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2025年10月14日火曜日

パスタがベースの現代イタリア料理の歴史を感じられる未知の味の料理を作るアルべルト・ジッポー二シェフ。

今日は(CIR5月号)で紹介したシェフ、アルベルト・ジッポー二さんの話です。記事とリチェッタの日本語訳はP.31。

下の動画の33.7万人の登録者がいるグルメ系ユーチューバーは、私が知ってる店の中で、一番クレ―ジーな店、と言ってます(多分誉め言葉)。記事によると彼は、パスタがベースの現代イタリア料理の歴史を感じられる未知の味の料理を作るシェフ。
 1980年生まれで社会学の学位を取り、ジョルジュ・ブランやマッシモ・ボットゥーラのレストランで働いた後に、料理への情熱は本物だと確認し、2017年にフランチャコルタに自身のエノテカ併設のレストラン、ディーナを開いたそうです。ディーナとはおばあちゃんの名前だとシェフは言ってます。ここを私たちの家のようにしたかったそうです。入り口のモダンアート1点と赤い壁の部屋は一種の減圧室だって。とても知的な人のようですね。わずか3つだけのテーブルがあるのは半地下。最善を尽くして対応する客席は6~10席。でも、イタリアのレストランのルーツはオステリアにあるとして、お客の暮らしに寄り添いたいとも語っています。
ユーチューバーはシェフはちょっと狂ってると言ってます。ミシュランの星はないけどガンベロ・ロッソのトレ・フォルケッテ。彼の料理の主役と本質はパスタ。
味は記憶を造り出す。自分が通ったレストランの料理から料理を創り出す。誰もが知っているものから、それを超えて深い意味を含む料理を作るのが好きだ、と記事で語っています。



魚に透明のソースをかけてますよ。牡蠣のリゾーニは(CIR)にリチェッタの日本語訳を載せています。リゾーニは米の形のパスタ。不思議な料理を食べて、ユーチューバーたちも言うことが高尚になってますねー。カネロニの訳も載せましたが、意味不な訳すのが難しい料理でした。付け合わせなどとが違うので別の料理のようですが、シェフはカネロニも得意のよう。まさかカネロニが底をつなげた輪切りになっているとは。なんか楽しい。その味には見ているもの以上のものがありそうですね。
この動画を見ると、知恵と経験が豊富なプロが作ったパスタが食べたくなるなあ。
ただ、食べる前に、シェフがイタリア料理のベースは水と小麦粉、さらに詳細に言えば、北イタリアの軟質小麦粉の卵入りパスタと、南イタリアの硬質小麦粉のパスタと考えていて、料理の美しさは、知識が人から人へ、国から国へ、地方から地方へと伝わること、つまり伝統にある、と考えていることは知っておきたい。
ユーチューブに溢れる彼の動画を見ると、今、すごく注目されていることがよく分かる。


ジッポー二のイカリング風カネロニ。
ジェラートは白トリュフ入り。






アマトリチャーナを語るジッポー二。





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new『スッド・グランデ・クチーナ(南伊・山・海)』

【地方料理、シリーズ】
シチリア』、『ローマとラツィオ』、『トスカーナ』、『ミラノ』、『ベネチアとラグーナ』、『ナポリ
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2025年9月13日土曜日

トリュフの生存戦略にどっぷりはまったのは人間。

アルバの白トリュフの話をして思い出しました。ピエモンテで一番重要で来場者の多い食のイベント、アルバの白トリュフ国際見本市は、現在開催中。10月11日~12月8日まで開催されています。
トリュフが解禁されるのは、9月末から1月末まで。webページはこちら
アルバに行くなら、この間です。

アルバの白トリュフ国際見本市、今年は95回め。





白トリュフ。


その香りで動物を虜にして掘り起こさせ、食べられることによって遠くに運ばせる、というトリュフの生存戦略は、豚より人間にはまったよう。多分逆らうのは無理。無駄な抵抗はやめてどっぷりトリュフにはまるしかない。
トリュフ犬に最適、と言われているのはラゴット・ロマニョーロという犬種。子犬の頃から訓練する。毎年この時期になるとかしこいワンちゃんがトリュフを探している様子を見たくなります。日本のワンちゃんはここ掘れワンワンと教えますが、イタリアのわんこは掘りながらquarda qui guarda qui/ここ見て、ここ見て、と教えます。

わんこと一緒に行うトリュフ狩り。


個人的には、トリュフ犬に匹敵するのがトリュフをサーブするカメリエーレだと思ってます。


タヤリンの白トリュフがけ



緊張してレストランのテーブルに座っているお上りさんの世界中の観光客を前にして、トリュフを削るカメリエーレは、やけに堂々としてかっこよく、得意げに、時価の白トリュフを景気よく、永遠に削り続けるのです。いったいこれでいくらになるの・・・とおびえて、もういいです、と言いたくなるのをぐとこらえる、多分、みんなそうだよね。しばらくすると、ようやく満足したのか、カメリエーレはトリュフを削るのを終了します。でも、その瞬間気が付きました。このトリュフを削りかけるパフォーマンスも含めて、この料理は完了するのです。なので、ある意味、このパフォーマンスの瞬間は、この料理のピークなのでした。香りを味わうという、とても象徴的な食材、トリュフは、料理を味わっている空間を特別なものに変身させます。そこにカメリエーレの洗練された所作が加わると、一生残る体験になります。オ―バーなようですが、レストランからの帰り道、星で覆い尽くされたアルバの夜空を見上げた時の感動は、今でも覚えています。

ちなみに、料理に加えるトリュフの適量は、黒も白も9~10g。

アルバの注目シェフ、リストランテ・ピアッツァ・ドゥオモのエンリコ・クリッパ。



ピエモンテの人はみんなベテランカメリエーレやトリフォラウみたいで美食意識がすごく高い。

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2025年8月21日木曜日

有名シェフたちのミラノの店。オランダ人からミラノ料理の大御所まで、様々な人が新しい挑戦を繰り広げている。

ミラノのレストラン、アヴァンギャルドな店、変わらない昔ながらの家庭料理の店、とみてきましたが、次は、有名シェフの店です。
イタリアの飲食店のトップの人たちが集まる街、ミラノ。
どんなシェフが店を出しているんでしょうか。

まずはクリスティアーノ・トメイ。
彼はちょっと個性的なルッカのシェフですが、ミラノ人が楽しんでリラックスできる店にしたい、と作ったのが、ミラノのコルテッチャ。

リストランテ・コルテッチャ・ミラノのwebページ

次は地産地消の巨匠、ノルベルト・ニーダーコフラー。
彼がミラノで始めた店は、ガッレリアが見渡せる場所にある淡水魚料理の店。



ミラノ料理の古参、クラウディオ・サドラー
彼の店、サドラ―のwebページはこちら
彼はイタリア料理のクラシックにオリジナリティーを加えた料理を出している。


次は自称、間違ってイタリアに生まれたオランダ人。エウジェニオ・ボーア。

締めくくりはジャンカルロ・ペルベッリーニ。伝統的なイタリア料理の解釈を広げたメニュー・ペル・ミラノというコース料理を出している。店のwebページはこちら



お勧めミラノ料理の動画。


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2025年8月19日火曜日

ミラノのレストラン、トレンド追求の速さと商売っ気の強さがすごいナイトライフの街。

今日のお題はミラノのレストランです。(CIR4月号)の記事の日本語訳は、p.29。
ミラノはイタリアの食のトレンドの発信地。2026年には冬季オリンピックを控えて、2022年時点で4600軒のレストランが開業準備中だそうです。移り変わりが速いなあ、とも感じますが、新しいものを取り入れる感性の敏感さと商売っ気がすごい街です。

この記事でインパクトが大きかったのはオマカセという店に、高級和牛を出すビーフバー。
アバンギャルドな姿と対照的な昔から変わらない姿が共存する街。

オマカセ

ビーフバー



日本で流行ってるものは、あっという間にミラノに入る。

ファッション地区の中のフェラガモ家のホテル、ポートレイトのオープニング。


ポートレイト・ミラノの朝食。イタリアン、アメリカン、アジアンと各種揃えてます。


カクテルが上手なバーテンダーことミクソロジストの店では質の高さが求められる。
人気のミクソロジスト、ルーカ・ヴェッツォーリのカクテルのポイントは、うま味。

ウマミカクテル


近くにプラダ財団があることからSouth of Prada(SouPra)スープラと呼ばれる地区。
この地区にある料理を出す小さくて野心的なカクテルバー、カナリア


ミラノを訪れた際には、スープラ地区でカクテルでもどうぞ。

プラダ財団



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2025年3月14日金曜日

ランゲの大きな魅力の一つ、人気のシェフたちの店

ランゲ地方の話題、今日のテーマは有名レストランです。
まずはチェルヴェーレのアンティカ・コローナ・レア―レ。
ピエモンテの代表的伝統料理を最新のテクニックと知識で調理した、シンプルで明快な料理を出している。グランシェフはジャンピエロ・ヴィヴァルダ。

antica colona reale(店のwebページはこちら)。

ジャンピエロと父親がシェフ。下の動画で使ってるカタツムリはランゲ地方の町、ケラスコの名物。

店の菜園。規模が桁違い。

リストランテ・ピアッツァ・ドゥオモ(店のwebページはこちら)は、この店に行くためにアルバに行く人もいるスーパー・オステリア。シェフはイタリアを代表する、エンリコ・クリッパ。

エンリコ・クリッパのラビオリ

ランゲではなくブリアンツァ出身。ピエモンテの古い伝統料理に固執せず、地元の習慣と食材を駆使した料理を作る。

デ・チェッコの地方料理のパスタの本、『パスタ・ヴィアッジョ・イン・イタリア


のピエモンテのシェフとして選ばれたのは、ルイザ・ヴァラッツァ。


ホテル・レストラン・アル・ソリゾのシェフ(店のwebページはこちら)

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2025年2月4日火曜日

サルトゥやシチリアのティンバッロは、今や“ベスビオ”と呼ばれる料理になっていました。

“リガトーニのヴェスビオ”の話をしていますが、ナポリ料理の専門家として広く認められているルチアーノ・ピニャタロ氏の本、『リチェッテ・ディ・ナポリ

を見てみたら、“サルトゥ・アリアス・ヴェスビオ・ディ・リーゾ”という料理を見つけました。アリアスとは“別名”という意味。つまり、サルトゥ、別名お米のヴェルビオという料理です。
サルトゥはフランスのティンバッロがモンズ―によってフィレンツェ経由でナポリに伝わって広まった貴族料理、ということは前回のブログで説明した通り。その際、偶然にもお米のサルトゥを見て、ヴェスビオにそっくりだと思っていました。ピニャタロの本のリチェッタは、トッレ・デル・グレコのil Poeta Vesuvianoという店のオーナーシェフ、カルミネ・マッツァのリチェッタです。ティンバッロは、今やアルフォンソ・イアッカリーノシェフの生み出した料理によって、ヴェスビオと呼ばれるようになったんですね。王様の料理とも言われるサルトゥは、18世紀の貴族料理でありながら、いまではナポリのもっとも象徴的なスペチャリタと認められている。上質の食材を使って庶民が創り出した風味豊かな料理。

ポエタ・べスビアーノ。有名な店のようで、動画はたくさんアップされてました。

カンパーニアの秘密が詰まったサルトゥ・ディ・リーゾ■■■

本のリチェッタを訳してみます。

Sartù alias Vesuvio di riso
材料
アルボーリオ米・・320g
ブロード・ディ・カルネ
小粒のグリーンピース・・50g
玉ねぎ・・1個
にんじん・・1本
セロリ・・1本
トマトのパッサータ
バジリコ
子牛挽肉・・100g
乾燥ポルチーニ
パルミジャーノ
バター、パン粉

・玉ねぎ1/2個、にんじん1本、セロリ1本をみじん切りにして軽くソッフリットにし、挽肉を加え、数分後にトマトのパッサータを加えて煮る。
・鍋で玉ねぎ1/2個のみじん切りを鍋で炒め、米を加えて数分トーストする。
・米に半分火が通ったらブロードをかけはじめ、あらかじめ作っておいたトマトソース、刻んだ乾燥ポルチーニ、フライパンで軽く炒めたグリーンピースを加える。
・米が硬めのアルデンテになったら仕上げにパルミジャーノ、バター、バジリコ数枚でマンテカーレする。
・型にバターを塗ってパン粉をまぶし、熱い米で満たして数時間休ませる。できれば前日に作る。
・200℃のオーブンで0分焼く。
・サルサ・ラグーの上にお米のベスビオを盛り付け、バジリコのソースとフレッシュのバジリコで飾る。

※バジリコのソース;バジリコとガス入りミネラルウオータ―、EVオリーブオイル、塩一つまみを乳化させて滑らかな締まったソースにする。■■■



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2025年2月3日月曜日

カンパーニアの食材と伝統を駆使したアルタ・クチーナで一世を風靡したドン・アルフォンソの名物料理、リガトーニのヴェスヴィオの原型はティンバッロ。

今日のお題は(CIR10月号)、の記事から、イタリア料理のアイコン、“リガトーニのヴェスヴィオ”です。
この料理が生まれたそもそものきっかけは、アルフォンソ・イアッカリーノと妻のリヴィアが、サンタガタ・スイ・ドゥエ・ゴルフィで始めたレストラン、ドン・アルフォンソ1890。
当時、一世を風靡した店ですが、シェフの名前はドン・アルフォンソじゃなくて、アルフォンソ・イアッカリーノでした。




ソレントはアマルフィ海岸への拠点ながら、高級リゾート地が続く中で、かなり庶民的な雰囲気がただようカンパーニアの街。

80年代のソレントのレストラン業界で、アルタ・クチーナを出すドン・アルフォンソの開業は冒険的な大事業。アルフォンソ・イアッカリーノシェフは、地元の産物を活かし、伝統と革新を感じさせる料理を作りだして、あっという間に美食家たちを虜にします。
彼が創り出したリガトーニのヴェスヴィオも、カンパーニアの産物、伝統を活かした料理でした。
そのベースにしたのは、パスタのティンバッロです。
このブログでも何度も取り上げてきた料理です。ランぺドゥーサの小説『山猫』でサリーナの領主の晩餐会でふるまわれた“記念碑のようなパイ”、と表現されたシチリアの貴族の伝統料理の一つ。

金色に輝き、砂糖とシナモンの香ばしい香りが立ち上る生地、ナイフをこの生地に差し込むと、まず熱い湯気と香りが飛び出してくる。そして中には鶏のレバー、ゆで卵、ハム、鶏肉、トリュフが肉のエキスでカモシカ色になった熱々のマッケロンチーニに絡まっているのが見える・・・。

そもそもティンバッロはフランスの宮廷で生まれ、モンズ―によって、フィレンツェ経由でナポリ、パレルモなど南イタリアの貴族たちの間に伝わった料理。
質素なパスタを18世紀フランス人修道士に、「貪欲の勝利」と言わせたご馳走。

ルキノ・ヴィスコンティ監督の傑作映画、『山猫』でもその晩餐会の場面で登場し、アラン・ドロンやクラウディア・カルディナーレといった大物俳優たちをすっかり食っていたのがこの料理、ティンバッロ。
復活祭のご馳走として南イタリアの人たちに愛され、上質の具材を使って作られましたが、残り物も有効利用する料理で、このあたりがカンパーニアの人たちにも受け入れられたのではないでしょうか。ナポリでは“サルトゥ”と呼ばれました。

サルトゥ―・ディ・リーゾ

これはすでにヴェスビオ山みたい。

パレルモのティンバッロは指輪のような小さなパスタ、アネッリ―ニを使います。

ヴェスビオとナポリ。ナポリを象徴するこの山を、どんな料理にするのでしょう。

父親の傑作を受け継いだ息子、エルネスト・イアッカリーノ。

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イタリアの新しいマスター・オブ・ワインが選ぶコンテンポラリーな赤ワイン。

イタリアの新しいマスター・オブ・ワイン、アンドレア・ロナルディが提案するPinosophyの概念。イタリアの食の分野のカリスマたちは、深い哲学への造詣がある人が多く、言ってることの意味が分かるまで、かなり苦労します。マスター・オブ・ワインも例外ではありません。なので、それなりにか...