今日はパルマのドルチェの話です。
パルマのドルチェには、前回取り上げたファルネーゼやマリア・ルイーザ女公の宮廷と結びついた高貴なドルチェと、それ以前の、家庭や尼僧や修道士のドルチェの2つのベースがあります。
修道院生まれでパルマで今も愛されているドルチェの代表は、スポンガータ。
↓
ドライフルーツやスパイスがたっぷり入って、飾り気のない厳格な外見は、いかにも修道士が作ったドルチェ。
スポンガータなんて名前だから、スポンジ生地のふわふわしたケーキが思い浮かぶけど、これは硬そうですねー。
ねこちら
一説によると元々はローマ生まれで、ベネディクト会の修道士によって完成したドルチェ。
パルマに伝わってからは、サン・ジョヴァンニの修道院のものが人気ですぐに広まったのだそう。
「総合解説」でもう一つ紹介されている修道院生まれの歴史のあるドルチェ、トルタ・ビアンカ、別名ブシランはこちら。
↓
これをホワイトケーキと呼ぶのは、どう考えても無理があります。
でも、復活祭のドルチェというのは納得。
ちなみにスポンガータはクリスマスのドルチェ。
これも納得。
次に、マリア・ルイーザの宮廷のドルチェとして紹介されているリチェタの一つが、ストラッキーノ・ディ・ドゥケッサ。
サヴォイアルディとマスカルポーネとコーヒーを使う、ティラミスによく似たドルチェです。
パルマ県のフォンテヴィーヴォという町の修道院で12世紀に生まれました。
ドゥケッサとは女公のこと。
ストラッキーノとは、形が似ているところからこう呼ばれるようになったとのこと。
いやーティラミスに似てますねえ。そっくりです。
チョコレートとアーモンド入りなので、ティラミスよりリッチ。
でも、名前のインパクトはティラミスの圧勝ですね。
ティラミスは私が考え出したと言う人が続出したのに、パルマの人はなぜ沈黙を守っているのでしょう。
詳しいリチェッタは「総合解説」にあります。
-------------------------------------------------------
“パルマのドルチェ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年11月号に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
登録:
コメントの投稿 (Atom)
カタローニャとパルミジャーノを組み合わせるレッジョ・エミリアの名物、エルバッツォ―ネ
カタローニャのことを知れば知るほど、イタリア人あのほろ苦さがどんだけ好きなのと思います。苦さの美味しさが分からない人はおこちゃまと言いながら、苦みを軽くする方法はさんざん考えられてきました。多分、野草のカタローニャは野原で摘めばただだから、冬の田舎料理の主役なんでしょうねえ。 エ...

-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日は、イタリア料理業界の最先端とは無縁の地方の村を紹介します。 ずばり、バジリカータのポッリーノ国立公園です。 イタリア人でさえ、よく知らないというバジリカータの、国立公園の、標高1000m以上の山の中にあるド田舎、もとい、大自然に囲まれた古くて素晴らしい集落です。 ...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
0 件のコメント:
コメントを投稿