イカ墨の美味しさを世界中に広めたのは、何と言ってもイタリア人の功績。
しかも、イタリアの代名詞でもあるスパゲッティとの組み合わせは鉄板。
イカ墨料理と言えばヴェネト州が有名ですが、ヴェネトの代表的なイカ墨料理は、イカ墨のリゾットやイカの墨煮。
ヴェネチアのRistorante Da Ivoのイカ墨のリソット
イカの墨煮
パスタの種類をスパゲッティに限定すれば、スパゲッティは歴史的には南イタリアの伝統食材なので、イカ墨のスパゲッティも南部の伝統料理。
中でもシチリアは、イカ墨スパゲッティの元祖、と主張する声が多いようです。
もちろん例によって確たる証拠は何もありませんが、例えば・・・
「昔からシチリア人は、何も無駄にしないでどんなものでもうまく料理に使った。
イカ墨だって例外ではない。
イカ墨がシチリア人の豊かな想像力によって生まれ変わったのが、イカ墨のスパゲッティだ」
でも、イカ墨スパゲッティの伝統料理は、サルデーニャやカラプリアにもあります。
リチェッタの基本はほぼ同じです。
↓シチリアのジョイオーザ・マリーナという海辺の町で、町一番のイカ墨パスタ名人が教えるリチェッタ。
実は上の動画は、45分番組(こちら)の一部。
番組は料理名人を探すところから始まっています。
そして選ばれた料理名人の家(テラスから海が見える素敵な家)に泊めてもらって、数日滞在しながら調理過程を撮影。
長いですが、温かいシチリア人のもてなし方がよーくわかる動画です。
コウイカは、魚屋さんで墨袋を外してもらうんですね。
材料と作り方の説明は26:30から。
それでは、南イタリア各地のイカ墨スパゲッティのリチェッタをどうぞ。
『イル・ディアマンテ・デッラ・グランデ・クチーナ・ディ・シチリア』のカターニア(シチリア)風イカ墨のパスタ。
カターニア風イカ墨のスパゲッティーニ Pasta col nero delle seppie (Catania) |
材料: スパゲッティーニ・・600g 墨袋付きコウイカ・・500g 玉ねぎ・・1個 トマト・・300g ローリエ・・1枚 イタリアンパセリ ペコリーノ・スタジョナート・・100g オリーブオイル 塩、こしょう |
・イカは墨袋を外して細く切る。 ・玉ねぎの薄切りとイタリアンパセリをオリーブオイルで炒め、皮をむいて小さく切ったトマト、イカを加えて煮る。 ・ソースが煮詰まったらイカ墨を加える。 ・パスタをゆでてソースであえ、おろしたペコリーノ・スタジョナートを散らす。 |
『La cucina calabrese di mare』(Alba Allotta著)より、カラプリア風イカ墨のパスタ。
イカ墨のスパゲッティ Spaghetti al nero di seppia |
材料:4人分 スパゲッティ・・400g コウイカ・・2杯 トマトソース・・1カップ にんにく・・1かけ イタリアンパセリ・・1束 EVオリーブオイル・・大さじ6 塩、赤唐辛子 |
・イカは墨袋を外して細く切る。 ・にんにくとイタリアンパセリをみじん切りにしてオリーブオイルと唐辛子少々で炒める。 ・イカを加えて数分炒め、トマトソースと塩を加えて10分煮る。 ・ソースが煮詰まったらイカ墨を加えてよく混ぜる。 ・レードル1杯の水を加える。蓋をして、時々かき混ぜながら弱火で45~50分煮る。 ・パスタをアルデンテにゆでてソースであえる。 |
『La cucina sarda di mare』(Laura Rangoni著)より、サルデーニャ風イカ墨のパスタ。
イカ墨のスパゲッティ Spaghetti con seppie, pomodoro e pecorino |
材料:4人分 スパゲッティ・・400g 小コウイカ・・450g EVオリーブオイル・・大さじ4 ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ・・1カップ ドライトマト・・8~10個 玉ねぎ・・1個 おろしたペコリーノ・・50g 塩、こしょう |
・イカは墨袋を外して細く切る。 ・玉ねぎの薄切りをオリーブオイルで炒め、イカ、小さく切ったドライトマト、塩、こしょうを加える。 ・蓋をして、時々かき混ぜながら弱火で40分煮る。途中でワインの3/4をかける。 ・イカ墨と残りのワインを加えて煮詰める。 ・パスタをアルデンテにゆでてソースであえる。皿に盛り付けておろしたペコリーノを散らす。 |
シチリアのイカ墨パスタは、シチリアのペコリーノ・スタジョナートを散らすのがポイントですかね。
動画ではフィノッキエット・セルヴァティコを加えていたので、これで文句なくシチリアの香りになります。
カラプリアのイカ墨パスタは、やはり唐辛子入り。
サルデーニャのイカ墨パスタは、地元の白ワイン、ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ入り。
トマトは、パッサータ、トマトソース、生トマト、ドライトマト、トマトピューレと、様々なバリエーションがあります。
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2008年3月号
“イカ、タコ”の記事の日本語解説は、「総合解説」08&09年3月号に載っています。
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