今日はsegnalibroさんのイタリア便りです。
ではどうぞ。
ランチを頂いたレストランで、帰り際になってから、美味しそうなクロスタータがあることに気がつきました。
あぁ、食べなかったことをちょっと後悔。
後から来た見知らぬシニョーラは、迷わずこれをチョイス。
美味しいわ、ですってー。
くぅ、なんだか敗北感。
これ、サンブーコ(Sambuco)のジャムを使ったクロスタータだそうです。
ん?サンブーコって何??
辞書を引くと、日本語では西洋ニワトコという木。
英語ではElder、ドイツ語ではHolunderと言い、ヨーロッパではハーブとしてよく使われる植物のようです。
私、知らなかったわ・・・と思っていたら、スーパーでジャムを発見。
シチリアのカターニアにある会社が作っているもの。思わず購入してしまいました。
サンブーコの実は、山椒の実を連想させる連なり方をしていて、1つ1つ切り離してジャムにするのは大変そう…なんて思いながら、いっただっきまーす。
英語ではこの実をElderberryと言うそうで、このジャムは野イチゴみたいな甘酸っぱい味がします。
口当たりが気にならない程度の種が混じっていますが、野生っぽくて気に入りましたよ。
イタリアでのサンブーコのレシピを調べてみると、実はジャムに、お花はフリットにして食べたり、レモンと一緒にシロップにつけて飲み物にしたりするようです。
また、お花をアルコールにつけてお酒にするというレシピもありました。
あれっ、そういえば私、サンブーコのお花を近所で見てるかも。
6月頃、とってもいい匂いのする可愛いお花が咲いたので、誰かに名前を教えてもらおうと写真を撮っておいたんです。
解決!これ、サンブーコのお花でした。
シチリアのエンナ県トロイーナという村には、サンブーコのお花を使ったvastedda cu sammucu というフォカッチャがあるそうです。
生地にお花とチーズ、サラミ類をはさんで焼いたもので、5~6月にかけて行われる守護聖人サンシルベストロのお祭りには欠かせない一品なんだとか。
素敵な香りのするパンなのかしら。食べてみたいー。
ネットから拝借。お花を散らすとかわいい。
切ったらこんな感じ。
実はザブザブ洗えばよいけれど、お花はそうはいかないでしょうから、この村はきっと空気の澄んだ素敵な所なんだろうなぁって思います。
さて、清涼飲料水でおなじみのサンペレグリノ社から、この夏、こんなドリンクが新発売になりました。
グレープフルーツとサンブーコのお花の爽やかなジュース。
HPによると、サンブーコのお花のジュースは北イタリア、トレント地方の伝統的な飲み物なんだそうです。
日本の夏の飲み物といえば、麦茶とカルピス(笑)。
夏になると殊のほか恋しくなる、私の大好きなカルピスはイタリアにはありませんが、代わりにいろんな味のシロップがあります。
様々なメーカーが作っていますが、多分有名なのはFABBRI社のもの。
水や炭酸水で薄めて飲んだり、凍らして氷菓子にしたり、アイスクリームにかけたりして使います。
ここでも新発売は、サンブーコのお花のシロップ。
もしかして、イタリアにサンブーコのプチブーム到来中?
説明書きによると、このシロップをアルコールで割って飲むのもお勧めなんだとか。
トレンティーノ・アルトアディジェ州のボルツァーノでは、プロセッコとサンブーコのお花のシロップを炭酸水で割ってミントを添えて飲む、Hugoというアペリティーボがあるそうです。
夏にぴったりかも。
試してみようっと。
ところで先日、友人宅でBBQをおよばれした時のこと。
お腹いっぱい食べた後のカフェタイムに、『私のカフェにはサンブーカ(sambuca)入れてー』ってリクエストした友人がいました。
サンブーカ!!
はい、今日はここまで。
サンブーコとの出会いがちょっとしたカルチャーショックだったんでしょうねえ。
ジャムから始まって、花、フォカッチャ、シロップと、どんどん話が広がっていきました。
庭に一本植わっていたら、色々楽しめそうな木ですねー
サンブーコは、日本語ではにわとこ。
ハリー・ポツターには、にわとこの杖っつーのが登場しますよねー。
なんと枝は魔法の杖になる。
日本のにわとこは、花の形や色がちょっと違うかなー。
↓
それにしても、サンブーコは、こんなに可愛い花が咲くんですねえ。
イタリアでは晩春に咲くんだそうです。
花が終わったら、次は実。
見るからにおいしそう。
ぶどうとベリーの中間のような・・・
実をいっぱいつけるにわとこの木とハシバミの木がある藪が近所に欲しいなあ。
それにしても、サンブーコの使い道はすごくたくさんありますよー。
まずはジャム作りの動画です。
作ってるところを見ると食べたくなりますねー。
サンブーコの花のフリット
↓
サンブーコの花のシロップの作り方の動画はこちら。
実をいっぱいつけるにわとこの木とハシバミの木がある藪が近所に欲しいなあ。
シチリアのサンブーコの花のフォカッチャ、vastedda cu sammucuの動画はこちら。
と言うわけで、次回はサンブーカの話です。
-------------------------------------------------------
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
2014年8月11日月曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
生ハムの一番美味しい部位はガンベレットこと端っこ。
生ハムやパルミジャーノを、パルマの食文化の観点で見ると・・・。 食の都パルマのシェフが語るパルマの食文化 これはアルタ・クチーナとしてのパルマ料理ですね。 もう少し庶民的な、パルマの日曜日の家庭のプランゾの場合、スタートは、クラテッロ、パルマの生ハム、コッパ、ストロルギーノなどの...
-
グラナ・パダーノの話、その2です。 イタリアで流通しているハードチーズの50%近くを占めるグラナ・パダーノ(AC Nielsen調べ)。 2008年の生産量は、435万5347個でした。 平均的な販売価格は11.05ユーロ/㎏。 イタリアの硬質チーズの平均価格は12.70ユーロな...
-
今日はブラザートの話。 『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。 バローロのブラザート, photo by Silvio 記事によると、 ブラザート brasato は、イタリア語で「炭」という意味の“ブラーチェ brace ”の古い呼び方、“ブラーザ brasa ”が...
-
今日のお題はプリーモピアット。今月の「 総合解説 」P.5の料理です。 スパゲッティなんですが、料理名がやたらカッコイイ。 “アサシンのスパゲッティspaghetti all'asssassina”だって。 初めて聞きました。 聞いたこともない料理だったのに、逆にnetに...
0 件のコメント:
コメントを投稿