リーゾで作るからリゾットrisotto。
オルゾで作ればオルゾットorzotto。
では、問題です。
ファッロで作ったら?
答えはファッロットfarrottoだって。
これは知らなかったなあ。
でも、わかっちゃった。
そうですよ。
穀物の名前の語尾にttoをつければいいんですよー。
オルゾットはよく耳にしますが、ファッロットは初めて聞いたなあ。
そこで、今回のお題はファッロfarroです。
ファッロの中でも大粒のものはスペルタとも呼ばれ、これがおそらく、日本名のスペルト小麦の元。
小麦によく似ていて、小麦の祖先と考えられている穀物です。
注目されるようになったのは比較的最近ですが、古代ローマ時代には、ローマ人の主食ことplus(プルス;ポレンタの一種)を、このファッロの粉で作っていたそうです。
ローマ時代の庶民の主食だったんですねー。
ファッロはエジプトから輸入されて、富裕層はパンにして食べていたそうです。
中東では7千年も前から知られていたそうです。
ファッロはラテン語ではfarですが、この言葉がfarinaの語源なんだそうです。
中世やルネサンス以降、小麦に押されて次第に姿を消していきますが、地方料理とその食材が注目されるようになって返り咲きました。
特に、ガルファニャーナの住民がその栽培や普及に努めた成果が大きかったようです。
ガルファニャーナは、トスカーナはルッカ県のアペニン山脈とアプアナ山脈の間。
ガルファニャーナのファッロはIGP(保護指定地域表示)製品。
ガルファニャーナでは、イタリアの他の地方で栽培されているファッロとは特徴が違うと主張しています。
他の穀物と比べると、タンパク質と食物繊維が多くてカロリーは少ないのだそうです。
栽培には、化学肥料、殺虫剤、除草剤は一切使っていません。
イタリアの特産品という位置づけで、インターナショナルに売り出しているようですが、知名度はいまひとつかも。
頑張れ~。
次回はファッロのリチェッタです。
-------------------------------------------------------
関連雑誌;『サーレ・エ・ペペ』2012年3月号、“ガルファニャーナのファッロ”の解説は、「総合解説」2012年3月号に載っています。
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
2014年5月1日木曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
肉とアンチョビとバターが北の組み合わせなら、南はアンチョビとモッツァレラ。
リミニとガルファニャーナの間を結ぶ“ゴシックライン”は、古代ローマとガリアの文化圏。 イタリアを北と南に分ける線で、牛や豚の飼育が普及していた地方、つまり動物性脂肪が広まっていた地方の境界線でもあります。 植物性脂肪は地中海沿岸地方の食文化でした。古代ローマの動物性脂肪の一例は、...

-
今日のお題はプリーモピアット。今月の「 総合解説 」P.5の料理です。 スパゲッティなんですが、料理名がやたらカッコイイ。 “アサシンのスパゲッティspaghetti all'asssassina”だって。 初めて聞きました。 聞いたこともない料理だったのに、逆にnetに...
-
(CIR)2月号の“ゆでないパスタ”というのは、たっぷりの沸騰した熱湯にパスタを入れて常に沸騰させながらゆでる、といういわゆる伝統的と呼ばれる昔ながらの方法でパスタをゆでない方法です。 プロの技を駆使しながらゆでないでパスタを加熱する方法を取り上げたのがこの記事です。 その一つが...
-
きのうはアサシン・スパゲッティの名前のインパクトが強ぎて、リチェッタの話をするのを忘れてました。 殺し屋(その真の姿はプーリアのおばあちゃん)の任務は、きのうのスパゲッティの残りを、美味しく食べる、です。 一番重要なのは、香ばしさやカリカリ感。 そう言えば、パン粉の時も目指してい...
0 件のコメント:
コメントを投稿