イタリア料理ほんやく三昧: パオロ・パリージの卵

2011年4月18日月曜日

パオロ・パリージの卵

今日はパオロ・パリージ氏の話。
『ガンベロ・ロッソ』の解説です。

ガンベロ・ロッソでは、毎年トレフォルケッテに選ばれたシェフたちが一堂に会して料理を披露するイベントが行われます。
2009年版の時に、ヴィッラ・クレスピVilla Crespiのシェフ、アントニーノ・カンナヴァッチュオーロ氏が披露したのは、エビとキャビアに卵黄のクリームと葉玉ねぎのサラダを添えた一品。

こんな料理です。

シチリア産の薄紅色の生エビも、小さな黒真珠のようなキャビアも、プックリしていて美しいですねえ。
さらに、その下に張られた卵黄のクリームは、なんとも濃厚な色をしています。

この料理、シェフが付けた名前は、
「生エビとキャビア、パオロ・パリージの卵の黄身のクリーム、葉玉ねぎのインサラティーナ」。

なんだか、エビやキャビアより「パオロ・パリージ」の方が目立ってませんか。
そもそも、パオロ・パリージって誰?

率直な話、この料理はあまり手はかかっていません。
エビは油、塩、レモン汁でマリネしただけだし、葉玉ねぎは千切りにして氷水にさらしただけ。
もちろんキャビアはのせただけ。
クリームは、卵黄10~12個(4人前)に生クリーム80gと塩を加えて軽くホイップし、ロート型ムーランを使って裏漉ししながら皿に注いでいます。

イタリア人でも生卵を食べるんですねえ。


さて、そこでパオロ・パリージです。

この人、チンタ・セネーゼ豚復活の立役者として知られる畜産業者。
ところが、チンタ・セネーゼの方がパオロ・パリージという名前より有名になってしまったことが、彼のチャレンジ精神に火をつけました。

自分の名前で一流シェフたちを唸らせるものを作りたい!
その一心で取り組んだのが、卵。
そして今や、「パオロ・パリージ」はイタリアの料理業界御用達の一流ブランドとなったのです。
イタリアでは彼は「ミスター卵」としても知られています。

鶏はガッリーナ・ビアンカ・リヴォルネーゼという品種なのですが、今回はこの名前の方が有名になる可能性は低そうです。
なんと鶏には搾りたての山羊のミルクを大量に与えているのだそうです。
鶏を飼うために山羊を飼い、山羊のミルクが減る時期に備えてジャージー牛も飼っているという徹底ぶり。
こんな方法、誰にも真似できないだろうと、本人も言い切っています。


パオロ・パリージのwebページはこちら

その卵については、

フレッシュな味で、特に卵黄はソフトでコクがあり、軽く、泡立てた時に含む空気の量が一般的な卵の3倍にもなる。
軽いアーモンド風味もあり、生で食べても美味しい。
ザバイオーネ、マヨネーズ、クリームなどに使うとその軽さが発揮される。
生パスタももっと軽くなる。

と説明しています。
値段はイタリアでも最高クラスの1個1ユーロ程度(2011年4月現在は約120円)らしいです。

※写真を追加しました。

パオロ・パリージの卵。
Italiamamaさんの写真です(Grazie!)。
コメントもいただきました。

「彼の経営するアグリトゥーリズモに泊まり、生卵飲んできました。
彼の農場やチンタセネーゼを飼っている所に連れて行ってもらったり、ガンベロロッソ(レストラン)へ一緒に食べに行ったりしました。
彼の奥様がフランスで学んできたシェフでお料理を教えてくださり、その後夕食を作ってくれました。
イタリア人で生卵を食べる(というか飲む)のは非常に珍しく、ほとんどの人が嫌がりますが、この卵、日本ではオレンジ色が好まれるのに黄色の色が濃く、あっさり味でした」




↓パオロ・パリージはこんな人。





↓卵について熱く語っています。






とにかく売れているようで、自身のブログでも、世界一美味しいスーパー卵だと語っています。



-------------------------------------------------------

関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2008年12月号
“エビとキャビア、卵黄のクリーム、葉玉ねぎのサラダ”を含むトレフォルケッテのチェーナのリチェッタは、「総合解説」'07&'08年12月号に載っています。

[creapasso.comへ戻る]

=====================================

0 件のコメント: