見ると
↓
www.flickr.com
水色のパッケージがセナトーレ・カッペッリのパスタシリーズ, photo by Antonio Tombolini
ラティーニ以外にも、様々なメーカーがセナトーレ・カッペッリ小麦のパスタを作っています。
ラ・トルキーナ
ビオランド
マレッラ
小さくても意欲的なイタリアのパスタメーカーたち、これからも、おいしいパスタをどんどん作りだして欲しいですね。
-------------------------------------------------------
関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2007年9月号(クレアパッソで販売中)
“セナトーレ・カッペリ小麦のスパゲットーニのアーリオ・エ・オーリオ”のリチェッタと写真は、「総合解説」'06&'07年9月号、P.13に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
登録:
コメントの投稿 (Atom)
シチリア出身のシェフがミラノで出した店は、その名もイカの卵。イカの卵はベネチアのチケッティの珍品中の珍品でした。
ゴールデンウイークにイタリアに行く人たち、いいなあ、なんて思いながら、情報だけはどんどん入ってくるので、今年もせめて動画でバーチャルツアーしましょうか。 今年はミラノガイドのカリスマが、新しい本を出したので、その中からミラノのお店をいくつかどうぞ。 まずは老舗のパスティッチェリー...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
(CIR)2月号の“ゆでないパスタ”というのは、たっぷりの沸騰した熱湯にパスタを入れて常に沸騰させながらゆでる、といういわゆる伝統的と呼ばれる昔ながらの方法でパスタをゆでない方法です。 プロの技を駆使しながらゆでないでパスタを加熱する方法を取り上げたのがこの記事です。 その一つが...
-
今日のお題はプリーモピアット。今月の「 総合解説 」P.5の料理です。 スパゲッティなんですが、料理名がやたらカッコイイ。 “アサシンのスパゲッティspaghetti all'asssassina”だって。 初めて聞きました。 聞いたこともない料理だったのに、逆にnetに...
0 件のコメント:
コメントを投稿