今日は久しぶりのイタリア便りです。
segnalibroさんは引っ越し直後で慌ただしい中、状況を知りたいという無理なリクエストに応えて、今回の地震のことを伝えてくれました。
それではお願いします。
こんにちは。ミラノ近郊からヴェネト州の山奥にお引越しを敢行したsegnalibroです。
日本でも大きく報道されているように、8月24日未明に起きたイタリア中部地震。
アマトリーチェの町では、週末に町の名物であるスパゲッティ アマトリチャーナ祭りが控えていたこともあり、通常より多くの人が滞在していたそうです。
そのため、290人以上の方が亡くなり、町は壊滅的なダメージを受けました。
私がいるところは震源から600kmほど離れているので、全く揺れはありませんでしたが、TV等では現地の様子が絶え間なく放送されており、心が痛みます。
アマトリチャーナを食べてアマトリーチェに義援金を送ろうという運動が、日本のイタリア料理店でも広がっていると聞きました。
既にご存知の方も多いと思いますが、イタリア赤十字社では海外からの義援金も受付けており、ペイパルでの決済が可能です。
イタリアの携帯電話からは、災害時に大活躍する政府組織Protezione Civile(災害防災救助隊)を通じて、SMSで€2の募金が可能です。
山に越して来て最初にしなければならなかったことは、家族全員の電話番号を市役所に登録することでした。
これは、ここに住む者に義務付けられているそうで、雪崩や土砂崩れなどの前兆があった場合には、州のProtezione CivileからSMSが一斉送信されます。
実際、ほぼ毎週のようにSMSを受信していますが、備えあれば憂いなし。
幹線道路が土砂崩れで毎月のように封鎖されても、関係機関の活躍のおかげで、いつも数時間で元通り。とっても頼りになります。
アマトリーチェの市役所も、義援金の受付口座を開設しています。
お借りした上記2枚の写真は、アマトリーチェの小学校です。
2009年、ここから50km程しか離れていないラクイラで大きな地震が起きました。
この小学校はその3年後、ラッツィオ州が50万ユーロ、市が10万ユーロを負担して2012年9月に完成したものですが、今回の地震で壊滅的に崩れてしまい、耐震建築はどうなっているのかと論争の的になっています。
過去に大きな地震を経験したイタリアの町が、現在どうなっているのかというTVの特集番組を見ましたが、1980年11月マグニチュード6.9の地震に見舞われたカンパニア州イルピニア地方の人々が、35年以上経っても町の復興は終わっていない、と政治家に訴えていたりして、さすがイタリア、を実感します。
天災の事例ではありませんが、第二次世界大戦でアメリカ軍の空爆により町を徹底的に破壊されたフランクフルトの人々が、真っ先に復興を志したのが、彼らの心のよりどころであるゲーテハウスだった、というお話を聞いたことがあります。
使える瓦礫は出来るだけ使い、出来るだけ元あった姿になるよう、再建したそうです。
名物パスタ、アマトリチャーナで広く名を知られたアマトリーチェの町が、イタリアにおける地震からの復興モデルになることを心から祈って、私もわずかながら募金をしようと思います。
segnalibroさん、ありがとう。
ピッツァ・アマトリチャーナは盲点でしたよー。
ピッツァ業界も協力できますね。
イタリアの防災システムも、意外としっかりしているんですね。
アマトリチャーナは、アマトリーチェの農家のおかみさんが、町まで行商に出ながら広めたという歴史があります。
震災直後は、もう終わりだというセンチメンタルな感情ばかりが伝わってきましたが、持ち前の行動力と粘り強さ、そして世界中の人に愛されるアマトリチャーナのパスタやピッツァがあるんだから、あきらめないでほしいなあ。
日本のレストランでも、それぞれができる方法で、何らかの支援ができたら素晴らしいですね。
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