同じ島の中でも、西のパレルモと東のカターニアでは少し違う料理、サルデ・ア・ベッカフィーコ。
パレルモ風
カターニア風
それぞれのタイプの動画は前回のブログでどうぞ。
この料理、バリエーションがたくさんあるのでリチェッタをあれこれ集めてみました。
まずはおなじみ、『イル・ディアマンテ・デッラ・グランデ・クチーナ・ディ・シチリア』から、伝統的なリチェッタ。
カターニア風サルデ・ア・ベッカフィーコ(フリット) Sarde a beccafico fritte alla catanese |
材料: 小さすぎないイワシ・・1kg パン粉・・100g こしょう入りペコリーノ(おろす)・・100g にんにくとイタリアンパセリのみじん切り 溶き卵・・3個分 衣用溶き卵・・2個分 小麦粉・・100g 強いビネガー オリーブオイル 塩、こしょう |
・イワシは開いて骨を取り、ビネガーでマリネする。 ・パン粉、ペコリーノ、にんにくとイタリアンパセリのみじん切り、溶き卵を混ぜて塩、こしょうで調味する。 ・混ぜた材料を少量ずつまとめて平らにし、イワシ2枚ではさむ。 ・溶き卵、小麦粉の順でつけてオリーブオイルで揚げる。 ・熱いうちに、または冷めてからサーブする。 |
メッシーナ風サルデ・ア・ベッカフィーコ(トマトソース煮) Sarde a beccafico al sugo |
・カターニア風と同様に下ごしらえして揚げる。 ・玉ねぎの薄切り、イタリアンパセリ、ホールトマトをオリーブオイルで炒めて塩、こしょうで調味する。 ・ここに揚げたイワシを入れ、水を加えてひたひたに覆う。 ・蓋をして煮る。 ・イワシを取り出してセコンド・ピアットにし、煮汁はスパゲッティのソースにする。 |
パレルモ風は、トラットリーアのリチェッタをどうぞ。
“リチェッテ・ディ・オステリーア・ディ・イタリア”シリーズの『ペッシェ』から。
パレルモ近郊のトラットリーア・ドン・チッチョ(webページ)のリチェッタ。
サルデ・ア・ベッカフィーコ Sarde a beccafico |
材料:6人分 中型のイワシ・・1.2kg 玉ねぎ・・大2個 ローリエ サルタナレケーズン・・100g 松の実・・50g パン粉・・100g レモン・・2個 カチョカヴァッロ・・200g オリーブオイル 砂糖 塩、こしょう |
・玉ねぎ1個はみじん切りにし、レーズン、松の実、おろしたカチョカヴァッロと混ぜてオリーブオイル、塩、こしょうで調味する。 ・ここにパン粉を加え、均質の詰め物にする。 ・イワシは掃除して開く。 ・イワシに詰め物を少量ずつのせて巻く。 ・ローリエと玉ねぎの薄切りを1枚ずつはさみながらイワシをオーブン皿に詰める。 ・オリーブオイル、レモン汁、砂糖をホイップしてイワシにかける。 ・200度のオーブンで10~15分焼く。 |
最後はパレルモ風の現代版家庭料理。
“Gli illustrati”シリーズ『ラ・クチーナ・シチリアーナ』から。
サルデ・ア・ベッカフィーコ Sarde a beccafico |
材料:4人分 中型のイワシ・・500g パン粉・・約100g 松の実・・大さじ2 パッソリーナ(小粒で黒いシチリアの料理用レーズン)・・大さじ2 にくにく・・1かけ レモン汁 EVオリーブオイル 塩、こしょう ローリエ |
・イワシは開く。 ・パン粉を焼き色がつくまで炒めてボールに移し、オリーブオイル(少しずつ)、にんにくのみじん切り、松の実、ぬるま湯で戻したレーズンを加える。 ・イワシは皮目を下にし、詰め物を少量のせて巻く。 ・オーブン皿に油を塗る。間にローリエをはさみながらイワシを詰める。焼いている間に開かないようにきつく詰める。 ・レモン汁を搾って塩、こしょう、オリーブオイルを加える。これをイワシにかける。 ・高温すぎないオーブンで10~15分焼く。冷めても美味しい。 |
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2008年3月号
サルデ・ア・ベッカフィーコを含む“パレルモ”の記事の解説は、「総合解説」'08&'09年3月号に載っています。
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