イタリア料理ほんやく三昧: ピッカータ

2011年11月21日月曜日

ピッカータ

今日はピカタの話。
『ガンベロ・ロッソ』の記事の解説です。

『ガンベロ・ロッソ』のロンバルディア特集で紹介されていた料理の中に、こんな一品がありました。

フリットゥーラ・ピッカータFrittura piccata。

日本風に言えば、“ピカタ”です。

そう言えば、イタリア料理だったんですねえ、ピカタって。
正確には、ロンバルディア州ミラノの伝統料理。


実はピカタは、イタリアより外国でのほうが、イタリア料理としての認知度が高い料理。

ミラノに40年以上住んでいるイタリア人が、「ドイツの結婚披露宴で、メニューにミラノ風ピッカータと書いてあったが、こんな名前の料理は、ミラノで見たことも食べたこともなかった」なんてネットで語っています。

イタリアの場合、ピカタのような肉の薄い切り身の料理は“スカロッピーネ”と呼ぶのが一般的なので、ピッカータもスカロッピーネと呼ばれているケースが多いのかもしれません。

フリットゥーラ・ピッカータの“フリットゥーラ”は、揚げるというより、バターで焼くことを意味しています。


そもそも、イタリアのピッカータは、日本で知られているピカタとは違って卵を使いません。
というか、日本以外ではピカタ(英語ではピカータ)は卵で覆わないほうが一般的。


Scaloppine Piccata
サンフランシスコのイタリア料理店のピッカータ



『Grande enciclopedia illustrata della gastronomia』によると、オリジナルのミラノのピッカータのリチェッタは次のようなもの。

フリットゥーラ・ピッカータのマルサラ風味 Frittura piccata al Marsala

・子牛肉の切り身2人分で350gを軽く叩いて楕円形にし、縁に2~3か所切り込みを入れて縮まないようにする。
・ソテーパンでバター60gを赤くなるまで熱する。
・切り身に薄く小麦粉をつけ、バターで強火で片面1分ずつ焼く。
・塩をし、マルサラ・セッコ大さじ4をかけて片面3分ずつなじませる。
・その間にイタリアンパセリ一握りと潰したにんにくの薄切り1枚をみじん切りにし、肉が焼き上がる2分前に加える。バターが焦げないように揺すりながら片面1分ずつなじませる。
・肉を取り出して温めた皿に盛りつける。
・焼き汁を煮詰めて肉にかけ、白こしょうを散らす。サーブする直前にレモン汁1/2個分をかける。



オリジナルのピッカータはマルサラ入りでが、今では、マルサラを加えない“フリットゥーラ・ピッカータ・アル・リモーネFrittura piccata al limone”のほうが一般的。
その場合はマルサラの代わりにブロードをかけます。


卵で覆われたチキンピカタに慣れていると、ちょっと物足りないくらいシンプルです。
シンプルなだけに、アレンジもしやすい。
世界中に広まる過程で様々なバージョンが考え出されて、現在のインターナショナル料理としてのピカタができ上がったのでしょう。


動画“子牛のピッカータの白ワイン風味





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関連誌;『ガンベロ・ロッソ』2009年5月号
“ロンバルディアの伝統料理”の解説は、「総合解説」'08&'09年5月号に載っています。

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