2011年9月8日木曜日

サルデ・ア・ベッカフィーコ、リチェッタ編

シチリアのもどき料理の話の続きです。

同じ島の中でも、西のパレルモと東のカターニアでは少し違う料理、サルデ・ア・ベッカフィーコ。

パレルモ風


カターニア風


それぞれのタイプの動画は前回のブログでどうぞ。


この料理、バリエーションがたくさんあるのでリチェッタをあれこれ集めてみました。

まずはおなじみ、『イル・ディアマンテ・デッラ・グランデ・クチーナ・ディ・シチリア』から、伝統的なリチェッタ。

カターニア風サルデ・ア・ベッカフィーコ(フリット) Sarde a beccafico fritte alla catanese
材料:
 小さすぎないイワシ・・1kg
 パン粉・・100g
 こしょう入りペコリーノ(おろす)・・100g
 にんにくとイタリアンパセリのみじん切り
 溶き卵・・3個分
 衣用溶き卵・・2個分
 小麦粉・・100g
 強いビネガー
 オリーブオイル
 塩、こしょう

・イワシは開いて骨を取り、ビネガーでマリネする。
・パン粉、ペコリーノ、にんにくとイタリアンパセリのみじん切り、溶き卵を混ぜて塩、こしょうで調味する。
・混ぜた材料を少量ずつまとめて平らにし、イワシ2枚ではさむ。
・溶き卵、小麦粉の順でつけてオリーブオイルで揚げる。
・熱いうちに、または冷めてからサーブする。



メッシーナ風サルデ・ア・ベッカフィーコ(トマトソース煮) Sarde a beccafico al sugo

・カターニア風と同様に下ごしらえして揚げる。
・玉ねぎの薄切り、イタリアンパセリ、ホールトマトをオリーブオイルで炒めて塩、こしょうで調味する。
・ここに揚げたイワシを入れ、水を加えてひたひたに覆う。
・蓋をして煮る。
・イワシを取り出してセコンド・ピアットにし、煮汁はスパゲッティのソースにする。




パレルモ風は、トラットリーアのリチェッタをどうぞ。

リチェッテ・ディ・オステリーア・ディ・イタリア”シリーズの『ペッシェ』から。

パレルモ近郊のトラットリーア・ドン・チッチョ(webページ)のリチェッタ。


サルデ・ア・ベッカフィーコ Sarde a beccafico
材料:6人分
 中型のイワシ・・1.2kg
 玉ねぎ・・大2個
 ローリエ
 サルタナレケーズン・・100g
 松の実・・50g
 パン粉・・100g
 レモン・・2個
 カチョカヴァッロ・・200g
 オリーブオイル
 砂糖
 塩、こしょう

・玉ねぎ1個はみじん切りにし、レーズン、松の実、おろしたカチョカヴァッロと混ぜてオリーブオイル、塩、こしょうで調味する。
・ここにパン粉を加え、均質の詰め物にする。
・イワシは掃除して開く。
・イワシに詰め物を少量ずつのせて巻く。
・ローリエと玉ねぎの薄切りを1枚ずつはさみながらイワシをオーブン皿に詰める。
・オリーブオイル、レモン汁、砂糖をホイップしてイワシにかける。
・200度のオーブンで10~15分焼く。




最後はパレルモ風の現代版家庭料理。

“Gli illustrati”シリーズ『ラ・クチーナ・シチリアーナ』から。


サルデ・ア・ベッカフィーコ Sarde a beccafico
材料:4人分
 中型のイワシ・・500g
 パン粉・・約100g
 松の実・・大さじ2
 パッソリーナ(小粒で黒いシチリアの料理用レーズン)・・大さじ2
 にくにく・・1かけ
 レモン汁
 EVオリーブオイル
 塩、こしょう
 ローリエ

・イワシは開く。
・パン粉を焼き色がつくまで炒めてボールに移し、オリーブオイル(少しずつ)、にんにくのみじん切り、松の実、ぬるま湯で戻したレーズンを加える。
・イワシは皮目を下にし、詰め物を少量のせて巻く。
・オーブン皿に油を塗る。間にローリエをはさみながらイワシを詰める。焼いている間に開かないようにきつく詰める。
・レモン汁を搾って塩、こしょう、オリーブオイルを加える。これをイワシにかける。
・高温すぎないオーブンで10~15分焼く。冷めても美味しい。







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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2008年3月号
サルデ・ア・ベッカフィーコを含む“パレルモ”の記事の解説は、「総合解説」'08&'09年3月号に載っています。

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