ズッパ・ドルチェの続きです。
『サーレ・エ・ぺぺ』の記事によると、ズッパ・イングレーゼに代表されるズッパ・ドルチェは、
イギリスの貴族たちによってシラバブのトライフルがイタリアに、
詳しく言えばイギリスの貴族との交流が盛んだった16世紀のエステ家の宮廷料理人に伝わって、アレンジされました。
スポンジ生地でなく、地元のブラザデーラbrazadelaという素朴なチャンベッラにクレーマ・パスティッチェーラとチョコレートをかけたものになったんだそうです。
下の動画のタイトルはボローニャのブラザデーラですが、フェッラーラのブラザデーラと呼ばれることも多いようです。
かつてはエミリア・ロマーニャ地方の家庭の定番のお菓子だったよう。
たしかにクリームによく合いそう。
ブラザデーラの代わりにスポンジ生地を使って、さらにアルケルメスに浸したのが、ズッパ・イングレーゼ。
カルロ・クラッコの本、『クールにしたいならエシャロットを使う』には、ズッパ・イングレーゼのリチェッタがあります。
それによると、彼は大御所イジニオ・マッサーリ氏からズッパ・イングレーゼを教わったのだそうです。
それは、卵と砂糖がたっぷり使われた、リッチな、昔ながらのオーソドックスな味のズッパ・イングレーゼで、一般的なエミリア・ロマーニャの家庭料理バージョンとは違ったものです。
リチェッタは、スポンジ生地、チョコレートクリーム、クレーマ・パスティッチェーラ、シロップから構成されていて、料理教本スタイルのこの本では、レベル1に分類されています。
つまり基礎中の基礎です。
特にクレーマ・パスティッチェーラは、レッスン・ナンバー22として、懇切丁寧に説明していますよ。
クラッコのカスタード、どんな味なんでしょうね。
ネット上には、彼のリチェッタでズッパ・イングレーゼを作った人たちの作品がたくさんアップされてます。
確かに、イタリアのドルチェの入門編にふさわしい一品だなあ、イギリスっていう名前だけど。
ところで、カルロ・クラッコさんは、去年の11月に、『A qualcuno piace Cracco』という本を出しました。
なんと、今度は地方料理の本です。
20あるイタリアのすべての州から、厳選した地方料理を取り上げています。
今度も面白いですよー。
近日中に発売予定です。
詳細は次回。
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関連雑誌;『サーレ・エ・ぺぺ』2012年1月号、“ズッパ・ドルチェ”の記事とリチェッタは、「総合解説」2012年1月号に載っています。
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