最初のお題はカンノーリ。
シチリア生まれでイタリアのドルチェのシンボル的な存在ですが、2千年以上の歴史があったのですねー。
ということは、アラブ人がやってくるより前からあったわけです。
古代ローマの政治家キケロが食べて、美味しかったと言ったことが、21世紀まで伝わっています。
ドラマ『ローマ』のキケロが登場するシーン。
冒頭のシーンの元絵はこれ。
すごい再現度。
キケロは、政治上の問題でローマを追われて逃亡した先のシチリアで、カンノーリを食べて美味しいと言った、というか、正確にはカンノーリがどんな食べ物か説明しただけだったようですが、話がどんどん大きくなって、都市伝説が遠く日本の地まで伝わってきたんですねー。
でも、キケロが食べたカンノーリには、後にアラブ人が伝えることになるさとうきび糖も、カンディートもリキュールもチョコレートも入っていませんでした。
アラブ人がやって来た後のカンノーリの主役は、カルタニッセッタの町です。
侍女から愛妾まで多くの女性が、太守の寵愛を得ようとカンノーリを作っていたそうですよ。
ハーレムという時点でかなり盛られていそうですが、
元々はカルタニッセッタの修道女がカーニバルのために作った神聖なお菓子だったのですが、アラブの支配が終わった時に、悔い改めた女性が修道院に逃げ込んで、サルタンの秘密のリチェッタは生き延びたのだそうです。
落ちまで完璧に出来上がったこの話が、カルタニッセッタの人が固く信じるカンノーリの歴史。
元祖はどこであれ、今やシチリア中で愛されるお菓子になったカンノーリ。
「シチリアでは、夕食に招かれた時の手土産で一番喜ばれるのがカンノーリだ。
ただし、数は最低でも12個用意するのがマナーだ」
とのこと。
わざわざ書くということは、イタリア人でもシチリア人でなければ、12個も持っていこうとは思わないってことですねー。
カンノーリとドーナッツは限りなく近い存在。
コンビニで売る日がこないかなあ。
カンノーリの写真を見過ぎて、カンノーリがたまらなく食べたくなりました。
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“カンノーリ”の記事は、「総合解説」13/14年4月号に載っています。
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