マトウダイは地中海全域で獲れる魚。
イタリアでは、デリケートな味の上質の白身魚として好まれています。
でも、その外見に対する評価は、美しいものをこよなく愛する国民性からか、かなり辛口。
『ヴィエ・デル・グスト』でも、「グロテスク」、「笑える」、「体の1/3は巨大な頭」、「口角が下がった口は間抜けに見える」と容赦なし。
背びれの派手な棘が鶏のとさかのようにも見えるので、ペッシェ・ガッロpesce gallo(ガッロは雄鶏)と呼ぶ地方もあります。
↓これはむしろ怖い。
イタリアのマトウダイ料理は、基本的にはシタビラメやカレイと同じ調理の仕方。
ムニエルはイタリアでも一般的ですが、これはやはりフランスが元祖。
それでは、イタリア料理だとどういうものがあるのでしょうか。
まずは、スローフード出版の“リチェッテ・ディ・オステリーエ・ディ・イタリア”シリーズ、『ペッシェ』からいくつかどうぞ。
マトウダイのマルサラ煮 Filetti di pesce gallo al Marsala
(トラーパニ/シチリア)
材料:2人分 マトウダイ・・1尾(約1㎏) 小麦粉 マトウダイの粗で取ったフメット・・2カップ マルサラ・セッコ・・リキュールグラスで1杯 EVオリーブオイル、塩 |
・魚を切り身にし、厚みを開く(切り離さない)。 ・洗って水けをふき取り、薄く小麦粉をつけて油で両面を焼く。 ・マルサラとフメットをかけて塩をし、弱火で水分が半分になるまで煮る。 |
マトウダイのカルリーナ風 San Pietro alla Carlina
(オリジナルはハリーズバーの創始者ジュゼッペ・チプリアーニの娘、カルラ・チプリアーニが考案した料理/ヴェネチア)
こんな料理
材料:4人分 マトウダイ・・1尾(約2㎏) ソース用トマト・・4個 塩漬けケッパー・・60g 小麦粉 バター・・120g 塩 |
・魚を切り身にして骨を取る。 ・薄く小麦粉をつけ、バター50gで3~4分焼いて塩をする。 ・ケッパーをは塩抜きして刻んでおく。 ・トマトは皮をむいて刻む。 ・オーブン皿に薄くバターを塗り、焼いた切り身を並べる。ケッパーとトマト、小片にした残りのバターを散らし、240度のオーブンで4~5分焼く。 |
マトウダイとじゃがいもの煮込み San Pietro in umido con patate
(テーラモ/アブルッツォ)
材料:4人分 マトウダイ・・1尾(1.2㎏) じゃがいも・・600g ミニトマト・・10個 にんにく・・1かけ プレッツェーモロ EVオリーブオイル、塩 |
・魚は頭をつけたまま掃除する。 ・鍋に油を引いて魚を入れる。その上に薄すぎない輪切りにしたじゃがいもをのせる。 ・塩をしてプレッツェーモロのみじん切りを散らし、油を回しかける。 ・魚がかぶる程度に水を加え、蓋をして強火で20分煮る。時々鍋をゆすって焦げ付かないようにする。 ※プーリアではマトウダイとじゃがいもに白ワインをかけてオーブンで焼く。 |
忘れたのかも。
最後はwebから。
マトウダイの卵のスパゲッティ Spaghetti con uova di Pesce San Pietro(シチリア)
webページはこちら。
材料:4人分 スパゲッティ・・350g マトウダイの卵・・100g プレッツェーモロのみじん切り・・小さじ1 にんにく・・1かけ 赤唐辛子・・1本 EVオリーブオイル、塩 |
・パスタをアルデンテにゆでる。 ・にんにくのみじん切りと赤唐辛子を油で軽くソッフリットにする。 ・ソッフリットに小さく切った魚卵、プレッツェーモロのみじん切り、塩少々を加えて数分炒め、ゆで上がったパスタを加えて強火でなじませる。必要ならゆで汁を加える。 ※小エビと殻を取ったアサリを加えてもよい。 |
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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2009年1月号
“マトウダイ”の記事は、「総合解説」'08&'09年1月号に載っています。
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