2016年12月22日木曜日

『クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ』

最近入荷した本の紹介、第2弾。
今日は 『クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ』です。

代表的なイタリア料理を1冊の本に集めて、リチェッタや食材の解説もしながら、豊富な写真で紹介する本、というのが、なぜかイタリアにはあまりありません。

この本は、イギリス人でイタリア料理の人気本を何冊も出版している人が著者で、まさに、外国人が知りたいイタリア料理の姿が、よーくわかる1冊です。

基本のイタリア料理の情報を知りたい時、何かと便利で、写真の見ごたえもあります。

この本は、イギリス人の本にもかかわらず、2010年にイタリアで出版されて以来、イタリアで、イタリア人にもよく売れているロンクセラー本です。

それもそのはず、この本は、イギリスで過去に出版された代表的なイタリア料理の本のいいところを多数参照していて、かつ、適度に本格的。

イタリア人向けのイタリア料理本は、時として、マニアックすぎて外国人にはついていけない、ということがあります。
さらに、イタリアの出版業界の不安定さからか、なかなか重版されないので、人気の本はすぐに売り切れて、次に手に入るのはいつだかまったく不明というのが普通なのです。

ところがこの本は、イギリスとイタリアのいいとこどりした本です。

イギリス人は、地中海の食文化に昔から強い憧れを抱いていて、積極的に研究して取り入れてきました。
例えばマルサラというワインはイギリス人が見出して、シチリアで作って大量にイギリスに輸入してきました。
マルサラを有名にしたのはイギリス人というのは有名な話。

イギリス人のイタリア好き、で私が思い出すのが、映画『眺めのいい部屋』(1986)。

E.M.フォスターの小説の映画化です。
1987年アカデミー賞3部門受賞、英国アカデミー賞5部門受賞。
 ↓




この映画は20世紀初めのフィレンツェが舞台でも、マギー・スミスが出ているので、ドラマ『ダウントン・アビー』の一場面と言っても納得しそう。

17~18世紀には、裕福なイギリス人は、イタリアやフランスに長期間卒業旅行に行くのが流行ったそうですが、イタリアという国は、イギリス人に取ってはとてもロマンチックな場所だったのかもしれません。
イタリアに旅行に行く現代の日本人にだって、なんだか理解できそうじゃないですか。

イギリス人のイタリア料理本、決してバカにできないですよ。
お勧めです。


-------------------------------------------------------
[creapasso.comへ戻る]
=====================================

0 件のコメント:

よもぎはドイツ語ではベアムート。かっこよくてお餅につける名前じゃないよね。トリノでパティシエが白ワインとよもぎから作りだしたのがベルモット。

今日のお題は、メイド・イン・イタリーの食材です。(CIR2022年1月号P.37の記事) その食材は、ベルモット。ピエモンテ州トリノで誕生したフレーバード・ワインです。 白ワインにスパイスとハーブを加えて香りをつけたもの。 ところで、ベルモットはドイツ語の“ヨモギWermut”が...