前回のブログで登場したシャラティエッリのことが、なぜか頭の隅にひっかかって離れません。
カンパーニアでは珍しい生パスタ、ということと、多分、シャラポワみたいなその名前の響きが、とても魅力的だったせいです。
他の本でも調べてみたら、
“リチェッテ・ディ・オステリーエ・ディ・イタリア”シリーズの『パスタ』に、5点もリチェッタが載っていました。
さらに、こんな解説がありました。
「scialatielliはカンパーニアで生まれたパスタ。
カンバーニアではsciglia はひっくり返す、乱雑にする、という意味の動詞。
シャラティエッリは鉄の細い棒(ferretto)を使って作るパスタ。編み棒のような細い棒に細長い麺状の生地を巻きつけて成形する。
最近では作業が簡略化されて田舎風のフェットゥッチーネ(一般的なものより厚くて細い)に成形することが多くなった」
さらに、編み棒を使って成形するパスタについては
「家庭で手作りするパスタ。
編み棒のほかに、植物の葦を使うこともある。
ちなみに、アラビア語で葦という意味のbusという言葉から、busa、busiateというパスタの名前が生まれた。
巻き付け方には2種類あり、棒状の生地の上に麺を置いて押しながら転がして棒に巻きつける方法と、一本の棒状の麺の上に置いて転がして棒を抜く、ブカティーニタイプだ。
これらのパスタは北から南まで各地にあり、様々な名前が付けられている。
その中の一つがシャラティエッリだが、編み棒を使うパスタの名前には多くの混乱もある。
一番代表的なのは、“maccheroni/マッケローニ”だ」
フジッリ
↓
マッケローニ
↓
ちょっと混乱してきましたが、つまり、シャラティエッリは、元々は、フジッリやマカロニタイプの棒をつかて成形するパスタだったということですね。
それが最近になって、フェットゥッチーネタイプのものの方が一般的になった、という訳です。
さらに、編み棒を使って成形するパスタは、マッケローニという、とてもお馴染みの名前が付けられていることから想像するに、各地に普及したとても一般的なパスタでしたが、乾麺の方が爆発的に世界中に広まって、生麺は駆逐されてしまったのでしょう。
マッケローニという生麺を作ること自体が、珍しくなってしまったけれど、フジッリやシャラティエッリは残りました。
歴史的に考えてみると、マッケローニは手打ちパスタの成形の基本中の基本だったんですねー。
これ以上追及すると、例によってまた、パスタの迷宮に迷い込んでしまいそうです。
パスタのことを調べだすと、謎が謎を呼んで、結局抜け出せなくなってしまうんですよねー。
話をシャラティエッリに戻します。
『パスタ』にある5つのリチェッタは、シーフード、アサリ、なすとリコッタ、水牛のラグー、ムール貝とじゃがいもと、なかなか美味しそう。
ムール貝とじゃがいも、いいですねー。
これはカプリ島のシーフードのシャラティエッリ。
セモリナ粉のパスタって、シーフードとも相性良さそう!
↓
おまけの写真。
フジッリをガルガネッリに筋をつける板の上で転がせば、筋付きフジッリの出来上がり。
オリジナルパスタですね。
↓
-------------------------------------------------------
“卵が入らないセモリナ粉の手打ちパスタ”のリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2012年10月号に載っています
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
2015年4月20日月曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
ジェラートはパンとの相性も良いデセール。シチリアとナポリの人のジェラートの食べ方は、ほんとに自由。
今日は、(CIR)7月号のリチェッタから、ジェラートの話(P.12)。 リチェッタのテーマは、シンプルにコーンやカップに入れるジェラートではなく、クロスタータやボンボローニ、はてはフォカッチャにのせるジェラート。 ジェラートのデセールの最高峰はトルタ・ジェラート。 パン・ジェラー...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
-
今日のお題はプリーモピアット。今月の「 総合解説 」P.5の料理です。 スパゲッティなんですが、料理名がやたらカッコイイ。 “アサシンのスパゲッティspaghetti all'asssassina”だって。 初めて聞きました。 聞いたこともない料理だったのに、逆にnetに...
0 件のコメント:
コメントを投稿