今日はマリア・カラスの話。
『サーレ・エ・ペペ』の解説です。
Maria Callas, photo by r9M
オペラに詳しい人なら、マリア・カラスのことはもうよーくご存じですよね。
そちら方面の知識が全くない私でも、20世紀に一世を風靡したオペラ歌手で、オナシスの愛人だった人、ということは知っています。
アメリカのギリシャ系移民で、目鼻立ちのはっきりしたインパクトの強い顔立ちは、一度見たら忘れられない個性的な美しさ。
ベッリーニやドニゼッティといったイタリアオペラの復活に大きく貢献した人で、悲劇的でドラマチックな歌唱が得意。
イタリアに深い縁があったので、今でも多くのイタリア人から愛されています。
イタリアでのデビューは1947年。
その年カラスは、イタリア人実業家でオペラの大ファンだったジョヴァンニ・バッティスタ・メネギーニと知り合います。
彼はヴェネトの裕福なレンガ製造業者で、カラスより27歳年上でした。
カラスに一目ぼれしたメネギーニは2年間アタックし続け、1949年にめでたく結婚。
それ以降メネギーニは家業を親戚に譲り、カラスのエージェント業に専念して世界中を一緒に回るようになりました。
これだけ尽くしていたのに、10年後に破局が訪れます。
カラスがオナシスと出会ったのです。
離婚後のメネギーニは家業に戻ることもなく、失意のまま、カラスと暮らしたガルダ湖畔の家で残りの人生を過ごしました。
亡くなったのはカラスより4年あと。
マリア・カラスとメネギーニ
マリア・カラスの没後30年を記念して制作されたドキュメンタリー映画のPV
マリア・カラスがダイエットに苦労していたのは有名な話ですが、料理を作ることが大好きだったというのも通の間ではよく知られた話のようですね。
リチェッタも深く研究していて、家の本棚にはアルトゥージの本があったというから本格的です。
『サーレ・エ・ぺぺ』で取り上げているのは、マリア・カラスがお気に入りだった料理を集めた本、『La Divina in Cucina』です。
マリア・カラスの最初の夫、メネギーニの姑さんがカラスに教えたヴェネト料理や、付き人のイタリア人が考案したデザートなど、目の付けどころがかなり個性的な料理ばかり。
次の動画はマリア・カラスの料理への情熱をつづったドキュメンタリー。
ヴェネチアのハリーズ・バーなど、カラスの行きつけだったリストランテの人たちが、彼女のことを語っています。
若い頃はかなり豊満だったんですねえ。
10代を過ごしたギリシャでは戦争のためにひもじい思いをしていたそうで、その反動だったのでしょうか。
マリア・カラス・アソシエーションの会長は、イタリアにやってきた時は100㎏あった、と言ってます。
カラスは、料理をすることは人生の喜びの一つ、と語っていたそうです。
食事の時、コーヒーが出るまで常にパンを一切れテーブルの上に置いていた、というエピソードも語られています。
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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年6月号
『La Divina in Cucina』のリチェッタを紹介した記事「マリア・カラスのディナー」は「総合解説」'07&'08年6月号に載っています。
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2010年4月30日金曜日
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