カルロ・クラッコの『ディーレ・ファーレ・ブラザーレ』から、今日は、序文に続く章、「この本の使い方」を訳してみます。
「私は料理書でも、あちこちつまみ読みするのではなく、最初から最後まで読めるような本が好きだ。
だから、この本もこの基準で書こうと思った。
そこで、この本をもっと便利に使えるお手伝いをしてみよう。
“Le tecniche(テクニック)”の章では、“Le ricette(リチェッタ)”の料理を作る時に使える料理のテクニックについて書いている。
リチェッタは、必要となるテクニックの数をベースに並べている。
最初のリチェッタ、“Tonno di coniglio in vaso”に必要なテクニックはたった2つだが、最後の“Risotto con asparagi bianchi e polvere di prezzemolo”は9つ必要だ。
リチェッタの本文は、2つの部分からなっていて、後半は、料理をよりよく学ぶためのガイドとなっている。
巻末の目次欄は便利なように2つつけた。
1つはリチェッタで使っているテクニックを分類した“Indice delle tecniche(テクニックの目次)”
もう1つは“Indice degli ingrdienti(材料の目次)”。
一方で、リチェッタは読者が自由にメニューを組み立てられるように、アンティパスト、プリーモ、セコンドという分類は敢えてしなかった。
すでにご承知のように、料理人の情熱によってどんな料理も、最後には無比のものに仕上がるのだから」
と言うわけで、次のページから『テクニック』にいての詳細な解説が始まります。
最初はarrostire。
料理の基本とも言える焼くという動作とメイラード反応についての、7ページに渡る考察です。
基本的なだけに、知らないで済ますわけにはいかない、大切なテクニック。
辞書を片手にじっくり読み解いてください。
ちなみに、最初のリチェッタ、“Tonno in coniglio in vaso”に必要なテクニックは、「lessare」と「filtrare」。
なるほど、これは、カルロ・クラッコがもし料理人のためにレッスンをするとしたら、そっくりそのまま立派な教科書になりますよ。
これほど惜しみなく、自分が学んできたことを次に伝えようとする人は、滅多にいないのでは。
彼の3冊の著書を通して、彼が世界中でこれほど高く評価されている理由の一つには、その人間性があることは間違いない、と納得しました。
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2015年3月5日木曜日
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