2025年4月12日土曜日

去勢鶏はブロードの美味しさもポイント。

イタリアのクリスマスのチキンは去勢鶏。
肉を柔らかく、ジューシーで、風味豊かにするために外科的に去勢することは、何世紀も前から行われてきました。攻撃的な雄をおとなしくするためでもありました。

伝統的には、復活祭の時期に産み付けられた卵が孵化して生まれた雄鶏を選別して、生後二日で性別を判断し、選別された鶏は、20日後、痛みを与えない方法でカッポ―二(去勢鶏)になる。去勢鶏には肉垂もとさかもないが、華やかでエレガントな羽毛がある。去勢鶏は春に生まれて夏に去勢され、約4か月の命だ。性格はおとなしく、静かで、コケコッコーと鳴くこともない。なによりも、肉が締まっていて美味しい。他の鳥類とは味の深さが違う。
クリスマスのご馳走のチキンと言えば、大きいことが重要と思いがちだが、去勢鶏は、その味の良さと、ブロードの美味しさで需要がある。
自家製の資料で放し飼いで育てる去勢鶏は、9か月ほどで2.5~3㎏の美味しくて柔らかい肉の鶏になる。品評会の日に最高の状態になるように育てられ、地元のノヴェッロワインやトリュフと一緒に味わう。

去勢鶏のブリーダーが数軒いる村、サン・ダミア―ノ・ダスティの品評会。

去勢鶏のローストとボッリート

去勢鶏のブロードは味わったことないけど、おいしそう~。

去勢鶏のブロード

去勢鶏のゆで方も何種類かあります。その一つが豚の膀胱を使うベネトの伝統的な方法。ゆで汁が散らばらないようにしました。

膀胱に詰めた去勢鶏のボッリート

去勢鶏のブロードを使った料理の代表は、トルテッリーニ・イン・ブロード。

パッサテッリ・イン・ブロードはエミリア・ロマーニャやマルケなど中央イタリアに普及した料理

初めてボローニャでトルテッリーニ・イン・ブロードを食べた時、澄んだ金色でコクがあるあのスープのことは、鶏のスープ以上のことは何も知らなかったけど、美味しさはカルチャーショックでした。

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2025年4月11日金曜日

雄鶏の一生は厳しいけど、去勢鶏の飼育は農家に託された儀式のようなもの。とにかく手をかけて大事に育てられる。

(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)の12月号は、もちろんクリスマス料理の話題であふれています。
今日のお題は“去勢鳥です。記事の日本語訳はP.37~。
イタリアの料理記事は、イタリア人が普段感じていて、日本人には思いもつかないおもしろいコメントで始まりますが、去勢鶏に対しても、
「鶏の一生は大変だ。肉を柔らかくするために去勢もされる。そうすると名前まで変わる。」
て言っています。確かに、鶏galloは去勢されると“カッポ―二capponi”と呼ばれるようになります。
なんとも鶏に対する愛情に溢れた思いではないですか。
もっとも、一般には、イタリア人にとって去勢鶏はクリスマスを意味します。
ちなみにイタリアでクリスマスのご馳走と言えば、七面鳥か去勢鶏。

ジョルジョーネのクリスマスの七面鳥のリピエーノ。

さらに、ピエモンテのような一部の地方では、去勢鶏の飼育は家族経営の小さな農場に託された儀式のようなもの、と書いています。
こんな文章を読むと、イタリアの料理雑誌の編集者は、本当に優秀だと感じます。

そのピエモンテの一部の地方、つまり去勢鶏の産地として知られる村の一つがモロッツォMorozzo。

50年代以降、鶏の飼育は産業化が進み、コストがかかり、生産性の低い田舎の伝統は消えていった。そのため、消滅の危機にある地元の品種を保存しようとする動きが起こった。

モロッツォの去勢鶏はモロッツォの象徴。去勢鶏祭りも開催されて、最高の去勢鶏が選ばれている。

ラコニージracconigiも去勢鶏の産地の一つ。ラコニージの去勢鶏。

サルッツォのガッリ―ナ・ビアンカは地元の経済を支えている。

雄鶏の一生の厳しさを知れば知るほど、農家の努力がすごい鶏だということも知りました。
まず、去勢は痛みを与えない方法で行われ、鶏舎は動き回るのに十分な広さがあり、オープンエア、抗生物質は投与せず、餌は穀物のみ、草も昆虫も地元で手に入るものだけ、雌も飼育されている。

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2025年4月10日木曜日

サラマ・ダ・スーゴもフェラーラの名物サラミ。やっぱりこれも見栄えがかなり独特で、5世紀の間何も変わっていない。

フェラーラの話をしているうちに、普段はあまり耳にすることのないこの街の魅力がよみがえってきました。
フェラーラ料理には、カボチャのカッペッラッチやサラマ・ダ・スーゴなどがあります。

フェラーラのカボチャのカッペッラッチは農民の麦わら帽子がモデル。典型的なルネサンスの料理。

フェラーラの名物料理。カボチャのラビオリは英語で言うとパンプキン・ラビオリ。

サラマ・ダ・スーゴ
なべ底に触れないようにしてゆでる。

作り方はかなり豪快。ルネサンス時代から5世紀の間変わっていない。


21世紀の料理とは思えないような昔ながらのルネサンスの料理。

カッペッラッチがスペチャリタのフォラーラのトラットリア・ダ・ノエミ。
店のwebページはこちら

フェラーラのドルチェ、トルタ・テネリーナtorta tenerina。ルネサンス風チョコレートケーキ。


フェラーラのパスティッチェリーア。

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2025年4月9日水曜日

パンペパートの歴史は、スパイスがイタリアに広まる過程を知ることができる。修道女が作りだし、スイスのショコラティエが完成させ、トリノの博覧会で名誉賞まで受賞したパンペパート。

フェラーラのパンペパートの話をしているうちに、かつて、フェラーラというルネサンスの魅力的な街を知り、ある不思議な名物を食べてみたいと、フェラーラを訪れたことを思い出しました。
この街は、知れば知るほど面白くて、好きにならずにはいられない街です。

フェラーラ

フェラーラ公の住居となったカステッロ・エステンセ。

時が止まったかのような中世の姿がぴったりなフェラーラ

フェラーラ公は美食家で、食事にも美しさを求めた。
宮廷の料理人には、マスター・オブ・セレモニーの要素も求められた。
現在でも傑作として知られるフェラーラの宮廷料理。
カボチャのカッペッラッチ、サラマ・ダ・スーゴ、マカロニのパスティッチョ、そしてパンペパートなど、現在まで受け継がれている。
クリストフォロ・ディ・メッシスブーコなど、有名な料理書を書いたことで知られる料理人たちもいた。
彼の本には17世紀以降イタリアに広まり出したカカオが秘密の食材として加えられている。
カカオが生み出す洗練さが、裕福な人たちのドルチェとして認められたのだった。
やっぱり、パンペパートは、裕福な人たちのドルチェだったんですね。ただ、そのルーツは15世紀の修道院。

パンパパートと呼んでますね。パンペパートの方が言いやすい。

現在知られているパンペパートは、20世紀初めにグイド・ゲッツィGuido Ghezziというミラノのパティシエによって造られた。スイスで働くショコラティエだったゲッツィは1902
年に店をオープンし、パンペパートの使われなくなっていた古いリチェッタを復活させ、外国にも知れ渡るドルチェにした。
さらに1928年、オッドーネ・ディ・カ―ロOddone Di Caroはチョコレートでコーティングされた現代版パンペパートを作り上げた。
1956年には商標登録し、秘密のリチェッタは家族の間で受け継がれている。3代目の孫のオッドーネ・ディ・カ―ロがパンペパートの作り方を解説。

フェラーラのパンペパートのグラッサトゥーラ。

見た目に美しくなければ大公に認められない街は、ドルチェだけでなく、パンも超個性的。

フェラーラのパン、コッピア



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2025年4月8日火曜日

こしょうが入っていないフェラーラのパンペパート

(CIR12月号)から、今日のお題はパンペパートです。
エミリア・ロマーニャのエレガントなルネサンスの街、フェラーラのクリスマスのドルチェですが、記事の日本語訳はCIR12月号P.34~。
ウンブリアなど中央イタリアのクリスマスのドルチェとして有名で、地域によって、リチェッタはやや違う。

ウンブリアのパンペパート。
ウンブリアに住むスタッフの手作りパンペパートを初めて食べた時は、そのおいしさに感激したが、その豊富な材料を集めるのがこんなに大変だとは考えもしなかった。

フェラーラのパンペパートも、中央イタリアのパンペパートとは違います。
フェラーラのパンペパート

テルニ(ウンブリア)のパンペパート

そもそもこのドルチェは、16世紀に作られるようになったと考えられているが、当時は東方からのスパイスは、富と豊かさの象徴だった。クリスマスの期間にはリッチなパンを作る習慣がある。中世のスパイスの代表は、その名にもある通り、pepe(こしょう)だった。
ところがフェラーラのパンペパートには、こしょうは入っていない。

フェラーラのパンペパート

今回のドルチェの舞台はフェラーラ。
エステ家の宮廷の中心地。


フェラーラの市街とポー河デルタ地帯はユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている。
フェラーラは、イタリアのルネサンスの街の中でもひときわ輝く文化の中心地だった。


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2025年4月7日月曜日

トルテッリーニは牧畜業が盛んで去勢鶏のブロードのような濃厚なブロードを作ることができたエミリア地方ならではの食べ物。

クリスマスに欠かせない詰め物入りパスタ。
北イタリアならではの軟質小麦の利用方法として、軟質小麦粉の産地、北イタリアならではの進化の結果生まれた生パスタ(パスタ・フレスカ)。
硬質小麦の産地、南イタリアでは、硬質小麦粉からスパゲッティなどの乾麺(パスタ・セッカ)を生み出し、発展させていきました。

軟質小麦のパスタの次は、詰め物の話。
エミリア地方の詰め物の主役は牛肉と豚肉。
リグーリアでは香草とフレッシュチーズ。

リグーリアのクルミのソースのパンソーティ

(CIR12月号)のリグーリアの詰め物パスタゼンビは、魚の詰め物のパスタ(日本語リチェッタはP.30)。

超有名なトルテッリーニの物語。今ならセクハラで完全にアウト。この先、どう変わっていくのか、興味あるなあ。
ちなみに、ぶどうを女性が足で潰すという習慣も、完全にセクハラ。この習慣は現代ではかなり減っているのでは。

牛や豚の飼育はロンバルディアから広まり、フレッシュチーズは古代ローマの羊飼いたちによってイタリア中に広まった。
カボチャ、アマレット、ココアはロンバルディアやフリウリの影響が見られる食材で、ドルチェ・サラートな味が流行したルネサンス時代の名残も感じられる。

ロンバルディアのカボチャのトルテッリ(リチェッタはP.32)

肉の詰め物のパスタは、ゆでると肉のタンパク質が溶け出す。そのゆで汁、つまりブロードをパスタにかけて一緒にに食べるのがトルテッリーニ、アノリーニ、カッペッレッティの伝統的な食べ方。

アノリーニ

カッペッレッティ

牧畜業が盛んでパルミジャーノのようなチーズや。去勢鳥のブロードのような濃厚なブロードを作り出すことができたエミリア地方ならではの食べ物。
肉が入らないラビオリ・ディ・マーグロの場合は、塩と油を加えた湯でゆでて水気を切り、バターやチーズで和える。
トルテッリーニはイン・ブロードin brodoにして食べる。

ボローニャのトルテッリーニ・イン・ブロード

ボローニャのトルテッリーニは、去勢鶏かひね鶏のブロ―ドが伝統的だが、牛のブロードが好きという声もある。トルテッリ―二をゆでるブロードは、牛ランプ、すね、鶏、去勢鶏など数種類の肉からとる。
具のたんぱく質が溶け出たブロードは、ただのゆで汁ではなく、肉の具の詰め物入りパスタの大切な一部でもある。
ボローニャでトルテッリーニ・イン・ブロード食べたい!

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2025年4月5日土曜日

トルテッリーニは小さければ小さいほどよい。このタイプのパスタの中で、その形は一番愛らしい、とボローニャ人は感じている。

詰め物入りパスタの話が出たところで、今日のお題は、(CIR12月号)の記事“各地のクリスマスの詰め物入りパスタ”です。
まずはエミリア地方のトルテッリーニtortellini。



ボローニャとトルテッリーニ。
ボローニャのパスタの聖地、キッチン付きの生パスタ専門店。

イタリアの代表的詰め物パスタ、トルテッリーニ。このパスタはエミリア地方の中心地、ボローニャ料理のシンボル。「1個2gに満たない重さしかなく、それも大部分が詰め物の重さ。」
つまり、生地は詰め物を包んでも破れないぎりぎりまで薄く伸ばす。そのためには熟練の技が要求される。その技は中世後期からまったく変わることなく受け継がれてきた。
ボローニャでトルテッリーニが生まれたのには理由がありました。

トルテッリーニは小さければ小さいほどよいとされる。通が認めるパスタの大きさは3㎝角の正方形。この上に詰め物を手早く置き、生地が乾いて崩れないうちに素早く包む。
トルテッリーニはアノリーニはカッペッレッティといった同じ種類のパスタの中で一番生地が薄く、形はもっとも愛らしい。


イタリア、特に北イタリアでは、祝日に詰め物入りパスタは欠かせない。
ポー河沿岸の平野では、有史以前から軟質小麦が生えていた。イタリア南部など地中海全域では主に硬質小麦が栽培されているが、イタリア北部の気候は硬質小麦には適さない。軟質小麦はパンにするとおいしいが、粘り気があり過ぎて小麦粉と水を混ぜた乾麺には向かない。軟質小麦は硬質小麦と比べると、でんぷんの量が多く。グルテンを始めとするたんぱく質、ミネラル、ビタミン、脂肪が少ないからだ。そこで北イタリアの人々は動物性タンパク質を加えることによって腰のある生地を作りだした。軟質小麦にない性質を補う動物性タンパク質、それは卵白だった。
こうして作りだされた卵入り麺は硬質小麦の麺より栄養価が高く、ゆでても煮崩れないでアルデンテになり、チーズや肉のような動物性の食材ともよく合った。やがてそれらの具を麺で包むようになったのも自然の流れだった。
トルテッリーニは軟質小麦からつくる北のパスタの傑作なんですね。
エミリア料理の代表トルテリーニには、イタリア各地の食の伝統が詰まっている。
次は詰め物の話・・・。

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2025年4月4日金曜日

ノー・ブロード・ノークリスマス。トルテッリーニ・イン・ブロードはクリスマスの代表的ご馳走パスタ。ビーツのブロードはワインにそっくり。

今日の料理は“ポルチーニのラビオリ、ビーツのブロードがけ”
日本語のリチェッタは(CIR12月号P.26)です。
玉ねぎのソッフリットに刻んだポルチーニを加えた詰め物のラビオリに、ビーツのブロードをかけた1品です。

下の動画はビーツのブロードをかけたトルテッリ。あくまでもイメージの参考動画です。

ビーツのブロードはブロードのイメージを柔軟に広げたもの。香味野菜とビーツを弱火で1時間煮て濾したもの。ビーツのダシです。このブロードの特徴は、その色。
詰め物入りパスタにワインのような赤い色のブロードをかけるのは、ワインをかける習慣がある北イタリアでは珍しくないこと。

トルテッリーニのワインがけ

そもそもトルテッリーニはブロードでゆでてブロードをかけてイン・ブロードにしてサーブします。

ブロードのないクリスマスは存在しない、と言うのはエミリア・ロマーニャ出身のイグレス・コレッリシェフ。


ちなみにブラザートのアニョロッティにはバルベーラをかけてサーブする方法もあります。
日本語のリチェッタは(CIR12月号P.10)。

ピエモンテ風アニョロッティ

詰め物入りパスタは、パスタ、詰め物、ブロードと、見れば見るほど手が込んでるご馳走。

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