今日のお題は、「総合解説」でトスカーナで一番質素なズッパと説明されている料理。
パッパ・アル(コル)・ポモドーロです。
で、逆に一番リッチと見なされているのは、黒キャベツのズッパ。
どちらも農民が考え出した料理ですが、パッパ・アル・ポモドーロの主役はパン。
という訳で、「総合解説」の記事では、まず、パンが当時の農民にとってどういうものだったかを説明しています。
昔のイタリアの農村部では、パン作りの儀式は神聖なものでした。
何時間もかけて生地を作って成形し、白い布で包んで村の共同かまどに運んで最後の発酵をさせます。
そして日曜日に焼きました。
時には肉も一緒にローストして、パンの皮に肉の焼ける香りをつけました。
そして日曜日はパンにたっぷりのおかずを添えてご馳走にし、平日は、残ったパンをやりくりして食べたのです。
トスカーナ人は、残ったパンを有効利用する才能に長けていました。
そしてそのやりくりの中から考え出されたたくさんのズッパの一つが、パッパ・アル・ポモドーロです。
冷やして食べても美味しいので、夏向きのズッパとしても知られています。
記事の中で、シエナの料理学校(webページはこちら)の先生が、外国人の生徒にこの料理を教える時は、60年代の有名なカンツオーネ、『Viva la pappa col pomodoro』も一緒に紹介する、と言ってますが、その歌がこれです。
↓
リアルイタちゃんがいる・・・。
作曲はニーノ・ロータだって。
世界的に大ヒットしてドイツ語やスペイン語版も作られました。
ドイツ語だと、『Ich frage meinen Papa /イッヒ・フラーゲ・マイネン・パパ』
で、しっかりドイツ語なのにこの人(リタ・パヴォーネ)が歌うと超カワイイ。
実は、パッパ・アル・ポモドーロよりもっと質素なズッパがありました。
パンコットpancottoです。
17世にトマトがトスカーナに伝わる前の、トマト無しのパッパ・アル・ポモドーロです。
さすがに、今は、作る人はほとんどいないそうです。
パンコットのリチェッタは、トスカーナ料理本の決定版、『イル・グランデ・リーブロ・デッラ・ヴェーラ・クチーナ・トスカーナ』に載っています。
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“パッパ・アル・ポモドーロ”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」13/14年6月号に載っています。
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