2019年6月26日水曜日

混雑する前の季節に湖畔でピクニックする時の料理

総合解説」は5/6月号になりました。

夏は、南イタリアや海辺の料理一色になって、冬はアルプスが大フィーチャーされるイタリアの料理雑誌ですが、夏でも冬でもないこの季節は、なんと湖でピクニックでした。
北イタリアの湖畔地方が注目される貴重な季節。
『サーレ・エ・ぺぺ』の記事には湖畔のピクニックの素敵な写真が載っていますが、撮影に協力したのはメルゴッツォのヨットクラブ。
メルゴッツォはピエモンテのマッジョーレ湖から分離した小さなメルゴッッォ湖畔の町。


この湖畔でピクニックをしている時の料理をイメージしてください。

最初の料理(P.3)は3種類のナッツを味付けしたナッツのカルトッチーニですが、料理の順番にはこだわらない、というピクニック料理です。

アーモンドはしょうゆとにんにく風味にしてココナッツオイルで炒めます。
仕上げにオレガノを散らすのがイタリアン。
ピーナッツはバルサミコ酢とブラウンシュガーで煮て塩、こしょう。
ピスタチオは塩と唐辛子をまぶしてオーブンでさっと焼きます。
そして巻いた紙に入れて別々にサーブ。

次はもっと手の混んだうさぎ肉とハムのテリーヌ。
香味野菜と一緒にゆでてゼラチンで固める、という発想はゆで鶏と同じですが、ケッパーやハーブ入りでイタリアンに。

そういえば、ピエモンテにはうさぎの名物料理がありました。
トンノ・ディ・コニッリオ。
調理方法とオイル漬けにする保存方法がマグロと同じなのでこう呼ばれるようになりました。
数ヶ月間保存できるそうです。

『トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ1巻』(P.32)によると、

なぜうさぎ肉を作ってすぐ食べるのではなく長期間保存するのかというと、料理のルーツ、ピエモンテでも田舎のランゲではうさぎは大抵の家庭で飼われていて、すぐに増えてしまうのだそうです。
なので大量に作って保存する必要があったのです。

トンノ・ディ・コニッリオ

冬は前菜、夏はセコンドとしてサーブするそう。

この他に、スパゲッティを少量ずつ平らまとめて揚げて、ミキサーにかけたブッラータのソースをかけたり、アボカドとズッキーニのサンドイッチに溶き卵をつけてバターで揚げて筒切りにしたり、リコッタとローストミニトマトをピッツァ生地で四角く包んでオーブンで焼いたカルツォーニなど、遊び心がちらちら見える料理の数々です。





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“湖畔のピクニック”のリチェッタは「総合解説」2017年5/6月号にのっています。
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寿司と刺身以外のイタリアンの生魚料理は、カルパッチョにタルタル程度。やっぱり生魚料理は日本料理の象徴。

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