2012年4月19日木曜日

ピエモンテ料理

それでは今日は、ピエモンテ料理について。

代表的なピエモンテ料理というと、ボッリート・ミスト、牛肉のブラザート・アル・バローロ、ザバイオーネ、ボネ、野うさぎのシヴェ、鶏肉のマレンゴ風、バーニャ・カウダ、ヴィテッロ・トンナート、グリッシーニ、フィナンツィエーラ、タヤリン、アニョロッティ、バローロのリゾットなどなど色々あります。



Bagna cauda: the fixin's
バーニャ・カウダ
MadeinTorino_Panificatori_2381
トリノのグリッシーニ

tajarin con trifula
タヤリンの白トリュフがけ

brasato al barolo con fiori di purè, spinaci alla piemontese e cavolfiore gratinato
バローロのブラザート、じゃがいものピューレの花仕立て、ほうれん草のピエモンテ風、カリフラワーのグラティナート添え

bollito misto 010
ボッリート・ミスト


むしろピエモンテは、料理で見るよりも食材を挙げたほうがイメージがつかみやすかも。
ピエモンテはイタリアを代表する白トリュフと赤ワインの産地。
さらにゴルゴンゾーラ、チョコレートといった産物もあります。
このように多様なピエモンテ料理ですが、ずばり、2つのキーワードに要約できます。

ピエモンテ料理の話をする時には必ず登場する2つの言葉、

まず一つはピエモンテという名前。

そしてもう一つはサヴォイア家です。

piemonteとは、piedi dei monti「山のふもと」という意味。
なぜか英語ではpiedmonteというのですが、dは案外大事だったんですね。
この名が表す通り、ピエモンテ料理の顔の一つは、山のふもとの農民料理です。
ピエモンテには海がありません。
どっちを向いても高い山です。
山裾の丘陵地帯ではワインを造り、森にはトリュフやヘーゼルナッツが育ち、チーズを作って、野菜を栽培してピエモンテ牛や野うさぎを飼う。
低地のノヴァーラは米の産地。
そのせいか、ピエモンテのプリーモ・ピアットはリゾットも豊富。

↓ピエモンテの山


森と湖の州ピエモンテは、夏は暑く、冬は寒い。
観光に最適なのは、森が最も美しくなる秋なんだとか。

↓ピエモンテ州のPV


ピエモンテの山の農民料理のポイントは、にんにく。
そしてもう一つ、フランスと縁の深いサヴァイア家の宮廷が300年以上トリノに置かれたことによって、ピエモンテは他の州にはない独特の食文化を発展させました。

たとえば、バーニャ・カウダはbagna caôdaだし、シヴェはcivetだし、ボネはbonetだし、ピエモンテ料理には、フランス語のような響きの料理名がたくさんあります。
元々サヴォイア家の子弟はフランスの貴族と結婚して、フランスで教育を受けと、かなりフランス寄りでした。
イタリアが統一された時も、フランス語を話す人たちが王様になるなんて嫌だ、というような反発もあったよあうです。
そしてサヴォイアの宮廷はとても甘いものが好きだったようで、トリノのカフェとチョコレートもその影響かも。

ちなみに、トリノとチョコレートの関係については、『ア・ターヴォラ』の“トリノのショップガイド”という記事でとても興味深い分析が行われています。
また『サーレ・エペペ』の記事“トリノ風ブランチのドルチェ”では、トリノのカフェで貴族たちがビチェリンと一緒に好んで食べたビスケットなどが紹介されています。

さらに深く、サヴォイア家の王宮の雰囲気を知りたければ、サヴォイア家の王宮群は世界遺産です。
見見ごたえのある宮殿がたくさんあります。

↓サヴォイア家の王宮



サヴォイアルディのリチェッタを忘れていました。
では次回に・・・。


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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』“イタリア統一150周年”、『ア・ターヴォラ』“トリノのショップガイド”、『サーレ・エ・ペペ』“トリノ風ブランチの゛トルチェ”の記事の解説は、「総合解説」2011年3月号に載っています
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