今日は、クレアパッソのスタッフ、segnalibroさんのイタリア便りです。
それでは、よろしくお願いしまーす。
去年の秋、初めて隣町Oreno産のじゃがいもを買いました。
それまで知らなかったのですが、毎年9月にはじゃがいも祭りを開催しているほど、じゃがいも作りに力を入れているようです(写真はお借りしています)。
土を落とそうとタワシでゴシゴシすると、皮までむけちゃうほど新鮮で、ホクホク。
12kgも買ってしまってどうしようかと思いましたが、おいしくてあっという間に食べちゃいました。
イタリアに来たばかりの頃はどれを買っていいか分からず、お店でじゃがいもを選ぶのにも一苦労。
日本でメークイン系や男爵系があるのと同様に、イタリアにも煮崩れしにくいパスタ ジャッラとホクホク系のパスタ ビアンカがあると知りました。
これはパスタ ビアンカ、ケネベックという品種でした。
さて、数年前からミラノでは、こんなフランチャイズ店が増えてきました。
アムステルダム チップス。
ベルギー人が聞いたら、気分を害してしまいそうなネーミングです。
じゃがいもは店内で洗ってカットし、2度揚げするのがおいしさの秘訣だそうで、いつも観光客や地元の人で賑わっています。
揚げたてのポテトには、14種類あるソースの中から、1つを選んでかけてもらいます。
ホームページによると、じゃがいもはオランダ産のビンチェという品種。
オランダ産のフライヤーを使い、ピーナッツ油で揚げているそうです。
飲み物はLa Trappeというオランダビールがラインナップされており、ますますお腹いっぱいになること間違いなしです。
ところで、イタリアに来て不思議だったことの一つが、なぜポテトサラダのことをインサラータ ルッサ、ロシアのサラダだと言うのだろう、ということ。
友人のロシア女子に聞くと、ロシアでは年越しにポテトサラダを食べるのが定番になっているくらい伝統的なお料理なのに、Wikiではオリヴィエ サラダ、とかいうフランス語風な名前になっていてけしからん、と、プリプリ怒っていました。
曰く、ロシアのポテトサラダは、イタリアのものよりお野菜の具がたくさん入っているそうです。
ルーマニア女子も、ポテトサラダのことをロシアのサラダと言い、ルーマニア版ではお肉とキュウリのピクルスを必ず入れると言います。
ペルー女子も、ポテトサラダのことをロシアのサラダと言い、ペルー版はバルバビエトラ(ビーツ)を加えるのが定番だと教えてくれました。
ポテトサラダのことをロシアのサラダと呼ぶ国は多いようですが、調べてみると、フランスのサラダとかイタリアのサラダと呼ぶ国もあるようです。
世界ポテトサラダ選手権なんて開催されたら、お国柄が出て面白そうですね。
クレアパッソでご購入いただける地方料理の本La Grande Cucina Regionale italianaシリーズのロンバルディアでは、最初に掲載されているレシピがインサラータ ルッサです。
ポテトサラダは16C初め、ミラノのスフォルツァ家からポーランドに嫁いだボナ・スフォルツァ妃が、イタリアのルネッサンス文化と共にポーランドに持ち込んだのが始まりかも・・・などという、楽しい妄想を掻き立てられるような注釈もついています。
じゃがいもがヨーロッパに伝わったのはおそらく16C半ばで、広く栽培されるようになったのは更に後の時代ですが、昔の人々も、もしかしたらポテトサラダを食べていたのかも、などと考えるのは楽しいです。
ボナ・スフォルツァは、バーリ公爵とカラブリアのロッサーノ王女の称号を持っており、ポーランドから帰国後、人生の終焉はバーリで迎えています。
カラブリアのロッサーノの町はシ―ラ台地のふもとにあるのですが、シ―ラ台地の標高1200m付近で栽培されるじゃがいもは、現在、シ―ラのじゃがいもとしてIGP認定を受けています。
やっぱり、もしかするとすると、ボナ・スフォルツァがこのじゃがいもでポテトサラダを・・?(笑)
この地にじゃがいもがもたらされたのは19Cに入ってからのようですが、水も空気も澄んだこんな高地で育つじゃがいもは、おいしいに違いありません。
土壌はミネラル分を多く含み、一日の寒暖差も大きいため、他の土地で育つじゃがいもに比べると澱粉質が高く、丈夫なものが収穫できるのだそうです。
ミラノ近郊でよく見かけるのは、ボローニャのじゃがいもDOP。
南のじゃがいもは見かけないなぁと思っていたら、つい最近、地元のスーパーでセールになっているのを見つけました。
もうすぐパスクアです。ポテトサラダは万人受けする一品なので、シ―ラのじゃがいもでポテトサラダを作ろうかな、と思っています。もちろん、日本風で!!
segnalibroさん、grazie。
皆様のコメントお待ちしてまーす。
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