2009年7月27日月曜日

アイモ・エ・ナディア

今日はミラノの有名レストランの話。
『ア・ターヴォラ』の記事の解説です。

店の名前は、イル・ルオーゴ・ディ・アイモ・エ・ナディア。

アイモとナディアというご夫婦の店。
夫婦と言うと、普通はどちらか一方がシェフでどちらかがサービス担当、というケースが多いですが、この店は二人ともシェフ。

2008年、店の厨房にて
中央がアイモさん、その左がナディアさん。


アイモ・モローニ氏は、1934年トスカーナで生まれ、第二次大戦後にミラノに移りました。
お母さんはトスカーナの貴族の家の料理人だったそうです。
アイモさんは13歳で皿洗いから始めたバリバリの生え抜き料理人。
自分の店を持ったのは、1955年のこと。
“ダ・アイモ”という店でした。
すでにナディアさんもいました。
そしてその後、店名を現在の“アイモ・エ・ナディア”に変えて、場所も現在の場所に移ります。
現在、ミシュランでは2つ星を獲得しています。

50年もの間名声を保ち、そして75歳の今なお現役(調理は若手に任せているようですが)というのは、ほんとにスゴイ!
しかもその間、夫婦はいつも一緒。
アイモさんは奥さまのことを、恋人で友人で一番難しい客、と言っています。
おしどり夫婦ですねえ♪


アイモ・エ・ナディアの料理の特徴は、まず、超高価なものや奇をてらった食材ではなく、けれども選び抜いた食材を使うということ。
さらに、それらは深く考えられた、斬新で洗練された方法で料理に仕上げられているのに、なぜか懐かしさやぬくもりを感じる、ということ。
それは、1965年から出しているという店の名物料理、“葉玉ねぎと唐辛子のスパゲッティ”にも表れています。

こんな料理

一見、地味なスパゲッティですよね。
でも実は・・・、
このスパゲッティは、以前このブログで紹介したこともある“セナトーレ・カッペッリ”という硬質小麦を使ったものです。
薪で焼いたパンのような香りと、煮崩れしない腰の強さが特徴。
葉玉ねぎは、赤玉ねぎで有名なカラプリアのトロペア産。
これを千切りにして、ローリエ、にんにくと一緒に野菜のブロードで炒め煮にします。
火から下ろしたら生唐辛子を少量加えて辛味をプラス。
スパゲッティを入れた後、マンテカーレに加えるパルミジャーノはストラヴェッキオ。
一緒にパキーノトマトも加えます。
そして仕上げに散らす香草はバジリコ。
他にタイムとプレッツェーモロも入っています。


店のhpでは、この葉玉ねぎのスパゲッティを含むいくつかの料理が紹介されています。


こちらはアイモ・エ・ナディアの料理集。
表紙の料理、パッションフルーツに詰めた“サンレモエビのマリネ”もスペチャリタの一つ。




アイモ・エ・ナディアに食事に行くラッキーな機会に恵まれたら、葉玉ねぎのスパゲッティとサンレモエビのマリネを味わうのをお忘れなく。



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関連誌;『ア・ターヴォラ』2007年2月号
サンレモエビのマリネを含む“アイモ&ナディア”のリチェッタは、「総合解説」'07&'08年2月号、P.16に載っています。


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