次はフルッタート・メディオ部門。
マドンナ・デッロリーヴォの“デノッチョラート・ラーロ”です。
カンバーニアのオイルです。
“デノッチョラート”とは、種抜き、という意味。
オリーブはラヴェーチェ種とロトンデッラ種が50%ずつ。
なので両者の最初の文字を取って“ラーロ”。
↓デノッチョラートでビオロジコのオリーブオイル作り。
手摘みですよ。
何から何まで丁寧に人手をかける。
スーペルインテンシーヴォの対極にある人海戦術ですね。
オリーブが見るからに健康そう。
値段が違うのは当然ですね。
種を抜くというのは、余分なものを取り除く、ということですね。
種を抜いてオイルを搾るというのは古代ローマでも行われていた製法なんだそうですが、イメージ的に大変そうですが、技術の進歩によって、むしろ手間の少ない作業になってきているそうです。
デノッチョラートのオイルは、中性脂肪の劣化を減少させる、酸度が低い、ポリフェノールを最大限引き出すことができる、などと言われてその科学的な価値が評価され、一種のブームになっていますが、実際には、研究には時間がかかり、評価はまだ定まっていない、という状態のようです。
でも、スーペルインテンシーヴォ用の種抜きマシーンがまだ開発されていないので、今なら、大量生産オイルとの差別化も図れて、値段が高いことの口実にもなる。
ただし、すでに大手も生産に着手しているようですが。
もちろん、単に種を抜く行程の機械を作ればいいのではありません。
その後の作業もすべて種を抜いたオリーブ用に変える必要があります。
スーペルインテンシーヴォは、新しい技術を取り入れる時は大がかりすぎて不便ですね。
それにしても、大手が設備を整えて安いデノッチョラートを作り出した時、デノッチョラートの価値をアピールしてきたイタリアのオイル産業は、しっぺ返しをくらうかもしれません。
その時に備えるためにも、ブームに乗り遅れるわけにはいかないんでしょうねえ。
考えてみれば、今から約50年前に“エクストラヴェルジネ”という分類のオイルが公式に誕生したといういのも、印象的ですねえ。
今ではエキストラバージンオイルは、世界的な基準ですもんね。
そのうち、エキストラバージン・デノッチョラート・オリーブ・オイルなんていう分類が公式になったりして。
最後に、フルッタート・ レッジェーロ部門。
ベストオイルは、フリウリ=ヴェネチア・ジューリアのオイルでした。
スタレックの“モノクルティヴァール・マウリーノ”です。
メーカーのhpはこちら。
これもデノッチョラート。
“モノクルティヴァール”とは単一品種のオリーブ100%ということ。
次回はこのモノクルティヴァールについて。
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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2011年4月号、“『オーリ・ディ・イタリア2011』”の記事の解説は、「総合解説2011年4月号」に載っています。
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