2016年5月19日木曜日
ズッキーニのスカペーチェ
ようやく「総合解説」6月号が発売になりました。
今月は長かったー。
気が付いたら先月より10ページ以上長くなってました。
解説の最初の料理は、イタリア料理の代表的な夏のコントルノ、“ズッキーニのスカペーチェ”です。
スカペーチェはどこの地方の料理だっけ。
カンパーニアか。
地中海地方全域に普及しているスカペーチェは小魚の料理ですが、カンバーニアではなすやズッキーニもスカペーチェにしたんですね。
記事のリチェッタは、塩をして水気をしっかり抜いてから揚げて、にんにく、ミント、ビネガーでマリネにします。
初夏にふさわしい料理だなあ。
スカペーチェはアラブ、スペイン経由でナポリに伝わった料理で、スペイン語のエスカベーチェが語源と思いがちですが、ナポリの言葉にスペイン語の影響が表れるより前に、すでに『Liber de coquina』というラテン語の本にリチェッタが書かれているそうです。
なので、古代ローマ時代にすでにあったという説もあります。
でも、アラブ、スペイン、古代ローマの、どれがルーツなのか決定的な証拠はないようです。
ズッキーニのスカペーチェの“食べ方”の動画。
↓
この人最高!
ヴィッサーニシェフはスカペーチェのマリネ液でバッカラ(またはタラなど)をマリネして、ズッキーニはそのコントルノとして上に載せます。
↓
期せずしてナポリ人とグランシェフのマリネ液の使い方の違いがよくわかりましたねー。
-------------------------------------------------------
“ズッキーニのスカペーチェ”の記事の日本語訳は、「総合解説」13/14年6月号に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
登録:
コメントの投稿 (Atom)
魚の生食が普及した今時のカルパッチョは、かなり進化している。
(CIR3月号)のリチェッタのテーマは、“主役の食材の活かし方”。次の料理はカルパッチョとスパゲッティ・アッレ・ヴォンゴㇾ。どちらもお馴染みのイタリア料理。定番料理のリチェッタを、どうアレンジしているのでしょうか。 まずはカルパッチョ。 今さら言うまでもなく、ヴェネチアのハリーズ...

-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日は、イタリア料理業界の最先端とは無縁の地方の村を紹介します。 ずばり、バジリカータのポッリーノ国立公園です。 イタリア人でさえ、よく知らないというバジリカータの、国立公園の、標高1000m以上の山の中にあるド田舎、もとい、大自然に囲まれた古くて素晴らしい集落です。 ...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
2 件のコメント:
そう言うことだったのですね、
フランスでもエスカベッシュと言ってますから似ていますよね、
私のお店も常にあります、エスカベッシュにしたりカルピオーネにしたり、こんどスカペーチェと黒板に書いてみます。
Vittorioさん
アラビア語のsikbâgからスペイン語のエスカペーチェとなってフランス語でエスカベッシュ、イタリア語でスカペーチェ、かあ。
あれ、イタリア語はエが消えている。
コメントを投稿