今日は鶏の話。
『ヴィエ・デル・グスト』の解説です。
イタリアのブランド鶏の一つに、ガッリーナ・パドヴァーナがあります。
とにかく、その姿が個性的。
このもこもこの生き物はなんだ。
↓
この世界には、もふもふしたくなる鶏もいるんですねー。
この鶏の代表的な調理方法の一つが、“イン・カネヴェラ”というもの。
パドヴァ県のポルヴェラーラという町の名物料理です。
丸鶏に香味野菜や柑橘果実を詰めて籐を差し込み、豚の膀胱に入れてゆでるという料理です。
ゆでると言っても、直接湯には触れないで加熱するので、蒸し煮ですかね。
袋に閉じ込められた蒸気は湯より高温になります。
しかも、肉から旨みや栄養分が湯に溶け出ない。
袋にたまった汁はソースにします。
動画は見つからなかったのですが、写真はありました。
こちらのページです。
豚の膀胱が手に入らなければ、耐熱の食品用袋で代用できます。
籐(ラタン)は竹で代用。
ちなみに、この町の名前がついた、ポルヴェラーラという品種の鶏もいます。
パドヴァは鶏が名物なんですね。
黒いポルヴェラーラ。
白いのもいます。
↓
イタリア土着の歴史の古い品種で、15世紀から知られているそうです。
ポルヴェラーラのイン・カネヴェラを紹介しているこちらのページによると、この料理のルーツはパドヴァより内陸のヴィチェンツァなんだそうです。
豚の膀胱を使うので、サラミ用の豚をさばく秋に作る料理でした。
鶏はクリスマス用に太らせた去勢鶏を使いました。
つまり、すごいご馳走だったんですね。
ペッレグリーノ・アルトゥージの本にも登場する料理です。
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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2011年8月号、“ヴェネト料理”の記事は「総合解説」2011年8月号に載っています。
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2013年4月18日木曜日
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