2025年3月11日火曜日

ヴァルテッリ―ナを象徴する作物、そば。この地方の主な収入源は家畜のミルク。土地はすべて放牧地にし、そばは山の上のわずかな畑で育てる。

(CIR)の話題はヴァルテッリ―ナに移りました。
ヴァルとは渓谷のこと。ロンバルディア北部のアルプスの山間の地方で、ヴァルテッリ―ナ以外にも、ヴァルサッシナ、ピエモンテのヴァル・クローネ、

ヴァルサッシナはミラノから1時間。

ヴァルサッシナの産物■■■

ヴァル・クローネ■■■

よく知っているイタリアとは全く違う風景。
これが北イタリア。

ヴァルテッリ―ナのそば■■■

ヴァルテッリ―ナのミルク。■■■

ヴァルテッリ―ナのチーズ、カゼーラ■■■

ヴァルテッリ―ナ料理は農民が手に入れることができるものだけで作る。主な仕事は家畜の飼育から得られるミルク、チーズ、バター、一部のサルーミなど。土地は畑ではなく牧草地にしたので、作物を育てられるのは山の中のわずかな土地だけ。育てたのはじゃがいも、豆、過酷な環境でも育つ大麦やライ麦など。
そんな環境で、この地方を象徴する作物はそばでした。
そばはイタリア語ではgrano saraceno。サラセンの小麦という意味でも、grano小麦ではなく、トルコとは何の関係もない。
ヴァルテッリ―ナには北ヨーロッパから17世紀以降広まった。

そば粉はでんぷんが豊富で脂肪分が少なく、グルテンはほとんどない。もっと栄養価の高い小麦粉と比べてアミノ酸の量が多い。粉は黒ずんでいて、アロマがある。ドルチェにも使える。チーズ、野菜、魚と相性がよい。高たんぱくなのでスポーツ選手むき。

ヴァルテッリ―ナの名物そば粉の料理の一つ、ピッツォッケリ。

ピッッォッケリ・ヴァルテッリネージ■■■

そば粉の料理が初めて登場した料理書は、ドイツ人が書いた本。そこには特殊な粉と卵の生地のチーズとバターで調味するタリアテッレの一種、とあり、そば粉、高原のバターやチーズなど、厳しい自然条件と重労働の元で畑で栽培できるわずかなものを使って栄養価の高い料理を作る農民料理の真髄が現れた料理。

ヴァルテッリ―ナのそば粉料理一つ、ポレンタ・タラーニャ。■■■

ヴァルテッリ―ナのリストランテ■■■

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2022年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2022年の号からできます。
1冊のみの注文もできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはお気軽に、こちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)

(CIR11月号販売しました)
===================================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。
=====================================

2025年3月10日月曜日

ルイジ・ヴェロネッリとジャジャンニ・ブレアは、イタリアのエノガストロノミーを形成した大御所で友人でした。

(CIR11月号)の話は、栗の話から、アルプスで最大の栗の森がある地、北イタリアの話に入っていきましたが、11月号には北イタリアのある地方料理の記事(P.23)もあります。
それはシャットです。
ヴァルテッリ―ナのそば粉のフリッテッレ

シャットsciatt

シャットはヒキガエルという意味。見た目が似てるからと、こうなった。

シャットの記事には様々な著名人が登場していますが、多分ルイジ・ヴェロネッリという名前はイタリア料理に興味がある人なら、一度は聞いたことがあるのでは。イタリアを代表する美食家で、ワイン評論家として格付け本も自らの出版社で出していました。知識人としての信頼も高く、特にワイン製造者からは高く評価されている人でした。イタリアワインのテロワールの貴重さを訴え、広めた人です。

ヴェロネッリ

もう一人出てくるのは彼の友人でスポーツジャーナリストのジャンニ・ブレラ。彼も有名な人でした。

ジャンニ・ブレラ

ブレラとヴェロネッリの共著の先駆者的グルメガイド、『ラ・パッチャ―ダ』

この二人は、イタリアのエノガストロノミアを引っ張っていました。そしい彼らが、スタンダールがブリアンツァの次にヴァルテッリ―ナに行かなかったのは残念だ、と書いたのです。この二人の大御所の発言は絶対でした。ヴァルテッリ―ナに行かなかったスタンダールは残念、という考えは、しっかり定着しました。
ちなみにスタンダールはミラノに住んでいたそうです。

ヴァルテッリ―ナはロンバルディア北部のスイスと接する地方。

ヴァルテッリ―ナ

アルプスの中にあり、この地方の料理はアルプスの料理。珍しく、ハプスブルクの影響は控えめ。北イタリアの山の料理にも色々あるんですね。

ヴァルテッリ―ナの味

ヴァルテッリ―ナのそば

そばはヴァルテッリ―ナを象徴する作物。

シャットの舞台、ヴァルテッリーナは、アルプスの谷間の一つ。その料理は本質的で徹底的に自給自足の質素なもの。美食界の大御所と近代小説界の大作家は、料理に関してはかなり言いたいこと言える関係だったもよう。

スタンダール

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2022年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2022年の号からできます。
1冊のみの注文もできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはお気軽に、こちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)

(CIR11月号販売しました)
===================================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。
[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

====================================

[creapasso.comへ戻る]

=====================================

2025年3月8日土曜日

南の栗料理。北の栗料理とは大分違うけど、この多様性がイタリア料理の大きな魅力


秋は栗の季節。栗は北イタリアだけの食材ではなく、南イタリアにも栗を使った名物料理があります。今月の(CIR)には、“豆と栗のズッパ”というバジリカータ料理の解説があります(日本語のリチェッタはP.26)。

栗の料理は粉を使うものと、皮をむいたごろごろの実を使うものがあり、ズッパはごろごろで使う料理の代表。
インゲン豆と栗のズッパ

焼き栗各種。

バジリカータは、メルフィのマロンチーニという大きな栗が名物。マロングラッセ用に人気。その栗と、サルコ―二のインゲン豆というもう一つの名物を組み合わせた料理。
メルフィでは毎年10月の最後の週末はメルフィのマロンチーニ祭り。
祭りでは膨大な量のカルダッロステを作り、アリアニコ・デル・ヴルトゥㇾを組み合わせていいただきます。祭りには栗を使ったバジリカータ料理のスペチャリタが登場。


甘くてコクがあるサルコ―二のインゲン豆。皮がとても薄く、煮る時間が短い。
イタリアでもかなり有名なインゲン豆のよう。

豆と栗のズッパは、戻したいんげん豆をゆでて、ゆでた栗と炒めたパンチェッタを加える。

カンパーニアの栗。

カンパーニアのクリスマスの栗のドルチェ、カスタニャッチ。■■■

栗とスペックのパッパルデッレ。■■■

パッパルデッレや栗の粉のタリアテッレが栗のパスタの定番。■■■

ポルチーニやジビエのソースがよく合う。■■■

さすがイタリアはヨーロッパ最大の栗の産出国、栗料理は色んな動画があって、楽しかったです。のんびりご覧ください。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2022年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2022年の号からできます。
1冊のみの注文もできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはお気軽に、こちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)

(CIR11月号販売しました)
===================================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。
[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

====================================

[creapasso.comへ戻る]

=====================================

2025年3月7日金曜日

イタリア料理は地中海料理とアルプス料理の合体。どちらも欠かせない。栗も南イタリア料理の大事な食材。

(CIR11月号)の記事、『栗とパスタ』の記事から、秋の女王、パンの樹と呼ばれる栗の話に入っていきました。調べれば調べるほど、北イタリアの秋は栗のシーズンです。北イタリアでの栗の愛され方を知り、イタリア料理は地中海料理とアルプスの料理から構成されていることを実感しました。
栗はズッパ、ミネストラ、ニョッキなど、様々な料理に使われています。

自家製栗の粉

材料:
栗・・2㎏
水・・適量

・栗を洗ってたっぷりの水を張った鍋に入れて沸騰させ、40分ゆでる。
・水気を切って冷まし、皮をむく。
・天板にのせ、160℃のオーブンで60分焼く。
・一晩冷ます。
・ミキサーにかけて粉にし、密閉袋に入れて保存する。

栗のパン

栗のパンにクリームチーズを塗ってローズマリーとブラウンシュガーを散らす。

アルプスのパンは小麦粉ではなくライ麦のパン。
アルト・アディジェの代表的なライ麦パン、シッュテルブロート。沿岸部とはパンの概念も大分違う。

じゃがいもと栗の粉のニョッキ

栗の皮のむき方

栗のズッパ

栗のズッパは北イタリアたへけの料理じゃなく、南イタリアにも名物ズッパがあります。
詳しくは次回。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2022年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2022年の号からできます。
1冊のみの注文もできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはお気軽に、こちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)

(CIR11月号販売しました)
===================================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。
[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

====================================

[creapasso.comへ戻る]

=====================================

2025年3月6日木曜日

ヴァッレ・イザルコ地方の人たちが全てを捧げるトルゲレン。

今週は栗の話をしてますが、アルプスで最も広大な栗の森があるのがヴァッレ・イザルコ地方。海に囲まれているイタリアは、夏は地中海沿岸のリゾート地が主役ですが、秋はアルプスです。

ヴァッレ・イザルコ

初心者のためのトルゲレンの解説

初心者向き解説2。まずトルゲレンの前にトレッキング。


初心者向き解説3。女性はエレガントな服は着ないこと。帰り道用のヘッドランプも必要。


初心者向き解説4。トルゲレンくださいと注文はしない。オステリアの主人はトレッキングして空腹の客にどんどん料理を出す。ビールは飲まない、ビールはオクトーバーフェストに送ってるから、飲むのは新ワイン、グラッパ、ノチーノなど。

初心者向き解説5。トルゲレンは周りの人たちと一緒に楽しむ。

これだけマスターしたら、後は実践あるのみ。

地元の人達はトルゲレンにすべてをささげています。

旧『総合解説』2006/2007年9月号の『クチーナ・イタリアーナ』の記事、“ヴァッレ・イサルコ”には、
「オーストリアとの国境のブレンネロ峠からボルツァーノまで、80㎞に渡って続くドロミテ山脈の渓谷地帯」とあります。
栗の木に覆われた山が赤や黄色に色づきだすと、名物のチーズやサラミ、ワイン、栗がおいしくなる季節がやってくる。この辺りには“マージ・デッラ・フラスカ”と(フラスカは小枝を束ねたもので、営業中の目印に使う)と呼ばれる農家のオステリアがたくさんあって、焼き立てのパンや自家製チーズ、スペックなどを味わうことができる。

ヴァッレ・イザルコ地方には“トルゲレン”と言う習慣がある。(ラテン語で“搾る”という意味のtorquereが語源)。
ぶどうを収穫してモストを搾ったら、近隣や身内を集めて発酵前のモストや、樽から出したばかりの新ワイン“ノイエン”の味見をするのです。
昔は一緒にスペック、シュッテルブロートというライ麦パン、クルミを食べた。今ではもっと豪華になって、ラビオリの一種、シュルツクラブフェン、大麦のミスネストラ、サルシッチャ、ザワークラフトなども添える。クネーデルやグーラッシュのズッパを出す店もある。
ヴァッレ・イザルコ地方では、毎年栗祭りが開催され、地元のレストランでは前菜からデザートまで栗が主役の様々な料理を出す。

ヴァッレ・イザルコのレストラン。

ヴァッレ・イザルコの洗練された美食の街、ブレッサノーネ。

もうすっかり、ヴァッレ・イザルコのトルゲレンを体験した気分。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2022年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2022年の号からできます。
1冊のみの注文もできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはお気軽に、こちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)

(CIR11月号販売しました)
===================================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。
[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

====================================

[creapasso.comへ戻る]

=====================================


2025年3月5日水曜日

アルト・アディジェの栗の道は、アルプスでもっとも広大な栗の森、ヴァッレ・イサルコ地方にある。

秋の女王、栗。意外なことにイタリアはヨーロッパ最大の栗の産出国で、その50%はカンパーニア産でした。
旧『総合解説』2011年10月号の『クチーナ・イタリアーナ』誌の記事、“アルト・アディジェの栗の道”によると、
「ブレンナー峠とボルツァーノの間のヴァッレ・イサルコ地方は、ぶどう畑、集落、修道院、農場が点在する栗の森だ。アルプスでもっとも広大な栗の森でもある」とあります。

ヴァッレ・イサルコValle Isarco

ヴァッレ・イサルコの産物

栗は森の住人に取っては古くからの栄養源。山の厳しい暮らしに耐える作物は限られるのに、樹に自然に実るなんて、素晴らしい森の恵み。栗は大切な栄養源であり、飢饉の時の食料で、まさにアルプスのパン。でんぷんの含有量が高く、炭水化物、鉄、リン、カリウム、ビタミンC、ベータカロテンを含み、南チロル地方では欠かせない食物。

アルト・アディジェの栗の道

ヴァッレ・イサルコ地方では毎年栗祭りが開かれますが、渓谷の大部分の農場の有名なイベントは、
トルゲレンtörgglen。

ぶどうの圧搾機のトルキオが語源での古い風習で、新ワインを味わうために農民たちが山小屋に集まってワインを飲みながら歌って過ごす賑やかな祭り。ヴァッレ・イサルコは山歩きと美味しいものが好きな人には最高の場所。

ヴァッレ・イサルコの味

トルゲレンの話は次回に・・・。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2022年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2022年の号からできます。
1冊のみの注文もできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはお気軽に、こちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)

(CIR11月号販売しました)
===================================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。
[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

====================================

[creapasso.comへ戻る]

=====================================

2025年3月4日火曜日

秋の森の恵みの代表は、パンの樹、と呼ばれる栗。

今日のお題は(CIR11月号)の今月のパスタ。
11月のパスタは“栗のパスタ”。

まずは栗の話。
2011年11月号の『総合解説』には、『サーレ・エ・ペペ』誌の栗についての記事がありました。
それによると、
「ニョッキ、ズッパ、ミネストラ、さらにフリッテッレ、カスタニャッチョといったドルチェと栗は、イタリア中の伝統料理で使われていて、50年代まで、森で暮らす人々にとって栗は欠かせないものだった。
詩人のパスコリは栗のことを「パンの樹」と呼んだ。
多様な顔を持つ栗は、田舎料理と洗練された美食のどちらにも使われる」
「大きな栗はマロングラッセや、赤肉や白肉の付け合わせになる。ゆでてピューレにすればトルタ・サラータのベースや、モンテビアンコなどのドルチェになる」
「栗はイタリアの森に遥か昔から生えていた。アペニン山脈からカラブリアまで、イタリアの森の環境にとてもよく適合し、どこでもすくすくと育った。特にカンパーニアを中心に、カラブリア、ラツィオ、ピエモンテ、トスカーナに多く見られる。
イタリアの栗の総生産量の50%はカンパーニア産だ」
とあります。
「今でもイタリアはヨーロッパで最大の、世界では3位の栗の産出国だ。数の上だけでなく、イタリアには数多くの品種が存在する。その中でも12品種はヨーロッパでも上質の栗として知られている
一般的にマッローニmarroniとは大型の栗(カスタ―二ェcastagne)のことを指す」
そうです。

イタリアはヨーロッパで最大の栗の産出国で、50%はカンパーニア産、とは、かなり意外。

田舎の栗料理の典型、カルダッロステCaldarroste。

栗の収穫

カスタ―ニャとマローネの違い。両者の違いを説明する動画はたくさんあります。イタリア人はみんな知ってるのでしょうか。

基本的にはマッローネは楕円形で皮が薄くて筋があり、渋皮はむきやすい。丸ごとのごろっとした実が必要なローストの付け合わせに適している。工場での加工にも向いていて、マロン・グラッセ、カンディート、ラム酒漬けやグラッパ漬けに加工される。
カスタ―二ェは丸みを帯びた形で皮が厚く、渋皮が実に食い込んでいてむきにくい。皮をむいて水や牛乳でゆでてミネストラ、ヴェッルタータ、詰め物、コンフェットゥーラなどに使う。干し栗や栗の粉にも使う。

ローストポークのカスタ―二ェ添え

出典は『総合解説』2011年11月号に載せた『サーレ・エ・ペペ』の記事。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2022年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2022年の号からできます。
1冊のみの注文もできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはお気軽に、こちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)

(CIR11月号販売しました)
===================================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。
[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

====================================

[creapasso.comへ戻る]

=====================================


2025年3月3日月曜日

ガットーは名前はなんちゃってフランス風だが、バター以外すべての材料はナポリ産の、典型的なナポリ料理。

(CIR11月号)の地方料理、まずはサルデーニャの野菜のフォカッチャ、“コッコイ・エ・ビルドゥーラ”。
今日は2品目、“パプリカのナポリのガットー詰め”(日本語のリチェッタはP.13)。

名前にもある通り、ナポリの人気料理です。

じゃがいものガットー。

ナポリ料理の研究家、ルチアーノ・ピニャタロの本、『リチェッテ・ディ・ナポリ

によると、じゃがいものガットーは典型的なナポリ料理の田舎風トルタで、1768年のマリア・カロリーナの披露宴の際にフランス人の料理人が伝えた。ただフランス料理ではなく、材料はバター以外、すべてナポリ料理ではおなじみの食材。バターは北の食材で、南では豚の脂身かオリーブオイルを使った。当時、トマトはまだ伝わっていなかった。ガットーという名前の語源はフランス語のケーキという意味のガトーgâteau。フランス人料理人モンズ―がナポリのドルチェの中に広めた。
ハプスブルグの女帝、マリア・テレジアの娘でナポリとシチリアの女王、マリア・カロリーナ。それにしてもナポリ人は貴族嫌いはかなり徹底したていたようで、こんなところに結婚しに来るなんて怖かったでしょうね。

2006年/2007年10月号の記事、“じゃがいものガットー”に、こんなことが書いてありました。ナポリ料理の権威ある本の著者、イッポリート・カヴァルカンティ。この本に登場する料理には、イタリア語、フランス語、ナポリ方言をミックスした、一風変わった名前がついている。シャルロットは“チャルロッタ”、ガトーは“ガットー”といった具合です。
ご存じのようにイタリア語でガットは猫のことなので、検索すると、可愛い画像がたくさん出てきます。

本の序文でカヴァルカンティは、フランス語の発音をイタリア語に当てはめて新しい言葉を作りだしたことを告白している。読者の大部分はフランス語を理解しないだろう、と考えて、当時貴族の間で流行していたフランス風の料理を、分かりやすく紹介するためにやった、と白状しているのです。

(CIR11月号)のガットーは、パプリカに詰めたもの。パプリカを美味しくて美しい器として使っています。


じゃがいものガットーは、アントレとしてサーブしてもよいし、軽いセコンド・ピアットの前の1品にしてもよい。少量をローストのコントルノにすることもできる。残ったら翌日に室温でアペリティーヴォと一緒にサーブしてもよい。その場合は四角く切り、オリーブ、ケッパーを巻いたアンチョビ、オイル漬けのドライトマトなどのトッピングをするのもおもしろい。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2022年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2022年の号からできます。
1冊のみの注文もできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはお気軽に、こちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)

(CIR11月号販売しました)
===================================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。
[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

====================================

[creapasso.comへ戻る]

=====================================



ヴァルテッリ―ナを象徴する作物、そば。この地方の主な収入源は家畜のミルク。土地はすべて放牧地にし、そばは山の上のわずかな畑で育てる。

(CIR)の話題はヴァルテッリ―ナに移りました。 ヴァルとは渓谷のこと。ロンバルディア北部のアルプスの山間の地方で、ヴァルテッリ―ナ以外にも、ヴァルサッシナ、ピエモンテのヴァル・クローネ、 ヴァルサッシナはミラノから1時間。 ヴァルサッシナの産物■■■ ヴァル・クローネ■■■ よ...