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2025年10月30日木曜日

アーモンドの地、シチリア。



南の料理がテーマの今月の(CIR)のリチェッタ、今日の料理は“アーモンドのペーストとトマトのカラメッラ―テのフジッロ―二”。
アーモンドとトマトも、きのうのアンチョビとレモンに続く、南イタリアを象徴する食材。
イタリア料理の百科事典“1001スペチャリタ”

によると、シチリアはアーモンドの地だそうです。特に南東部の海と最初の丘陵地の間の地区
が中心地とあります。その地区にある街が、ノートです。

ノート

ノートはバロックの街として有名ですが、料理の世界では、美食の街としても有名です。

シチリアのアーモンドの収穫。

シチリア料理の本の傑作、ワイナリー・プラネタの本、『シチリア』

シチリアの各地にぶどう畑を所有してワインを造っている国際的大手ワイナリーならではの本で、畑を所有する各地ごとにシチリアの料理と食文化を紹介する、とてもハイセンスな本。その中には、ノートという章もあります。
それによると、イブレイ山の周囲のとても美しい地区で、オリーブ畑、ぶどう畑、シチリアの最も美しいバロックの地区があると、大絶賛しています。

プラネタのノートのぶどう畑。

シチリアの味。

シチリアの食文化はイタリア料理のベースの一つ。広大な地域があり、地方色も豊かなので、パレルモとカタ―ニャという東西の2大拠点に分けて見ていく方法が一般的です。プラネタのこの本は、自社のぶどう畑がある5つの地区に分けて、ワイナリーならではの専門的な土壌と食文化の解説を、美しい写真で紹介する、個性的な本。

シチリアをアーモンドという視点で見ると、なかなか面白い姿が見えてきます。
収穫したてのアーモンド。
シチリアのアーモンドの代表的な産地、アーヴォラ。



初めてシチリアに行った時は、道端にサボテンが雑草のように茂っていたのにはびっくりしましたが、アーモンドは気が付かなかったなあ。サボテンを初めてスーパーで買った時は、小さな棘に全然気が付かなくて、素手で扱って、その後しばらくちくちくするという失敗もありましたが、シチリアのアーモンドもいつか味わってみたいもの。
あっそうか、シチリアにいればアーモンドを使わない料理やドルチェを食べることの方が難しかった。
アーモンドの話、次回に続きます。

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new『スッド・グランデ・クチーナ(南伊・山・海)』
【地方料理、シリーズ】

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2025年9月12日金曜日

モンフェッラートのアニョロッティ・デル・プリンは、籠城戦の勝利を祝う料理で、料理人アンジェロットが物がない中で作り上げたご馳走。

ランゲ地方の話。今日はランゲ地方の名物料理です。
まずはタヤリンに次ぐ名物プリーモ・ピアット。
アニョロッティ・デル・プリンagnolotti del plin。
ピエモンテの伝統的クリスマス料理でもあります。
モンフェッラートMonferratoの名物です。

モンフェッラート。





プリントとはつねるpizzicotto、という意味。
詰め物入りパスタの一種で、ピエモンテの古い方言でパスタをカットする時に使った道具、anolotが語源。
民間の言い伝えでは、1340年にモンフェッラート公の料理人、アンジェリーノ、通称アンジェロットがサヴォイア家の分家、ジャコモ・ダカイア広国軍の包囲戦終結を祝う宴会の料理をまかされた。食料が不足していたにもかかわらず、  彼は肉と野菜を集めて細かく刻み、薄いパスタで包んだ美味しいトルテッリを作って出した。このスペチャリタは、アンジェロットの料理と呼ばれ、それがのちにagnolottoとなったのだった。 


背景の物語を知ってから見るアニョロッティは、なかなかドラマチックな詰め物パスタに見える。
元々この料理はロースト肉の残りで作り、ローストの焼き汁をソースにしていた。来客用にする時はアルバ産の白トリュフの薄片を散らす。
アニョロッティ・デル・プリンの特徴であるつねる成形は、シェフの気まぐれで生まれたものではなく、おそらく、詰め物をしたパスタをしっかり閉じるために行うようになった。詰め物に触れないようにしながらしっかり強くつまむのがポイント。

組み合わせるワインは、ランゲとアスティ地方のシンボル的な料理だけに、フレイザのようなプリーモ・ピアットによく合う地元の赤ワインがお勧め。強さがあるアニョロッティのソースやパスタの柔らかさにも向き、詰め物のコクと対照的な若さもある。

フレイ―ザ・ダスティ。



エンリコ・クリッパのローストのスーゴのアニョロッティ・デル・プリン。



材料/
豚カポコッロ(肩ロースのサルーミ)・・300g
子牛すね肉・・1/2本
うさぎ・・1羽
セロリ・・2本
にんじん・・4本
玉ねぎ・・1個
にんにく・・3かけ
ローリエ・・2枚
香りのよい白ワイン・・1/2本
トマトペースト・・大さじ2
スカローラ・・1個
ほうれん草・・500g
生クリーム・・50ml
パルミジャーノ・・50g
卵・・2個
こしょう
クローブ・・1個
ジュニパー・・3粒
バター

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2025年9月11日木曜日

ランゲが最も輝くのは秋。アルバの白トリュフと質素なタヤリンの組み合わせは、農民料理を最大限ゴージャスにした1品。


ランゲ地方の話、続きます。
まずはランゲ地方の冬の話から入りました。家族の最も大切な場所は、寒い冬でも暖房が利く唯一の場所、キッチンでした。
でも、ワインとトリュフの丘、ランゲ地方がもっとも輝くのは秋です。この地の料理はかまどとカンティーナの間から生まれた、という説もあります。
そしてこの地の最も象徴的な料理はタヤリンtajarin。15世紀のランガ・ロエーロとモンフェッラートの農家で、乳母が食事の世話をする習慣から生まれたとか、脱穀場で生まれたなどと言われている質素な料理だが、現在ではグランシェフたちが作る料理。
ランゲの貧しい農民がトリュフと出会って豊かになるメタファーでもある。特に秋には、アルバの白トリュフと組み合わせる最高に贅沢な料理。アルバの白トリュフはアルバの秋に君臨している。おろしたフォンドゥータや生肉、炒り卵に散らす。
質素な農民料理のランゲ料理を、一躍豪華な一品に変えてしまうトリュフ。




アルバを有名にしたのは白トリュフだけど、このトリュフのフィエラはアルバを白トリュフの聖地にした。


フィエラの発案者はピエモンテを代表する美食家として知られるジャコモ・モッラ


アルバはランゲ地方の中心地。チョコレートのフェレッロでも有名な街。
もちろん、トリュフより有名なのはワイン。

アルバ。



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2025年9月10日水曜日

昔と今ではすべてがかなり違うランゲの農民文化。ランゲは雪がたくさん降る地方でした。

北イタリアの話題に移ってます。今日のお題は“ランゲの伝統料理”。(CIR5月号)の記事の日本語訳はP.26です。
ランゲ地方は、イタリアワインに興味のある人なら、一度は訪れてみたい場所。ピエモンテです。

数年前に世界遺産に登録されたランゲ。ぶどう畑はバブル状態。


この地を訪れる人の目的は、もちろんワイン。
今回の記事は、そこに暮らす農民が、ランゲの暮らしを語るもの。
そもそも冬はとても寒く、雪がたくさん振り、氷は春まで残っていました。

ランゲの雪景色。イメージなかった。


現在は周囲はすべてぶどう畑になりましたが、昔は小麦やとうもろこしの畑もありました。70年代までは収穫は手作業でした、と語るのは、ランゲの丘で暮らし、小さなアグリトゥーリズモを営んでいるメティルデ。

ランゲの料理。

メティルデのアグリトゥーリズモの外国人客は、最初はアメリカ人でした。それが今では世界中からやってきます。


ランゲの名物は料理はタヤリン。

農村の生活は厳しく、力をつけるためにみんなたくさん食べました。料理はみんなシンプルで、その時手に入るものを使っていました。と語るメティルデ。

台所は、家庭の最も大切な場所で、暖房が利く唯一の場所。家庭の生活の中心でした。日中は薪で煮るかまどと、ポタージュpotagéに常に火が入っているました。そしていつでも使えるように、その上では湯を沸かしていた。料理なら、コトコト煮るスーゴやミネストラを常に煮ていた。そして寒い外から帰った人に、温かい料理を提供していました。

なんだか、ランゲの冬景色が思い浮かぶような話です。考えてみれば、ランゲに行くのはワインが目的で、冬景色を見たことがある人は少ないかも。でも、家庭料理は冬の料理がベースなんですね。

ランゲのオステリア。


タヤリン。



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2025年8月30日土曜日

アマーロではなくアマローネ。苦いんじゃなくて、すごく苦い、てこと。甘口ワインを造ろうとして失敗し、超美味しいワインができちゃった。

今日のお題は、“リゾットのアマローネ風味”に使う食材から、アマローネです。リチェッタの日本語訳は(CIR4月号)P.35。
アマローネこと、アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ。

アマロ―ネとは


アマーロamaroではなくアマローネamarone。
この違いが分かる人は大人だなあ。
まず、アマーロは、単純にイタリア語で“苦い”という意味。英語ではビターbitterです。
アマローネは“苦い”という意味の“アマーロ”という言葉に接尾語のoneがいたもの。one というのはいわば“拡大辞”。“大きな”とか“多くの”という意味です。つまりアマーロを大きくしたのがアマローネ。単純に言えば超苦い、ってこと。

アマーロ、入門編。

イタリアのお年寄り(おじいちゃん)には欠かせない食後酒。これってイギリスのお年寄り(おばあちゃん)に欠かせないシェリーみたいなもの?
個人的にはアマーロの苦さは苦手。

ヴァルポリチェッラのキーワードはレチョート。

レチョートreciotoは甘い。


レチョート・ディ・ソアーヴェは白ブドウから造るパッシートワイン。
パッシートワインが嫌いな人なんているわけない(きっぱり)。



そもそも糖度の高い甘いワインを造ろうとして、冬の気温が高かったなどの偶然の要素が重なり、発酵が途中で止まり、ワインに多量の糖分が残ってしまった。こうしてできたワインはセッコでタンニンが強く、力強くて柔らかく、香りがよい、上質なものでした。
このワインをアマーロと形容することはできない、アマローネだ、となったそうです。
ヴァルポリチェッラの独特の地形が生み出すワインで、ヴァルポリチェッラ地区の土地はイタリアでもっとも価格が高いそうです。
そうそう、バローロの産地、ピエモンテのランゲ地方も地価が高騰して農地はすべてぶどう畑になってました。
バブルは影響の強さが怖い。

リゾット・アッラ・アマローネ。


リゾット・アル・バローロ。


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2025年8月29日金曜日

リゾットのアマローネ風味、シンプルながら地元の名物が各種使われている料理。

ワイン風味の定番イタリア料理、最後は“リゾットのアマローネ風味”。
アマローネは、アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラvalpolicellaのこと。ヴェネトのワインです。コルヴィ―ナ、ロンディネッラ、モリナーラなどのぶどうを収穫後に干してから醸造する濃いルビーレッドの滑らかでボティーのある味のワイン。ジビエやロースト、ブラザート、煮込み、熟成チーズなどに合う。

ヴァルポリチェッラのストラーダ・デル・ヴィーノ。


きのうの白ワインの銘産地、スッドチロルから一転して、今度は上質赤ワインの産地。北イタリアでも様々なワインが造られています。

今日の料理の舞台はヴェローナ。
下の動画はヴェローナの名物の祭り。


アマローネのリゾットのもう一つの主役、米もヴァルポリチェッラ地区の名物。
その品種は、ヴィアローネ・ナノviarone nano。

ヴィアローネ・ナノの産地。



イタリアでは、“米は水から生まれてワインの中で死ぬ”、と言われています。
米とワインは切っても切れないパートナー。

という訳で、この料理の主役はアマローネとヴィアローネ・ナノです。
北イタリアでリゾットというと、カルナローリ米が中心ですがヴィアローネ・ナノもヴェネトなど北イタリアのリゾットには欠かせない米。
イタリアの米はリゾットになった時に美味しくできるように品種改良されてきた米。

この料理には、地元の名物がもう1つ使われています。
それはモンテ・ヴェロネーゼというチーズ。(CIR4月号)のリチェッタの日本語訳はP.35。

モンテ・ヴェロネーゼ


材料が少なく、シンプルな料理だけに誓う食材の品質がポイント。ヴェローナの食文化と食材の知識が必要な料理でした。
モンテ・ヴェロネーゼはいわゆる“山のチーズ”と呼ばれるチ―ズの代表格。牛乳のセミハードチーズです。

アマローネとモンテ・ヴェロネーゼのリゾット。


ベネチアでイカ墨のスパゲッティ食べたことがありますが、リゾット食べとけばよかった、と未だに後悔してます。
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イタリアの新しいマスター・オブ・ワインが選ぶコンテンポラリーな赤ワイン。

イタリアの新しいマスター・オブ・ワイン、アンドレア・ロナルディが提案するPinosophyの概念。イタリアの食の分野のカリスマたちは、深い哲学への造詣がある人が多く、言ってることの意味が分かるまで、かなり苦労します。マスター・オブ・ワインも例外ではありません。なので、それなりにか...