イタリア料理ほんやく三昧: 古代小麦

2016年6月9日木曜日

古代小麦

今日は、ブログでも度々取り上げている古代小麦の話です。

やはり、イタリア料理を語るときに小麦は避けては通れません。
中でも、古代小麦の歴史は興味深いものです。
『サーレ・エ・ペペ』の記事によると、1世紀前まで栽培されていた小麦品種は400以上あったのに
今知られているのは10品種以下という現実に、ちょっとびっくり。
そしてこれだけ品種が減った大きな原因は、1940年代の“緑の革命”の影響だそうですよ。
緑の革命って、学校でも教わるそうですが、完璧に忘れていました。
収穫量が多くて機械化に適した、たっぷりの肥料や殺虫剤を必要とする品種を作り出そうとした、とにかく大量生産優先の、今にして思えば、ちょっと信じられない時代があったんですねえ。
それだけ飢餓が深刻だったということです。

こんな品種が優先される時代も生き延びた古代小麦。
オリジナルの姿を残し、穂は背が高く伸び、抗酸化物質、タンパク質、ミネラルが豊富で、グルテンは控えめ。
そんな特徴があります。

記事によると、小麦を硬質と軟質に区別するようになったのは1900年代初め。
軟質小麦の粉は、いわゆる00タイプに分類されている小麦粉。
イタリアの軟質小麦の代表的な古代小麦はジェンティル・ロッソという品種。
1930年代には、イタリアで最も多く栽培されていた品種でした。
天然酵母のサワードウに適しています。
グルテンが少ないのであまりふわふわにはなりませんが、香ばしいパンになりました。

硬質小麦の粉はセーモラ。
南イタリアのパスタの原料です。
代表的な硬質小麦の古代小麦は度々紹介してきたセナトーレ・カッペッリ。

もっとも普及していたのは、粒のまま食べることも多いピッコロ・ファッロ。
この他に、ファッロ・スペルタという品種もあります。
ファッロはエンキルやエインコルンという商品名で流通することもありました。

アメリカ人が名付けたカムットとという古代小麦もあります。
トゥンミニアという硬質小麦の名前も時々聞きます。

現在もイタリアで生き延びている主な古代小麦は、こんなところです。






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“小麦”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年6月号に載っています。
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