イタリア料理ほんやく三昧: エキストラバージンオイルのイタリアンパラドックス

2015年11月2日月曜日

エキストラバージンオイルのイタリアンパラドックス

ミラノエキスポ、終了しましたねー。
知り合いのご隠居、いつも、エキスポに行くと言っている割には、まだ人が多いらしいからと様子見をしていたのですが、終了間際になって、とうとう行ってきたそうです。
家に帰るなり興奮して電話してきて、日本の展示が一番よかったよー。5時間並んだけどねー。
だって。
結局、一番混んでいる時に行っちゃったかもねー。
日本は展示デザイン部門で金賞だそうで、かかわった皆さま、おめでとうございます。
お疲れさまでした。

グランフィナーレ
 ↓



ところで今日は、今月の「総合解説」で一番興味深かった記事、“エキストラバージンオイル”イタリアのオイル業界が抱える悩み、イタリアンパラドックスについて。
ガンベロ・ロッソの記事です。

記事によると、イタリアンパラドックスとは、
「イタリア由来のイタリアの文化にルーツを持つ製品で、イタリアの食文化の大黒柱となるようなものが、将来的に外国のものになってしまうということを意味する」
のだそうです。

その一例が、エキストラバージンオリーブオイル。

オイルの味の良さというのは、大手メーカーの大量生産品には感じることはできず、職人が作るアルティジャナーレの高価な製品のみがもつ特徴です。
ところが、そういった品質に特化した生産者は、その利益の大部分をイタリア国内ではなく国外で上げています。
素晴らしいオイルを作るのは難しい、でも、それをイタリアで売るのはもっと難しいのです。

しかし、アメリカのエキストラバージンオイルの市場の98%は低級品で、専門店で販売される上級品はわずか2%だそうです。
ところが、あるアメリカのインポーターが、イタリアの上質オイルメーカーに初の注文として試験的に出した注文数は、このメーカーの1年分の生産量に等しい2万本でした。
確かに、大手に有利な法律で固められた国内で売るより、簡単にもうかりますねー。
アメリカはジャンクフードへの危機感から健康的な食品への注目度が上がっているんだそうです。

でも、ここに落とし穴があります。
外国では、ポリフェノールの量、苦さ、辛さだけに興味を持たれる。
イタリア人は自国の伝統の食文化を広く伝えて価値を高める方法を知らない。
ミラノで食がテーマの万博やったのも、ここらへんのジレンマがあったのかも。
イタリアでは上質オイルが正しく評価されていない。
イタリアの素晴らしいオイルの作り手は、外国の市場がなければ生き延びれないだろう、というのが現状なのです。

で、ある上質オイルの作り手が今、一番注目している市場は、アジアなんだそうです。
特にシンガポール、香港、台湾は、上質オイルの小さなパラダイス。
中国は関心は膨大ですが、まだ知識は少なく、購買金額も低いそうで、まだ大流行とまではいっていないそうです。
日本に関しては、なんと、多くの点でアメリカより先を行っているそうですよ。
イタリアまで勉強に来て、入念に準備している姿が好意的に受け取られているようです。

でも、一番注目している国は、市場が急速に拡大中のノルウェー。
メーカーによっては、ドイツやイギリスを抜いてヨーロッパ最大の輸出国になったところもあるそうです。

メーカーにとっては、確かに一番多く買ってくれるお客が一番いいお客さん。
でも、それが自国ではなくて外国、というのは、結局、スパゲッティやピッツァやパルミジャーノや生ハム同様、エキトラバージンオイルも他国に持ってかれるという危険性をはらんでますねえ。

おまけの動画。
オリーブオイルについて知っておくべき3つのこと。
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“エキストラバージンオイル”の記事の日本語訳は「総合解説」13/14年2月号に載っています。
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