ガンベロ・ロッソのトレ・フォーリエの話。
フルッタート・レッジェーロ部門でベスト・オイルに選ばれたのは、スタレックの“モノクルティヴァール・マウリーノ”。
スタレックのhpはこちら。
“モノクルティヴァール”とは、一品種のオリーブ100%のオイルということです。
オリーブの特徴がダイレクトに表れているオイル。
オイルの産地や風味の特徴が消費者にも分りやすいという情報の透明性があります。
モノクルティヴァールの対語はブレンド。
こちらは色んな特徴のオイルを混ぜたオリーブオイルです。
風味のバランスが取れ、品質が安定しているけれども、その由来や製造過程があいまいになるのが欠点。
一方、モノクルティアヴァールと言っても、“フルッタート・インテンソ”部門でベストオイルに選ばれたコッリーネ・ポンティーネDOPのように、単品種のオリーブ(この場合はイトラーナ)でも、収穫時期によってオリーブの風味の強さが違うオイルになり、それらをブレンドして作るものもあります。
なるほどこの方法なら、モノクルティヴァールとブレンドのいいところを取ったオイルができますね。
『ガンベロ・ロッソ』によると、スタレックのオイルはどれも、“とてもエレガントでお洒落なスタイル”なんだそうです。
瓶のデザインもお洒落。
ブレンドタイプのオイルや一般的な単品種のオイルと比べると、組み合わせを選ぶ通向きのオイル、と評価しています。
マウリーノは地元、フリウリの土着品種。
テイスティングすると、コリアンダーの香り、バルサム香、ほろ苦さ、辛さが感じられます。
ポリフェノールの含有量が高く、これはつまり、抗酸化作用が高いので、オイルのフレッシュさが長期間保たれるということ。
搾りたてはやや硬さがあって、次第にマイルドになっていくそうです。
『ガンベロ・ロッソ』のオイルの表現方法は、オイル業界では、まだワインのように表現する言葉が定着していないので、今一つ分かりにくい、という印象です。
モノクルティヴァールはブームだけれど、その価値が正しく評価されるには、オリーブの知識が一般家庭にも広まることが大前提。
オリーブの名前を聞いて、その産地が分かる人が増えれば、モノクルティヴァールのオイルの価値は倍増するはずです。
“スーぺルインテンシーヴォ”の記事の話で紹介したオイルメーカー、ジーノ・チェッレッティ氏は、世界には1628のオリーブの品種があり、各大陸、国、地域ごとに固有の品種がある、と語っています。
品種の表示を義務にすれば、外国産オイルをイタリアのブランド名で売るトリックも見破れるとも。
イタリアワインが生き延びる道は、このあたりから開けるかもしれません。
ワイン文化のように、オイル文化もこれから成熟していくんでしょうね。
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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2011年4月号、“『オーリ・ディ・イタリア2011』”と“イタリア産オリーブオイルの未来”の記事の解説は、「総合解説2011年4月号」に載っています。
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