秋が深まるこの時期は、なんとなく、エミリア=ロマーニャ料理にぴったりの季節。
エミリア=ロマーニャの料理と言えば、リッチで陽気で肉食系、というイメージがすっかり定着しています。
“グランデ・クチーナ・レジョナーレシリーズ”の『エミリア=ロマーニャ』によると、いわば、「田舎のお祭りの料理」。
20年前に初版が出版された本『スペチャリタ・ディタリア』にさえ、
「最近では、エミリア・ロマーニャ料理につきものの“グラッサ(こってりした)”という形容詞は、現代人の食生活にはそぐわなしものとして敬遠されつつある」
なんて書かれて、今ではすっかり斜陽の食文化扱い。
『地中海式ダイエット』という概念が広まると、その範疇に収まらないエミリア=ロマーニャ料理は、「地中海料理の天敵」に。
エミリア=ロマーニャ料理と言えば、その州都の名前を冠した“ラグー・アッラ・ボロニェーゼ”。
ミートソースことスパゲッティ・ボロニェーゼ。
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でも、伝統にこだわるエミリア=ロマーニャ料理の本には、この料理は載ってない。
伝統的には、スパゲッティじゃなく、ラザーニャかタリアッレ、しかもラザーニャなら、ほうれん草入りのラザーニェ・ヴェルデのボロニェーゼが正解。
さらにこだわるなら、麺はスフォリーナの手打ち麺を使って作る!
スフォリーナはエミリア=ロマーニャ地方独特の職業で、パスタの麺打ち専門の女性職人のこと。
このブログでも何度も取り上げてますが、エミリア=ロマーニャのパスタの特徴は、ひたすらうすーく平らに伸ばすこと。
下の動画はお気に入りの一つ。
自信に満ちて若者を指導するスフォリーナが超カッコイ~!
ただ平らに伸ばすだけなのに、難しそうですね。
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どんなにインターナショナルな料理でも、その生まれ故郷でなければできないディープなリチェッタが必ずあるもんですねえ。
ラザーニャだけでなく、タリアテッレ、トルテッリーニ、カッペッレッティやガルガネッリも、全部この平らなパタから生まれます。
スフォリーナは年々減っているそうですが、ラザーニャ・ヴェルデも近頃では、それこそ、田舎のお祭りにでも行かないと、お目にかかれないかも。
ラザーニャ・ヴェルデ自体がそういう祝日やお祭りの特別な料理でもあるのですが。
実際にこの料理を作るとなると、いやーめんどくさい。
でも頑張って次回はリチェッタを訳します。
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