2009年2月12日木曜日

ボッコンディヴィーノ(ブラ)

今日はレストランの話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。

『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の連載記事、グルメ紀行で今回(クレアパッソで配本中の号のことです)取り上げているのは、ピエモンテのロエーロ地方。

ロエーロと言うと、ワインの名前として知られていますよね。

ロエーロ地方はクーネオ県の北西部にあって、ターナロ川の左岸に広がっています。
ちなみに、ターナロ川の右岸はランゲ地方。

ロエーロとは、この地方を代々治めていた領主の名前だそうです。


ロエーロとランゲ地方のグルメ旅は、こんな感じ




高貴なワイン、かしこいトリュフ犬が一生懸命掘った白トリュフ、濃厚なチーズ、おとぎ話のような中世の町と城、静かにゆっくり流れる落ち着いた時間・・・・・・。

うーん、いいなあ。
地中海の強烈で鮮やかなイメージとはまた違った、枯れた渋さも魅力的ですよねえ。


ロエーロ地方のレストランの中でも特に観光客に人気なのは、ブラのボッコンディヴィーノ Boccondivino 。

ブラは“スローフード”の発祥の地。
1984年に、この町のオステリーア、ボッコンディヴィーノに集まった人たちによって、スローフードは設立されたんだそうです。


店のhpはこちら

ボッコンディヴィーノの料理

グリッシーニ

ダヤリン

ラザーニャ

トリッパとポレンタ

ブラザート?

チーズ

ボネ?

パンナ・コッタ


ご存じのように、スローフードでは貴重な伝統食材を救おう、という運動もやっていて、様々な食材が後援食材として認定されています。

ボッコンディヴィーノでは、それらの食材を使った料理も出しています。
このメニュー(pdf)にカタツムリのマークがついている料理がそうです。

たとえば
・Lardo, salsiccia di Bra e carne cruda battuta al coltello
 『ラルド、ブラのサルシッチャ、生肉の叩き』
・Vitello tonnato
 『ヴィテッロ・トンナート』
・Brasato di vitello al Barolo
 『子牛肉のバローロのブラザート』
・Bollito misto con salsa verde, rossa e aioli
 『ボッリート・ミスト、サルサ・ヴェルデ、サルサ・ロッサ、アイオリ添え』
にカタツムリマークがついていますねえ。
これらはおそらく、スローフードの後援食材であるピエモンテ牛を使っているのでしょうね。

・Tonno di cappone all’aceto balsamico
 『去勢鶏のトンノ、バルサミコ酢風味』
・Coniglio “Grigio di Carmagnola” all’arneis
 『グリージョ・ディ・カルマニョーラ種のうさぎのアルネイス風味』
は、去勢鶏とうさぎがそうです。

店に行く機会があったら、これらの食材を使った料理を味わってみたいものですね。
お値段もなかなか手頃で、人気なのもうなずけます。


※これまで「こんな雰囲気の店」と紹介していたボッコンディヴィーノの動画はまったく別の店でした。
ご指摘いただいて発覚しました。
本家のブラのボッコンディヴィーノさん、大変失礼しました!


ちなみに、イタリアにはボッコンディヴィーノという名前のレストランが各地にあります。
boccondivinoとは、“boccone”と“divino”が組み合わさってできた言葉のよう。
“boccone”は、「一口」とか「美味しいもの」という意味。
“divino”は、「神の」とか「神聖な」とか「超人的」という意味。
だから直接訳すと、「神の美味なるもの」とか、「神々しい一口」とか、「超美味」とか、なんだかすごく仰々しい言葉になっちゃうんですよねー。
「神の一口」なんて言うと、最近ドラマ化で話題のマンガの二番煎じみたいだし・・・。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』'06年11月号
“グルメ紀行~ロエーロ”の解説は、「総合解説」'06&'07年11月号、P.2に載っています。


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7 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

はじめてコメントさせて頂きます。
何年か前に、このBoccondivino(ブラ)に行ったことがあるのですが、紹介されている「こんな雰囲気の店」の映像は、明らかに本物のBoccondivinoとは違っています。YouTubeの表題には、「Boccon Divino Bura」と書いてあるので、違う場所のことなのではないでしょうか。
もし私の間違いだったらどうぞお許し下さい。

prezzemolo さんのコメント...

匿名さん
ご指摘、ありがとうございます。
大感謝です。
言われてみれば、BraのBoccondivinoとは全然違いますね。
どうして気がつかなかったのか、大反省しています。
コメントを書いていただかなかったら、ずっと誤った情報でお店にも迷惑をかけたでしょうし、自分も恥をさらすところでした。
改めて、ありがとうございます!

匿名 さんのコメント...

お役に立ててよかったです!
私は「スロー・フード」の考え方に関心を持っており、Bra、そしてこのBoccondivinoまで足を運んだことがあります。ところが最近ショックなことを知りました…。ここで出されるパンナコッタは、実は市販で売られているパンナコッタの粉を使用している…と、ある有名なサイトのコメントに載っていたのです!!!私はこのパンナコッタを現地で食べたことはありますが、作っているところは勿論見た訳でないので本当かどうかは分かりませんが。イタリアではこういうスキャンダルなことは大きくとり上げられるのですか?

prezzemolo さんのコメント...

匿名さん
えー、そんな話があるんですか!
Boccondivinoのパンナコッタと言えば、とても評判がよくて、店の名物だとばかり思っていました。
Slow foodが出版しているリチェッタ集にも
、この店のパンナコッタのリチェッタが載っているそうなので、本当にそんなことをしていたら、大ショックです。
もし本当なら、店の知名度から考えても、大きく取り上げられるんじゃないかと思うのですが・・・。

Dolcetta さんのコメント...

Prezzemoloさん、
Boccondivinoのパンナコッタのリチェッタが載っている本の名前を教えてくださ~い。お願いします!!!

prezzemolo さんのコメント...

Dolcettaさん
Slow Foodの『Ricette di osterie di Langa』という本だそうですよ。
ついでですが、その本から抜粋したというリチェッタは、

生クリーム・・1リットル
グラニュー糖・・230g(30gはカラメル用)
板ゼラチン・・3枚
00番の小麦粉・・大さじ1
牛乳・・1カップ

でした。
美味しいパンナコッタ、作ってくださ~い。

匿名 さんのコメント...

Great article and very interesting blog :)

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マリア・ルイジアの小さな街、パルマのバターとグラナの娘、アノリーニ。本物は牛と去勢鶏のブロードでゆでます。

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