イタリア料理ほんやく三昧: イタリアのブルーチーズ、ストラキトゥント

2010年8月16日月曜日

イタリアのブルーチーズ、ストラキトゥント

イタリアのブルーチーズの話、その2です。

2つ目のチーズは、ストラキトゥント Strachitunt(またはストラキトゥンド Strachitund)。

こんなチーズ

ロンバルディア州ベルガモ県のヴァル・ブレンバーナ地方、特にヴァル・タレッジョ地方で作られています。
牛の全乳を使用した“パスタ・クルーダ”のチーズ。

パスタ・クルーダは、前回も説明したとおり、カード(凝乳)をカッティング後に加熱しない製法のチーズで、ゴルゴンゾーラもこのタイプ。

ストラキトゥントとは、ストラッキーノ・トンド、つまり「丸いストラッキーノ」という意味です。

ストラッキーノとは、ゴルゴンゾーラ、タレッジョ、クレシェンツァ、クアルティローロなど、脂肪分の多い牛乳のソフトチーズのこと。
山の放牧地で夏を過ごした後に、麓へ下りてきたばかりの疲れた(地元の方言で“ストラック”)牛のミルクから作るところからこの名がついた、と言われているチーズ。
ただし、この話は言い伝えの一種でそれほど信ぴょう性はなく、チーズの腰がない固さを「疲れた」と表現してこう呼ばれるようになった、という説もあります。

イタリアのブルーチーズの代名詞ゴルゴンゾーラも、ゴルゴンゾーラ村で作ったストラッキーノなので、元々は「ゴルゴンゾーラのストラッキーノ」と呼ばれていました。
けれどその後、チーズの名前は省略されて地名だけが残り、いつしか地名がチーズ名となって、ゴルゴンゾーラ村で作らなくてもゴルゴンゾーラと呼ばれるようになっていった訳です。



ストラキトゥントを作っているベルガモの酪農家








さて、ストラキトゥントですが、このチーズ、カビを植え付けるのではなく、カビを自然に発生させる製法で作られています。
晩に固めて一晩水気を切ったカードと、朝に固めてさっと水気を切ったカードを混ぜるため、濃度の違うカードが完全に混ざりきらずに隙間ができます。
そこに穴をあけることによって空気が入ってカビが発生するという仕組みです。
天然のカビなので、チーズによって発生具合が違い、均一に発生することもありません。


ストラキトゥントはブルーチーズ特有の香りの強いチーズで、通に人気があります。
一度食べるとはまってしまう人も多いようです。
最初はタレッジョのような味で、そこにゴルゴンゾーラの味が加わるところから、「タレッジョの息子でゴルゴンゾーラの父」と言う人もいます。


ストラッキトゥントとカポコッロのリゾット


ストラッキトゥントとくるみのラザーニャ


ストラッキトゥントとじゃがいものタルト




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関連誌;『ア・ターヴォラ』2007年7月号
「ブルーチーズ」の記事の解説は「総合解説」'07&'08年7月号に載っています。

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2 件のコメント:

畠山 さんのコメント...

見たところほとんどブラウンスイス(ホルスタインもいましたが)。
うちにも数頭いますがやはりチーズ作りに適した品種なんですね。
「タレッジオの息子でゴルゴンゾーラの父」ですか。いつか挑戦してみたいです。

prezzemolo さんのコメント...

畠山さん
おー、品種の違う牛がいたんですか。
見る人が見ればわかるんですねえ。
ベルガモではこういう酪農家はすっかり減ってしまったそうですが、タレッジョの産地で作るゴルゴンゾーラタイプのチーズ、食通にはかなり人気のようです。