今日は「総合解説」P.22の記事、“トラットリア風料理”の話。
都会に住むイタリア人がイメージするトラットリア風料理とは、どんなラインナップなんでしょうか。
まあ、だいたい想像がつくのが、気取った高級感よりも家庭的な暖かさ。
前菜からデザートまで、みごとに各地の地方料理のいいとこ取りをした料理が並びました。
前菜はミラノの揚げミートボール、プリーモはトリッパとラビオリ、そしてトスカーナのリボッリータ、メインはほほ肉の赤ワイン煮込み、ドルチェはピエモンテのボネのアレンジ。
前菜がミートボールというのは意外でしたねー。
正確にはモンデギーリという名前です。
この料理については、忘れてましたが、すでにブログで一度、取り上げていました。(こちら)
確かにミラノがスペインに支配されていた時代の名残の料理です。
つい最近も、サルデーニャがスペインに支配されていた時代の名残の料理の話をした記憶が・・・。
そうそう、パナーダスだす。
残り物を有効利用した究極に家庭料理な一品が、トラットリア風コースの前菜。
ミラノ人以外には理解されにくいこの偏愛ぶり。
この記事を考えた人、ミラノ人ですねー。
まあ、トラットリア風料理には、作る人の家庭料理や、過去の記憶への個人的な思い入れが反映される、ということでしょう。
それが醍醐味でもあるし。
でも、次のトリッパは、いかにも典型的なトラットリア料理というイメージ。
イタリア各地に名物トリッパがあるので、作った人がどこで修業したかは、トリッパで分かるかも。
リボッリータは黒キャベツが入っていて、かなり本格的なトスカーナ料理。
これは、珍しいイタリア野菜が手に入ったら、その産地の名物家庭料理にすると、いう鉄則を遵守していますねー。
メインはイタリアだけでなく、多分世界中のトラットリーアの定番中の定番、牛肉の煮込み。
ちなみに、今月の「総合解説」の料理の基礎リーズ、牛肉編のテーマは“ストゥファート”。
肩バラの煮込み、肩肉のブラザート、トマト入りオッソブーコのリチェッタも載せています。
そしてドルチェは、パンとチョコレートのトルタとアマレッティのブディーノの2品。
どちらにもパン粉が入っていますよ。
チョコレートやアマレットの高級そうなケーキも、パン粉が入るととたんに家庭的になるものだなあ。
それと、アマレッティのブディーノは、「総合解説」のページに写真も載せたのですが、
平べったいブディーノの上に、その厚さを上回る高さのホイップクリームが山盛りになっているという、食事の最後にふさわしい大トリ感。
この演出もトラットリア的。
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“トラットリア風料理”のリチェッタは、「総合解説」13/14年2月号に載っています。
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