今日のお題はナポリのドルチェで、イタリアを代表するドルチェになるほど広まったもの、ババbabàです(リチェッタはCIR7月号P.11)。
ナポリ人かフランス人でなきゃこの違いは分からない。
でも、アリババのババbabàというのは、外国人にも発音しやすい言葉だったのは確かなようで、マッシュルームの形をしたこのドルチェは世界中で愛されました。
でも考え出したのはナポリ人でもフランス人でもなく、よりによって、ポーランドのグルメな王様、スタ二スラフ・レシチニスキでした。ルイ15世の舅です。作り出された場所はベスビオ山の麓ではなく、北イタリアに分類されるフランスとドイツの国境付近の街、リュネビルでした。
つまり、ナポリから世界中に広まったけど、ピッツァやパスタとは歴史が違う食べ物。
そのルーツはマデラ酒に浸したオーストリアのクグロフ、言い換えればパネットーネとブリオッシュを足して割ったようなもの。
クグロフ↓
フランスやらスラブやら、アリババやら、入り乱れてますが、ナポリの要素は、・・・ない。
正確には、ブルボン家が支配したシチリア王国の首都だったナポリは、フランスの貴族料理が伝わり、貴族のお抱え料理人が作る食文化が花開いた街だったので、フランス貴族社会の影響はあったようです。
この時代のフランスの貴族料理は、偉大な料理人によって世界中に広められました。ベシャメル、グラタン、シューなどはその一部です。
ババはナポリのパスティッチェリーアに伝わりました。フランス的なものは当時はステイタスシンボルで、ナポリのパティシエたちは、洗練されたババのアレンジを次々考え出していきました。カプリではリモンチェッロ風味のババやレモンクリームのババがうまれたそうです。
甘味と柑橘フルーツの酸味は相性が良い組み合わせでリモンチェッロのババはヒットしました。ちなみに、リモンチェッロのババはリモンチェッロに添えるドルチェとしてもばっちりです。
ナポリのババ。bが二つのbabbàの発音を堪能ください↓
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