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2025年11月5日水曜日

カッサータ、アラブとシチリアの食材が出会って生まれたバロックなドルチェ。

シチリアのドルチェ編、今日のお題はカッサータ。カンノーリと人気を二分するシチリアの代表的ドルチェ。復活祭のスペチャリタ。元々はフレッシュチーズを使ったズッコットの一種でしたが、次第にリコッタが使われるようになりました。
リコッタは春を象徴する食材で、復活祭のドルチェにはよく使われます。
カッサータは派手でカラフルで美味しいドルチェ。アラブや中東のドルチェにありがちな、超甘ーいドルチェ。
リキュールを染み込ませたスポンジ生地、緑に着色されたマジパン、またはピスタチオペースト、チョコチップ、バニラ、シナモン、ピスタチオ入りリコッタの詰め物、表面を覆うアイシング、そして幾何学模様に並ぶカラフルなフルーツのシロップ漬け・・・。

カッサータ。

その昔、パレルモのカリフの宮廷では、シチリアで初めての柑橘類の果樹園が造られ、その実や汁を料理に使っていました。料理やドルチェにはサトウキビ糖が多用されました。さらに遠方から運ばれてきた香辛料、シチリア産のいちじくやアーモンド、ピスタチオ、たっぷりの果物という多国籍な材料と、アラブの職人の技から生まれたドルチェ、カッサータ。
やがてノルマン人がシチリアを征服すると、アラブ人は去ります。カンノーリには、こんな話が伝わっています。アラブ人が去った後、ハーレムの女性たちの一部は修道院で余生を過ごす道を選びます。その女性たちによって、ハーレムのドルチェが修道女に伝わり、そして広まっていったという説です。もちろん、ちょっとロマンチックすぎるこの説にはあまり信憑性はありません。

上の動画にはカッサータの材料の記載があります。カンノーリ同様、このドルチェも詰め物はリコッタクリーム。アラブ由来の素材が並ぶ中に、燦然と輝くどこから見てもシチリアの食材、リコッタ。さらにバロックのドルチェと言われるその美しい見た目。アラブの影響を受けながら、シチリアの影響も強力。

パスタ・レア―レ。

カッサータを覆うパスタ・レア―レはノルマンの時代に創り出されたシチリアのアーモンドの生地。

修道院のアーモンドのドルチェと言えば、フルッティ・ディ・マルトラーナ。万聖節、公現際、復活祭などキリスト教の祝日の定番ドルチェ。

パレルモのマルトラーナ教会の前でフルッタ・マルトラーナの説明をするユーチューバー。




シチリアのアーモンドのドルチェと言えば、ビアンコマンジャーレ。次回はこのドルチェの話。

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スッド・グランデ・クチーナ(南伊・山・海)』
【地方料理、シリーズ】
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さらに、イタリアの情報はとても詳細。観光の役に立ちます。
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2024年9月7日土曜日

節約してもっと美味しいものを食べる時代の新しいクイント・クアルト

今日のお題は(CIR2022年5月号)の記事“新しいクイント・クアルト”から、

フィレンツェの内臓料理のマエストロこと、チブレオのオーナー、ファビオ・ピッキ。

ローマのテスタッチョの食肉処理場で生まれた内臓料理の中で、その象徴とされたのがパヤータ。(小腸)

ピエモンテ料理のフィナンツィエーラ。

下の動画のタイトルはパレルモで一番有名なパニー二。“パーネ・カ・メウザ”。具は脾臓です。

内臓は、昔から、どこでも貧しい庶民の料理の、トラットリア料理の代表でした。

記事には、rigaglieとfrattaglieの違いについての説明がありました。訳す時は、どちらも内臓、と訳していましたが、イタリア人にとっては違いがあったのです。rigaglie は鳥類の内臓で、frattaglieはその他の動物の内臓なんだそうです。
ローマ皇帝ヘリオガバルスの宴会には、彼の好物が登場しましたが、それらは、クジャクの舌、鶏のとさか、ダチョウの脳みそと言ったregaglieたちでした。

鶏の内臓のフェットゥッチーネ。

70年代になると、内臓料理よりフィレット、スカロッピーナ、ビステッカの時代が訪れます。それに伴って、時間と経験と新鮮さと下ごしらえが必要な内臓料理は家庭から消えていきました。
やがて、家族みんなで集まって暮らすライフスタイルが一般的になり、アイランドキッチンが広まり、何も無駄にしないことが美徳とされる時代になります。
そして現代の暮らしのキャッチフレーズは、“paghi meno e mangi meglio”支出を減らしてもっと美味しいものを食べる、です。

現代では、内臓料理も大きく変わっています。ただ、内臓が美食家に注目される食べ物であることは変わらないようです。

最初の内臓は子牛の腎臓、rognone di vitello。

子牛の腎臓のトリフォラート

茶色いイメージの内臓料理に添えるのは、鮮やかな黄色のサフランライスです。
その結果、今月の料理の中でも、特に美しい1品になりました。

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2023年9月14日木曜日

ワインの話をしようと思ったら、魅力的な幾多の街に完全にはまりました。

(CIR7月号)から、今日のお題は今月のワイン。
今月は、『シチリア西部のワイン』です(CIR/P.36)。

パレルモ、アグリジェント、トラパニの3つのプロビンチャが含まれる地方。観光地としてもとても魅力的な地方ですが、地形はパレルモ周辺の山地がアグリジェントの農村部やトラパニの塩田に向かって下っていく地方。その特徴は多様性。

トラーパニとシチリア西部。

マザーラ・デル・ヴァッロとして知られる地方は、シチリア西部のギリシャ、アラブ、ノルマン文明の影響を受けたすごくエキゾチックな地方。

マザーラ・デル・ヴァッロ。

この地方の都市、トラパニは、シチリアの他の地方とは違い、チュ二ジアなど北アフリカの雰囲気が強く感じられる地方。
トラパニ。

パレルモはシチリアのもっともエネルギーに溢れた街。

ギリシャの遺跡で知られるアグリジェント。

トラーパニの塩田。

シチリア西部のほんの一部を見ただけでも、改めてシチリアの多様性と魅力を強く感じました。どの街に行ってみたいですか。ワインの話は次回ですねー。

シチリアワインの話といえば、プラネタの本。『シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ』シチリア各地にぶどう畑を所有して、世界中から来る顧客に自社のホテルで洗練された料理を提供するシチリアのカンティーナのリーダー、プラネタ。


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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
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2023年8月18日金曜日

シチリアのごま付きパン、マファルデは、マルゲリータの娘で悲劇の運命に翻弄されたマファルダに捧げられたパン。

今日の料理はイタリア風バーガーです。
記事の日本語訳は(CIR6月号)P.20~。
考えてみれば、パニーニの伝統のあるイタリアには、バーガーにぴったりの食材があふれていました。

最初は、まずごま付きバーガーバンズ。
ごま付きパンと言えばシチリアの名物。
始めてシチリアに行った時は、ごま付きパンがシチリアの名物だとは知らなかったのですが、初めてシチリアで食べて以来、大ファンになり、忘れられない味になりました。
そして帰国後、そのパンがマファルデという名前で、シチリアを代表するパンということを知りました。
ごま付きということは、当然ながらアラブの影響をたっぷり受けている、歴史のあるパン、ということです。シチリアは200年に渡ってアラブの支配を受けました。
アラブからは、ごま以外にも米、メロン、なす、柑橘フルーツ、アーモンドなどがシチリアの港、パレルモなどを通して伝わりました。

マファルデmafaldeは、ごま付きで白くて締まったクラムの、とぐろを巻いた蛇のような形のパン。

シチリアでは小麦の栽培も盛んで、パスタを始めとする各種の小麦製品が造られています。
パレルモ近くのノルマン様式の大聖堂で知られる町、モンレアーレMonreaにも、ごま付きパンで知られるパーネ・ディ・モンレアーレがあります。
パーネ・ディ・モンレアーレの出身者がニューヨークでパン屋を開いて成功し、パーネ・ディ・モンレアーレがニューヨークに広まる、という現象も起きました。

モンレアーレの大聖堂。パレルモからバスでも行けるので、頑張ってちょっと遠出するとこの素晴らしいドゥオモを見れます。

マファルデは、カターニアのパン屋がイタリア王ヴィットリオ・エマヌエーレ3世の娘、マファルダ・ディ・サヴォイアに捧げることを思いついてシチリアの外でも広まりました。ちなみにマファルダの母親はピッツァで知られるマルゲリータ。

マファルダ・ディ・サヴォイアの悲劇の運命。


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2022年8月18日木曜日

シチリアのアランチーニやパンの惣菜はミニ化が止まらない。


今日のお題はモダンなアランチーニ。

(CIR)10月号P.3のリチェッタです。
まずはエリチェ(トラパニ)の惣菜店の伝統的なアランチーニ。
形は丸いオレンジ型と先端がとがったしずく型があり、昨今は揚げ油の量が多くなるしずく型は減っているよう。具はラグーかモッツァレラとグリーンピース、ハムなどのミックス。

(CIR)のリチェッタは、ずばり、ミニ・アランチーニ。リチェッタではあんず大、と説明していました。ミニサイズにするだけで、ぐっと今時。

下の動画はオリーブとチーズのミニアランチーニ。
具を詰めるのではなく、リゾットに混ぜ込む、というだけで、大きさからは解放されて、一口大になります。ちなみに、(CIR)のリチェッタはエビとさやいんげん。



パレルモのロスティッチェリアのリチェッタ。シチリアのパン系惣菜店、ロスティッチェリアは、ロレッタrolletta、ピッツェッテpizzette、カルツォンチー二calzoncini、クロスティーニcrostiniなど、ミニサイズの惣菜の宝庫。
生地は1個30gで、ミニオンと呼ばれるサイズ。

材料/30gのミニオン60個分
マニトバ粉・・1㎏
水・・580ml
砂糖・・100g
ラード・・100g
生イースト・・50g、ドライイーストは14g
塩・・20g

アランチーニに話を戻すと、ミニサイズにして具はシーフードなど軽くするのがモダンなアランチーニ。

ロブスターのアランチー二。


アランチーニがリゾットボールだとすると、具はもっと自由に。例えばイカ墨のアランチーニ。

おまけの動画は、イカの卵。
小学生がイカの卵を見つけた、というニュースで思い出したのが、シチリアのピーノ・クッタイアシェフです。彼の店は、“イカの卵uovo di seppia”という名前です。何のことかと思って動画を探たのですが、当時はイカの卵の動画は見つかりませんでした。店のマークがイカの卵だったということも、今ならわかるけど、当時は、クッタイアシェフって何者!?と思ったものです。ちなみにイカの卵は今ではすっかり彼のトレードマークになりました。

ピーノ・クッタイアシェフ。



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2022年7月30日土曜日

シチリアのジェラートをはじめとする冷たいドルチェはガラパゴス化が著しい。

いまさらだけど、ジェラートの季節。
ジェラートはシチリアが生んだ奇跡のデザート。
ジェラート、ソルベット、グラニータ、セミフレッド、ジェーロetc.
シチリアのジェラートはアラブの文化から伝わったもの。
これだけ冷たいデザートのバリエーションが豊富、ということは、それだけ暑い、という証明。

シチリア名物の3段ジェラート、ジェラート・ディ・カンパーニャgelato di campagna。

シチリアのジェラートと言えば、お団子付きブリオッシュbrioche。
下の動画はパレルモのお勧めジェラテリーアの食べ歩き。


ブリオッシュにこれでもか、とジェラートをはさんで、ホイップクリームをドバドバと絞り出し、ナッツを散らしてコーンを3本も刺してチョコレートソースを垂らしたジェラートをどうぞ、と渡されてみたい。
1位に選ばれた店、パレルモのニュー・パラダイス。webページはこちら




シチリアの食文化はガラパゴス化してる

イタリアの中でも評価が高いジェラートを出す、ノートのカフェ・シチリアCaffe Sicilia。
オリジナルのフレーバーを自在に作り出している。店主の地元のあらゆる食材を使いこなす、という決意がすごい。


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2022年2月20日日曜日

ナポリのサンタ・ルチアとパレルモのヴァラッロのゆでタコ。

きょうの料理は“タコのラグーのキタッラPasta alla chitarra e ragù di polpoです”。
イタリア料理でタコといえば、ルチャ−ナつまりルチア風、ルチアとはサンタ・ルチアのこと、タコ漁師が多く住んでいたというナポリの港の1地区です。つまりナポリです。

タコのアッラ・ルチアーナPolpo alla luciana。

ナポリの伝統的なタコのゆで方は、コルクを1個入れてゆでること。こうするとタコが柔らかくなる、という都市伝説が広まっていたけど、今ではコルクを入れることに意味はない、という説がすっかり広まって、珍しい光景に・・・。上の動画では、大鍋にタコを入れてゆでる時にコルクに縛り付けて鍋に入れ、ゆであがったらコルクごと引き上げるため、という説。結局、タコを柔らかくゆでたかったら肉叩きで叩く、だって。

ナポリの伝統のもう一つ見ていて面白いところは、タコの足を湯に3回浸してカールさせてから鍋に入れる、という話。下の動画はシチリアのパレルモ風だそうです。
そういえば、シチリアにはタコのストリートフードの伝統があったのでした。

パレルモのヴァラッロ市場のゆでタコ。




シチリア料理のミニシリーズ、ブランカートの『ペッシェ・アッラ・シチリアーナ

に、シチリア風ゆでタコのリチェッタがありました。
Purpu a strascinasale

材料:4人分
タコ・・約500gが2杯
EVオリーブオイル
レモン汁
塩、こしょう

・たっぷりの熱湯を沸騰させて塩を加える。タコの足を熱湯に浸す。これを3回繰り返して最後に全部鍋に入れ、15分ゆでる。
・ゆで汁に漬けたまま冷まし、皿に取り出す。
・足を切り取り、頭は開いて内蔵を取り、粗熱を取ってサーブする。好みで油、レモン汁、こしょうを乳化させてかけてもよい。

若い時、初めてパレルモの市場に行った時はちょー怖かったなー。

2021年8月20日金曜日

なすのベッカフィーコはシチリアの名物料理、イワシのベッカフィーコによく似たなす料理。カピーシ?

シチリア人が大好きなシチリア料理、カポナータとパルミジャーナ。
どちらもなす料理というわけで、同じ地中海のナス料理を見てみました。
有名なのは、ギリシャのムサカあたり。
トルコ、レバノンと見てきて、カポナータのある特徴に気が付きました。
カポナータは肉が入らない、ベジタリアン料理なのです。
さらに、ビネガーと砂糖で甘酸っぱい味付けにしているのもカポナータだけ。
カポナータは、地中海料理の中でもかなりシチリア色が濃い、特殊な料理なのでした。
ちなみに甘酸っぱい味付けを伝えたのはアラブ人。
かなりバリエーションが豊富な料理で、家庭料理から高級レストランのシェフの洗練された1品まで、どんな料理にも姿を変えます。
パレルモ風カポナータ↓

今日は、イタリアの注目の新世代シェフ、ダビデ・オルダーニシェフのモダンイタリア地方料理書の力作、『メイド・イン・イタリー

のリチェッタをどうぞ。
カポナータcaponata

材料/4人分
ケッパー・・大さじ1
なす・・4本
セロリ・・1本、塩
《ソース》
房付きトマト・・500g
種抜きグリーンオリーブ・・100g
砂糖・・大さじ4
EVオリーブオイル・・大さじ3
ビネガー・・大さじ4

・なすを小角切りにしてザルに入れ、塩をして30分アクを出す。ケッパーを流水にさらして塩抜きする。セロリを小さく切る。
・鍋に油を熱してなすを炒める。オリーブ、ケッパー、セロリを加えて10分炒める。薄く切ったトマトを加えて1時間煮る。仕上げに砂糖とビネガーを加える。
・よく混ぜて粗熱を取り、すぐにサーブする。またはガラスの密閉容器に入れ、煮沸殺菌して保存する。

さて、シチリアには、まだ興味深いなす料理がありますよ。
その一つが、“ベッカフィーコ”です。
なかなかインパクトのある“ベッカフィーコ”という名前。
シチリア料理を学ぶと必ず出会う有名なシチリア料理でもあります。
元祖は、“イワシのベッカフィーコという魚料理です。
なすのベッカフィーコMelanzane a beccafico↓

材料
なす・・2本
玉ねぎ
レーズン、松の実
イタリアンパセリ、ミント
パン粉、ほぐしたパン、パルミジャーノ

・なすを輪切りにして塩ゆでする。
・崩れない程度に柔らかくなったら取り出す。
・玉ねぎを油でソッフリットにし、レーズンと松の実、パン粉とほぐしたパン、イタリアンパセリ、ミント(好みで)、おろしたパルミジャーノを加える(詰め物)。
・オーブン皿にシートを敷く。なすの輪切りに詰め物を少量のせてインボルティーニにし、玉ねぎ1枚を間に挟んでオーブン皿に並べる。パン粉と詰め物を散らして油をかけ、180℃のオーブンで20分焼く。


イワシのベッカフィーコに似ているというのでこう呼ばれていましたが、正確には、イワシのベッカフィーコという料理はベッカフィーコという鳥の料理に似ているので、こう呼ばれてました。
整理すると、なすのベッカフィーコはイワシのベッカフィーコによく似た野鳥料理によく似たなすの料理です。
カポナータがapponeという魚の貴族料理で、庶民は高価な魚の代わりになすで代用した、という由来がありましたが、この料理も同じような経緯があります。
そもそも、ベッカフィーコは学名Sylviidaeというスズメ目の鳥の一種、ダルマエナガ科の鳥で、ウグイスやメジロなどの一種だそうで、日本でも梅の季節にはおなじみの可愛い鳥かも。
かつてのシチリアでは貴族の猟の獲物でした。

ベッカフィーコ↓

イワシのベッカフィーコ↓

なすのベッカフィーコは薄くスライスしたなすのインボルティーニ。地中海のなすの詰め物料理は中身をくり抜いて、そこに具を詰めることが多いのだけど、薄切りなすに具を挟むというのは意外と珍しい。
ここにもシチリア人の独創性が現れている。

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2021年4月7日水曜日

パンケーキより初心者向け、リコッタケーキ。

そろそろリコッタのリチェッタの話に入ります。
まずはやっぱりカンノーリ、カッサータといったリコッタクリームを詰めたシチリアのドルチェ。
『ラ・クチーナ・シチリアーナ』にももちろん、カンノーリとカッサータがありますが、他に、クチアやミンネ・ディ・サンタガタというドルチェも紹介されています。
クチアcuccìaは小麦の粒入りリコッタクリーム。

ミンネ・ディ・サンタガタMinne di Sant'Agataは

はリコッタクリームをパスタ・フロッラで包んでアイシングで覆ったミニカッサータ。

イタリアの姑が嫁に料理を教えるような本、『マンマミーア』では、

稚すぎてクリームのケーキだと顔中ベトベトにする子供の誕生日ケーキに作るようにと教えていたリコッタケーキ。
リコッタのパンケーキが広まる前からリコッタはケーキに使っていました。
リコッタケーキtorta di ricotta

・卵4個約210gとブラウンシュガー200gをホイップする。
・オレンジ1個の皮のすりおろしで香りをつける。
・水気を切った山羊のリコッタ800g、コーンスターチ45g、チョコチップ200gを加える。
・型に流し入れて平らにし、170℃のオーブンで80分焼く。
歯ごたえはチーズケーキのようなケーキ。

クチアの説明には、まずサンタ・ルチアの説明が必要。
サンタ・ルチアといえばナポリの港街として有名ですが、聖ルチアはナポリの船乗りの守護聖人だけでなく、シラクーザの守護聖人や光や目の聖人としても知られています。
聖人は殉教した人がなるので、ルチアも喉を刺され、両目をえぐられるという悲惨な死に方をしています。以後、光や目の聖人として崇められてきました。
キリスト教では12月13日がサンタ・ルチアの日です。
1964年に起きた飢饉の時、小麦を満載した船がパレルモ(シラクーザという説も)に到着してパレルモ市民は飢えから開放されたのだそうです。
この奇跡を記念して、パレルモでは、この日はパンやパスタなど小麦製品を食べてはいけない日とされています。
そのため米でできたアランチーニと小麦入りのリコッタのクチアを食べるようになりました。
ベネチアに保管されているサンタ・ルチアの遺骸がシラクーサに里帰りした時は、この歓迎ぶり。

ドルチェのことを調べていたのですが、いつの間にか聖人の話になってしまいました。
明日に続きます。

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La cucina siciliana

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2021年3月2日火曜日

シチリアの惣菜店の人気料理、ピッツェッテはシチリア人のソールフード。

ミッソーニ家の料理は、とてもオシャレでした。
オレンジのサラダの次は、ノンナ・ロジータ
のピッツェッテ。
リチェッタは今月の「総合解説」P.20にあります。

ノンナ・ロジータはミッソーニ家のゴッドマザー。
このピッツェッテも鮮やかなミッソーニカラー。
パニーノで作る超簡単な南イタリアの軽食のメインで、
付け合わせは、アサリのズッパ。
前菜はオレンジのサラダ、デザートはチョコレートプディングと洋梨とチョコレートのケーキ。
これ以上無いくらいおしゃれなバカンスの軽食。
地中海のビーチが目に浮かびます。

Pezzette rosseピッツェッテ


材料/
小麦粉・・500g
生イースト・・10g
水・・250ml
砂糖・・12g
塩・・15g
EVオリーブオイル・・60g
トマトのパッサータ・・350g
モッツァレラの小角切り・・250g

・ボールに小麦粉、イースト、水を入れて混ぜ、砂糖、塩、油を加える。台に移してこね、なめらかな生地になったら油を塗ったボールに入れ、ラップで覆って3時間発酵させる。
・軽く打ち粉をした台にあけて麺棒で厚さ4mmに伸ばし、丸い型で抜く。残った生地は再びこねて10分発酵させ、伸ばして丸く抜く。油を塗った天板に並べる。
・トマトのパッサータに塩、こしょう、オレガノ、油を加える。
・生地の中央をくぼませてトマトのパッサータを入れる。モッツァレラの小角切りをのせて油をかけ、オレガノを散らす。200℃のオーブンで15分焼き、熱々をーサーブする。

ピッツェッテはシチリアの惣菜屋の人気メニュー。
ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズの“ルスティケリーア”には、ロスティッチェリーアの料理が載っています。
パレルモ風ピッツェッテというのが一般的なようですが、本の中に珍しく、カターニア風ピッツェッテのリチェッタがあったので訳してみます。

ピツェッティ・カタネージPizzette catanesi

材料/4人分
00番の小麦粉・・500g
生イースト・・25g
ラード・・40g
砂糖
玉ねぎ・・1個
バジリコ・・1房
トゥーマ・・300g
塩漬けアンチョビ・・3尾
EVオリーブオイル
オレガノ
塩、こしょう

・イーストをぬるま湯200mlと砂糖一つまみで溶く。
・振るった小麦粉、ラード、塩一つまみを混ぜて溶いたイーストとぬるま湯少々を加え、こねて弾力のあるなめらかな生地にする。打粉をしたボールに入れて十文字のクープを入れ、布巾で覆って1.5時間発酵させる。
・その間に玉ねぎをみじん切りにして油大さじ3でソッフリットにし、フォークで潰したトマト、ちぎったバジリコ、塩、こしょう、を加えて弱火で20分煮てトマトソースにする。
・生地を数分こねて厚さ5mmに伸ばし、直径10cmのピッツェッテ型に抜く。油を塗って天板に並べる。
・生地の上にトマトソース大さじ1、チーズの小角切り数個、塩抜きして骨を取ったアンチョビ1片、オレガノをのせて油をかけ、220℃のオーブンで15分焼く。
※ハムの小角切り、黒オリーブ、グリーンピース、フンギ・トリフォラーティ、ピーマン、ゆで卵の輪切り、サラミをのせてもよい。

シチリアのロスティッチェリアのピッツェッタ。
シチリアのロスティチェリアの歴史を手振り身振りで喉をガラガラにして熱く教えてくれます↓。
シチリア人はピッッァの話を始めると止まらなくなるようです。
ナポリのピッツァとは別の歴史があり、地域とも固く結びついています。

トゥーマはシチリアの羊乳のリコッタタイプのフレッシュチーズ。




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2021年1月15日金曜日

パレルモの市場の裏にはビストロ・レトロ・ボッテガと呼ばれる人気の旨い店がある。

パレルモのレストランの話、ちょっと続きます。

詳細は今月の「総合解説」P.55
気合が入ってる店、フド・ボッテガ・シクーラ。
webページはこちら
上質の料理のファスト・フードの店。

パレルモのストリートフードとメルカートは、この街の2大グルメ。

古いアラブ人街にあるカーポ市場、ユダヤ人街に近く、パニーノの具にする脾臓などの内臓も売っている肉屋が有名なカーポ市場など、歴史的市場の屋台の裏には、ビストロ・レトロ・ボッテガと呼ばれる市民に人気の美味しい店が必ずある。
残念ながら動画は見つからなかったけど、たとえば、その一つ、ヴッチリアのオステリア・ダダリア。
店のwebページはこちら

ストリートフードの本のお薦めは『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ



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ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ
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2021年1月14日木曜日

パレルモのバロックな交差点、クアトロ・カンティはシチリアのトレンドの発信地。

パレルモのレストランの話の続き。
今日はドルガバ行きつけの店。
ドルガバはシチリア推しのデザイナーだけど、シチリアの人もドルガバ大リスペクト。
パレルモの店の強力なセールスポイント、ドルガバ行きつけの店の1軒、
として紹介されているのは、リストランテ・ブアッタ・クチーナ・ポポラーナ。
webページなど詳細は「総合解説」2019年3/4月号P.55。

ブアッタ・クチーナ・ポポラーナ↓

クイントカント・ホテル・アンド・スパのロカンダ・デル・グスト↓

店かが入っているホテルも素敵で紹介したくなりました。
クアトロ・カンティにあるクイントカント・ホテルだって。

とりあえず、クアトロ・カンティに行ったら芸術的な交差点だけでなく。周囲の店も要チェック。

中でもお薦めはシチリア一と言われているパスティッチェリア・カペッロ。評判のセッテベーリは食べてみたい。

情熱に溢れる若者たちが初めた店、オステリア・バッラロのオープン↓
エノテカでは定番のストリートフード、リストランテでは地元のスローフードの家族経営の小さな造り手の食材を使った料理を出している。

シチリア料理のお手軽なシリーズ、“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズ



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ブランカート・クチーナ・シチリアーナ
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2021年1月13日水曜日

パレルモはドレスアップの方法を知らない美女だって。その心は、見せ方を知らないが、最後には驚かされる。

今月のグルメガイドの最後はパレルモです。
総合解説」2019年3/4月号P.53。

パレルモはドレスアップの方法を知らない美女、という言葉から始まるこの記事。
見せ方を知らないけど、結局最後には驚かされるんだそうです。
さらに、パレルモは10年ほど前からルネサンスが繰り返されてきたそうです。街の中心部では、若い飲食店経営者が新しい料理の流れを生み出しているそうです。

パレルモの中心部に新登場したカンノーリの屋台。

ヴィーニャ・デル・ガッロ↓はパレルモ大学主導のパレルモの植物園でシチリアの土着のぶどう品種を保護して広める計画。


パレルモのクアロ・カンティ↓は有名な観光名所だが、周辺には新しい飲食店もどんどんできている。

近隣の有名店、パスティッチェリーア・コスタはフルッタ・マルトラーナが有名。


シチリア料理のおすすめ本、『シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ
今日はここまで。
次回に続く。


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シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ
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2021年1月4日月曜日

1月6日の王冠型のバロックなドルチェ、ブチャラティ。

新年おめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
2021年、最初の料理は、ブッチェッラート・シチリアーノ

buccellato sicilianoなんてどうでしょう。


クリスマスから1月6日の公現祭の間に食べる、フランスのガレット・デ・ロワのシチリア版。(王冠の形をしてるけどソラマメは入ってません)
シチリアンバロックの精神を表すゴージャスなペストリーで、若い人やアニメ好きには日本語風のブチャラティという呼び方のほうが馴染み深いかも(個人の見解です)。
リチェッタは「総合解説2018年1/2月号や、シチリア感満載の面白い料理書、“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズ 

公現祭は東方の三博士が生まれたばかりのキリストを祝福するために馬小屋を訪れたことを祝う日。
イタリア人にとってはクリスマス休みの終わる日で、クリスマスツリーを片付ける日、日本人にとっては仕事始めの日。そんな憂鬱な日も、子どもたちはベファーナからプレゼントをもらえるテンション上がる日。そのな日をゴージャスに祝うシチリアのドルチェの傑作です。

ベファーナは良い子の靴下にはお菓子を入れて、そうじゃない子の靴下には炭を入れる老婆。


コーヒーカプセルの空き容器で作る東方の三博士。


シチリアドルチェの名店、パレルモのパスティッチェリア・カッペッロ(店のwebページはこちら)の3代目が作るブチャラティ↓

ブッチェッラート・シチリアーノbuccellato siciliano
材料/
《パスタ・フロッラ》
小麦粉・・600g
ラード・・200g
砂糖・・200g
卵・・100g
蜂蜜・・20g
水・・100ml
レモンの皮・・1個分
《詰め物》
ドライイチジク・・500g
マルサラ・・50g
オレンジの皮・・1個分
マンダリー二の皮・・2個分
ピスタチオ・・50g
サルタナレーズン・・50g
ヘーゼルナッツ・・50g
くるみ・・50g
アーモンド・・50g
チョコチップ・・30g
スパイス・・小さじ1
マンダリーノのリキュール・・小さじ2


・パスタ・フロッラを作る。砂糖とラードを混ぜ、卵、蜂蜜、水を加える。
・小麦粉とベーキングパウダーをふるって加え、こねて麺棒で長方形に伸ばす。
・詰め物のドライいちじくとレモンの皮をマルサラで24時間戻す。レーズンはマンダリーノのリキュールに24時間浸す。刻んだイチジクと他の材料を混ぜて生地の中央にのせ、生地で包む。生地の端に溶き卵を塗り、リング型にして端を溶き卵で閉じる。
・生地をピンセットか氷用トングで摘んで網目模様にし、冷蔵庫で3時間冷やす。
・表面に溶き卵を塗り、220℃のオーブンで20~25分焼く。

パレルモのパスティッチェリア・カペッロ


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シチリア・イン・ターヴォラ
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パネットーネの誕生にまつわる話は、トーニのパンとか、ミラノの起業家精神の現れとか、面白い説が色々あるが、ポイントはパン。

前回は、(CIR)12月号の“カンディート”の記事から、カンディートが欠かせないクリスマスのドルチェ、パネットーネの紹介をしましたが、パネットーネはミラノのドルチェ。 パネットーネ その誕生の経緯には、こんな言い伝えがあります。 その一つが、ミラノを統治していたスフォルツァ家の当...