イタリア料理ほんやく三昧: オルゾ

2015年5月7日木曜日

オルゾ

さて今日は、11月号を訳していて一番ほお~、と思った食材の解説です。
それは、“orzo/オルゾ(大麦)゙”です。

ノルチャの大麦畑
 ↓
l'estate è gialla come un campo d'orzo


イタリア料理人なら、オルゾは一度は食べたことがあるでしょう。
でも、その栄養価を知っていますか?
私はこの記事を訳していてその素晴らしさを初めて知りました。

そもそも、小麦と大麦は、何が違うの?
日本語だと大きい麦と小さい麦だけど、イタリア語だとorzoとfrumentoまたはgrano、英語だとbarleyとwheatで、大小という区別は特になし。
大麦にもいろいろな種類がありますが、オルゾは皮が簡単にむけるハダカムギという種類です。

パスタやパンは小麦で作りますが、大麦は何に使うのでしょうか。
・・・、
意外と、知らない。

11月号の記事の冒頭(P.42)にもあるように、地中海式食生活のベースは、小麦のパンとパスタというのが一般的なイメージです。
ところが、小麦はもっとも高貴な穀物で、第二次大戦までは、大麦やファッロが、イタリアの農民の主要な炭水化物源でした。
主に、粉にしてパンにしたり、スープやドルチェの具にしたり、炒って挽いてコーヒーのような飲み物にしたり、モルトとしてビールを作ったり、家畜の飼料にしました。

イタリアで、コーヒーの代用品としてオルゾコーヒーを飲んだことのある人もいるでしょう。
あのコーヒーには、カフェインを含まないという特徴もあります。
だから赤ちゃんでも飲めます。
イタリアの家庭料理には、オルゾのズッパという定番料理があります。
でも、オルゾは、グルテンの含有量が少ないため、小麦粉などと混ぜないとパンには適していません。
市場にもオルゾの粉はほとんど出回っていません。
でも、オルゾの粉で作ったドルチェもパスタも存在します。

オルゾは、小麦の台頭で、比較的最近マイナーに降格した穀物ではありますが、その栄養価は、現代人なら高く評価するはず。

何しろ、グリセミック指数がもっとも低いでんぷん質の一つなんだそうです。

グリセミック指数、と言われても、健康な人にはピンとこないですよね。
私も初めて知りました。
ググってみてください。
それでもよくわからない?
私は専門家じゃないので、素人的に簡単に言っちゃうと、どうやら血糖値が上がりにくい食べ物なんだそうですよ。
血糖値が上がると下げるためにインスリンが分泌され、インスリンは余った糖を脂肪に変える。
さらに、お昼ご飯を食べた後に襲ってくるあの眠気。
その原因もインスリン。
脂肪の蓄積を抑えて眠気を軽くしたければ、グリセミック指数が低いものを食べればいいのでした。

ちなみに、このグリセミック指数が高い食べ物は、アイス、インスタントラーメン、菓子パン、小麦粉の麺類、砂糖など。
腹もちがよくて美味しそうなものは全滅ですねー。
ところが、オルゾは穀物なのにこの指数が低いのです。

しかも、オルゾは煮ると大量に水分を吸って膨らみます。
さらに、水溶性食物繊維やミネラル、ビタミンB群も豊富。
オルゾのタンパク質と豆の営養価は補完関係にあるから、豆との相性だって抜群です。

オルゾのズッパ。
 ↓
Zuppa di orzo / Graupensuppe



先日、ファッロの代用品にしようと思って、偶然スーパーで購入したのが大麦でした。
大麦は、色んな種類のものがスーパーで売られているんですね。
簡単に手に入るので、大麦と豆のズッパで、ヘルシーにダイエットしてみるのもいいかも。
次回は、イタリア風の大麦のズッパのリチェッタでも。




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“オルゾ”の記事の日本語訳は「総合解説」2012年11月号に載っています。

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