2010年11月15日月曜日

きのこのスフィンチョーネ風

きのこ料理の話、続けます。

前回は、ピッツァのパレルモ版、“スフィンチョーネ”の話でした。
炭水化物×炭水化物の中でもかなり高度な、パン×パンという、ある意味関西的なパンでしたねえ。
トマトソースも、アンチョビーとカチョカヴァッロ入り。
パルミジャーノやモッツァレッラなんて入れませんよー。
この食材選びのセンスが身につけば、あなたもシチリア人!

さて、いよいよ本題の「きのこのスフィンチョーネ風」。
大元のパンのスフィンチョーネのリチェッタが分かれば、ある程度は想像できますね。

出典は『IL DIAMANTE DELLA GRANDE CUCINA DI SICILIA』です。
『Il diamante della grande cucina di Sicilia』


きのこのスフィンチョーネ風
Fungi a sfinciuni/Funghi "a sfincione" alla palermitana
・オーブン皿に油を塗る。
・たっぷりのパン粉、にんにくとプレッツェーモロのみじん切り、フレッシュのオレガノ、塩、こしょう、オリーブオイル少々を混ぜる。
・きのこを粗く切ってオーブン皿に入れ、パン粉をかける。
・これをオーブンで焼く。
・レモン汁にアンチョビーペースト少々を溶いてきのこに添える。



やっぱりねえ。
トマトソースやチーズをかけなくても、パン粉をたっぷり散らせば、立派に“スフィンチョーネ風”という訳ですね。
きのこにアンチョビーというのも、地中海風ですねえ。


そうそう、このパン粉、あのシチリアの美味しいパンの粉、というのもポイントですね。

リチェッタを引用した本、『IL DIAMANTE DELLA GRANDE CUCINA DI SICILIA』では、一番最初に、シチリアのパンについて語られています。
「6千年前からシチリアの主食はパン」なのだそうです。
実は、著者のPino Correntiは、シチリアのパン屋兼パスタ屋の生まれ。
だから、粉物料理はDNAにしみ込んでいます。

イタリア語には、companatico(コンパナーティコ)という言葉があります。
「パンのおかず」という意味です。
シチリアの人にとって、究極のパンのおかずは、“ナイフ”なんだそうです。
「パンとナイフpani e cutieddu」という言葉まであります。
究極にもほどがありますねー。


ついでですから、そんなシチリアのパンのリチェッタも紹介しておきます。
『IL DIAMANTE DELLA GRANDE CUCINA DI SICILIA』からです。

シチリアの基本のパン生地
Pane speciale di pasta lievitata siciliana dai molteplici usi
材料:
 硬質小麦粉(rimacinato)・・500g
 00タイプの小麦粉(maiorca)・・500g
 生イースト・・25g
 新鮮な卵・・1個
 油脂(ラード、またはオリーブオイル、バター、マーガリン)・・100g
 細粒の塩・・大さじ1弱(塩気が弱いパンの場合は10g)
 砂糖・・5g
・イーストを37度(唇の温度)のぬるま湯1カップで溶く。
・2種類の小麦粉を混ぜて台に盛る。中央をくぼませ、小片にした油脂、塩、砂糖、イースト、卵を入れて手早くこねる。
・生地を丸くまとめ、打粉をしたボールに入れて表面に十文字のクープを入れる。
・軽く粉を散らし、半分に折った布巾をかぶせて1時間発酵させる。
・生地が2倍に膨らんだら完成。



シチリアのパーネ・カゼレッチョ

パレルモの脾臓のパニーニ

シチリア内陸部で、ノヴェッロ・ワインと一緒に食べる塩気のないパン、ムッフリエッテ
具をはさんで食べます。



次回はまたきのこの話に戻ります(汗)。



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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』2007年9月号
関連記事「ポルチーニ」のリチェッタは「総合解説」'07&'08年9月号に載っています。

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